未だ方向性を決めかねている模様。この様子だと登場まであと4−5年はかかりそう
日産はつい最近、1年半ぶりとなる新車「デイズ」を公開していますが、このニュースを見たときに「1年半も新車を発売していなかったのか」と驚かされることに。
そこでときおり話題にあがるのがGT-R(R35)とフェアレディZ(370Z)の後継モデルで、これらについては今のところ確たる情報が無い状態。
過去に何度か「開発に着手」と報じられるものの、GT-Rは2007年、フェアレディZは2008年の登場なので、両方とも10年以上が発売から経過しているわけですね。
日産幹部が次期GT-R、フェアレディZの存在を認める。「日産の戦略に従いエレクトリック化される」
日産役員が「次期フェアレディZ開発着手」と明言。2019年東京モーターショーでなんらかの発表?
日産「我々自身もフェアレディZ、GT-Rのファンだ」
そこで今回英国TopGearが日産のチーフプランニングオフィサー、フィリップ・クライン氏へとインタビューしたところ、「次期日産GT-Rそして次期フェアレディZの開発は継続している」とのこと。
そして「フェアレディZとGT-Rには大勢のファンがいて、我々もそのファンだ。今ここでその詳細を語ることはできないが、これらのクルマの将来を考えているのは間違いない」とも語っています。
ただ、フィリップ・クライン氏いわく「その方向性」についてはどうしたらいいのかを決めかねているようで、というのも「そもそもエレクトリック化すべきかどうか」。
これについては多くのメーカーがその方向性について頭を悩ませていると考えられ、というのも「バッテリー技術がまだ発展途上だから」。
現在メインとして使用されるリチウムイオンバッテリーもまだまだその密度が向上する可能性もあり、かつ次世代バッテリーであるソリッドステートバッテリーが登場する可能性も。
今からクルマを開発すると、発売するのは5年後くらいになり、しかし開発には既存技術を使用する必要があるわけですが、たとえば今「リチウムイオンバッテリーをベースに」開発すると、発売する頃には「ソリッドステートバッテリーが」登場している可能性が高く、そうなると新型車なのに、発売したときから「古い技術を使用している」ということに(ソリッドステートバッテリーが登場しても、それがすぐに普及するわけではありませんが)。
そしてリチウムインバッテリーにて「求める性能を」実現しようとすると重量がかさみ、スポーツカーとしては致命的に重くなるのもまた懸念かもしれません。
現在のエレクトリック技術では満足の行くレベルのスポーツカーを作れない?
フィリップ・クライン氏によれば「ドライビングエクスペリエンスは我々のプライオリティ・リストの中ではとても高い」としており、さらには「エレクトリックカーは実に運転していて楽しく、高いレベルのドライビングエクスペリエンスを持っている」とも。
そして日産は現在の路線でも分かるとおり「エレクトリック」「ハイブリッド」路線を拡大したいと考えているようですが、他の選択肢も探っていること、そしてスポーツカーとしての性能を維持したいということにも触れており、となるとやはり「現在のエレクトリック技術ではフェアレディZ、GT-Rを名乗るには不足がある」ということなのかもしれません。
いずれにせよ、現時点では「方向性を決めかねている」ということになり、この状況下では新型フェアレディZ、新型GT-Rが登場するには「あと4-5年は待たねばならない」ことになりそうですね。
VIA:TopGear