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マツダが欧州28カ国で「6年、15万キロ」保証を今月から開始!中古相場の高値安定が目的だと思われるが、日本の「3年、6万キロ」はどうなる?

マツダ

| マツダはなんとしてもそのブランド価値、そして中古市場の相場を上げてゆきたい |

ローマは一日にしてならず。マツダも長い時間をかけ、少しづつその地位を上げてゆくしかない

さて、マツダが今月販売分の新車より「6年保証を提供する」と発表。

この延長保証プログラムは、6年間または150,000kmのいずれか早い期間/距離において有効となり、「3年間または60,000kmのいずれか早い方」と定められている日本市場の一般保証に比較するとかなりの太っ腹な内容です。

ちなみにこの「6年間または150,000km保証」は昨年にオーストリアとドイツから先行提供が開始され、その後2022年9月にアルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド共和国、コソボ、マルタ、モルドバ、モンテネグロ、北マケドニア、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニアに拡大し、直近ではフランス、スイス、イタリアにまで対象が広がっています。

マツダの狙いは「顧客ロイヤルティの維持」

今回の導入新車保証は、すべての材料および製造上の欠陥をカバーするほか、影響を受ける部品の修理や交換費用も負担するといい、マツダによれば「この無料延長保証が欧州における所有者のライフサイクル体験をさらに向上させ、顧客ロイヤルティを維持させることに貢献する」。

加えて、マツダモーターヨーロッパのCEOであるマルティン・テン・ブリンク氏は「欧州のマツダ車のドライバーは、今回の6年保証により、業界で最も包括的な保証パッケージの1つを利用できるようになりました。最長6年または15万kmの間、お客様に安心感を与えるだけでなく、この期間内に中古車として売却する際にも車両の価値を高めることができるのです」とコメントしています。

さらにマツダはこの6年間の新しい保証に加え、12年間の(錆びによる)穴あき保証と3年間の塗装・表面腐食保証を提供すると発表し、さらにバッテリー電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車には、8年/16万km(99,419マイル)の保証がを付帯させるとも発表しており、保証という面においてライバルに大きく差をつけることになりそうですね。

マツダMX-30

なぜマツダは保証を延長するのか

そこで出てくる疑問が「なぜマツダは保証を延長するのか」。

これについては車両の価値を上げ、中古市場での相場を上昇させることが最大の目的だと思われ、同様の意図にてフェラーリがすでに7年保証を取り入れており、アウディなどいくつかのメーカーもメンテナンスに関しては「フリー」プランを付帯しています。

こういった「自動車メーカーが、販売した自社のクルマの性能や品質を維持する」ことによって中古相場を高く保つことができ、となればオーナーは「より高く」売却することが可能となり、結果的に「高く売れるのであれば、またそのブランドのクルマを買おう」となるわけですね(ただしメーカーには相応の負担が生じることになり、覚悟がないとこれを導入できない)。

かつて、マツダのクルマは売るときに非常に安く、しかしマツダのディーラーであれば相場よりも高く下取りしてくれたために「マツダ車を購入すると、マツダ車にしか乗り換えることができない」というマツダ地獄なる状況が存在したわけですが、今回マツダは保証期間の延長によって「逆」マツダ地獄というか、マツダ天国をつくりだそうとしているのだと思われます。

マツダ・ロードスター

参考までに、こういった「中古相場の維持」は非常に重要であり、レクサスがもっとも注力しているのは「車両価値の維持」だとされ、そしてアルファロメオが新CEOを迎えて生まれ変わるために導入した施策のひとつが「保証の強化」。

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こういった保証の延長はコストがかかるものの、中古相場を高く維持するには(自社で高く買い取って高く売る以外だと)この方法しかなく、かつ効果が現れるには長い時間がかかるものの、マツダはそこに費用を投じてブランドイメージを高めることにしたのでしょうね。

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