>中国/香港/台湾の自動車メーカー

BYD×メルセデス・ベンツ発のプレミアムブランド「Denza(デンザ / デンツァ)」、ついに欧州に進出。初陣は952馬力のZ9 GTシューティングブレーク

BYD×メルセデス・ベンツ発のプレミアムブランド「Denza(デンザ / デンツァ)」、ついに欧州に進出。初陣は952馬力のZ9 GTシューティングブレーク

Image:BYD

| BYDは「既存メーカーの製品に比較して”10倍優れる”」と強気のアピール |

実際のところ、偏見抜きにして見ると「10倍」とはゆかずとも、デンザの製品が優れていることは間違いない

さて、BYDは普及価格帯の「BYD」ブランドのほか、「デンザ」「フェンチェンバオ」といったプレミアムブランドを所有していますが、今回は「デンザ」がミラノ・デザインウィークにてデビューを飾って欧州市場への初進出を決めることとなり、そこでBYDの副社長、ステラ・リー氏が「(デンザのクルマは)ライバルの10倍優れる」という自身を見せたことが大きな話題に。

BYDとメルセデス・ベンツの合弁による「デンツァ(Denza)」から952馬力のエレクトリックワゴン、Z9 GT登場。ライバルはズバリポルシェ・パナメーラ
BYDとメルセデス・ベンツの合弁による「デンツァ(Denza)」から952馬力のエレクトリックワゴン、Z9 GT登場。ライバルはズバリ、ポルシェ・パナメーラ

| 現時点ではまだデンツァ Z9 GTのスペック詳細、EV性能、そして価格は明かされていない | 中国の自動車メーカーの展開速度は「恐ろしい」ものがある さて、BYDが展開するサブブランド、Denza ...

続きを見る

「我が社のクルマは、ライバルの10倍いい」
そう豪語するのは、BYD副社長のステラ・リーで、彼女が語るのは、元々はメルセデス・ベンツとの合弁で誕生した(しかし今はメルセデス・ベンツが手を引いた)プレミアムブランド「デンザ」のフラッグシップモデル、Z9 GTについて。

1

Image:DENZA

2011年にBYDとメルセデス・ベンツとの合弁にて立ち上げられた「デンツァ(デンザ)」。メルセデスがプロジェクトが撤退しBYDが100%コントロールすることに
2011年にBYDとメルセデス・ベンツとの合弁にて立ち上げられた「デンツァ(デンザ)」。メルセデスがプロジェクトが撤退しBYDが100%コントロールすることに

Image:DENZA | 現在デンザは非常に好調、メルセデス・ベンツにとっても旨味が感じられるプロジェクトではあったと思われるが | 撤退の理由についてはメルセデス・ベンツ、BYDが100%からも説 ...

続きを見る

デンザ Z9 GTは952馬力を誇るトリプルモーター搭載のEVで、ランボルギーニそしてアルファロメオといったイタリアンブランドでデザイナーを努めたヴォルフガング・エッガー氏がスタイリングを手掛けています。

そのシルエットはパナメーラ・スポーツツーリスモを彷彿とさせるクーペライクなシューティングブレークですが、BEVのほか858馬力を発生する2リッターエンジン搭載のPHEVバージョンもラインアップされています。

「このクルマは本当にライバルの10倍優れている。レガシーブランド(既存の自動車ブランド)が持たないユニークな機能を多数備えています。」
BYD副社長 ステラ・リー

テクノロジーと価格で勝負 ― “次世代プレミアム”の挑戦

デンザ Z9 GTは単に価格の安さを武器にするだけの「従来の中国車」とは異なり、クラブウォーク(横移動)やスローモーション旋回といったユニークな機能を備え、駐車や狭路走行を驚くほどスムーズにこなす技術を搭載していて、これらは欧州のプレミアムカーではまだ見られない装備。

スゴいなこれ・・・。BYDの新型ワゴンには「画面を指でなぞったとおりにクルマが平行にスライドし」ピタリと縦列駐車を決める機能が内蔵される【動画】
スゴいなこれ・・・。BYDの新型ワゴンには「画面を指でなぞったとおりにクルマが平行にスライドし」ピタリと縦列駐車を決める機能が内蔵される【動画】

Image:CarNewsChina.com | 中国では様々な特殊事情から「他の国では見られない」特殊な機能が好まれる | ただしこの機能を使用するとタイヤがすぐに減りそうである さて、BYDのサブ ...

続きを見る

また、リー氏は次のように語っており、これまで「売りっぱなし」だと評されていた中国車の常識を覆したいと考えているようですね。

「このクルマは、洗練されたデザイン、圧倒的な性能、革新的な技術が融合しています。加えて、デンザは高品質なカスタマーサービスでも競合に差をつけるつもりです。」

欧州価格は未定、だが“勝負アリ”か

中国におけるデンザZ9 GTの価格は33.48万元〜41.48万元(現在の為替レートにて約670万円〜830万円くらい)ですが、ポルシェ パナメーラ スポーツツーリスモやタイカン クロスツーリスモの価格帯に比較すると1/3程度であり、オプションも加味するとさらに大きな差が開きます(デンザZ9 GTは”ほぼ全部入り”で、ポルシェには備わらない装備も標準化されている)。

この圧倒的なコストパフォーマンスが欧州プレミアムブランドに対する最大のアドバンテージとなるのは間違いなく、デンザはポルシェに対してのみならず、”元提携先”であるメルセデス・ベンツ、さらにはBMWやアウディに対しても狙う構図となりそうで、特にメルセデス・ベンツにとっては「元パートナーが最大のライバル」となる可能性も。

欧州市場における「新世代プレミアムEV戦争」は、いよいよ新たなフェーズへ突入し、これまでになかった「中国からの勢力」を交え、いっそう厳しい環境となりそうです。

合わせて読みたい、BYD関連投稿

BYDのプレミアムブランド「デンザ」が発売する”ポルシェ911のライバル”試作車が目撃される。中国車はスポーツカー市場でも威力を発揮できるか
BYDのプレミアムブランド「デンザ」が発売する”ポルシェ911のライバル”試作車が目撃される。中国車はスポーツカー市場でも威力を発揮できるか

Image:Denza | 今ノリりにノっているBYDのサブブランドだけに”驚くようなクルマ”を出してきてもおかしくはない | 今後、中国の自動車ブランドが「スポーツカー」セグメントにおいてどれくらい ...

続きを見る

BYDが「スター・ウォーズよりヒントを得た」という電動SUV、ファンチェンバオ Bao3を発表。この未来的なルックスでお値段450万円
BYDが「スター・ウォーズよりヒントを得た」という電動SUV、ファンチェンバオ Bao3を発表。この未来的なルックスでお値段450万円

| これだけ魅力的な中国製EVが多数登場している状況下だと、ますます中国車しか売れなくなりそうだ | ある意味中国人はいま幸せな環境にあるといえよう さて、BYDが展開する個性派EVブランド、ファンチ ...

続きを見る

BYDとDJIが協業、33万円にて「車載ドローン発着システム」を実用化。ルーフ上に設置されたハッチから離着陸する様はまるで「SF映画」、メカ好きには刺さるかも【動画】
BYDとDJIが協業、33万円にて「車載ドローン発着システム」を実用化。ルーフ上に設置されたハッチから離着陸する様はまるで「SF映画」、メカ好きには刺さるかも【動画】

| 実際にどの程度役に立つかはわからないが、「とりあえず楽しい」ことは間違いない | そして中国車はやはり独自の進化を遂げている さて、BYDがDJIと提携し、世界初となる車載型ドローンステーションを ...

続きを見る

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->中国/香港/台湾の自動車メーカー
-, , ,