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欧州にてトヨタ「オーリス」の名称が「カローラ」となりオーリスは消滅。その意図を考えてみた

投稿日:2018/08/29 更新日:

| 世界中で「オーリス」消滅。ついに絶滅か |

トヨタはジュネーブ・モーターショーにて「新型オーリス」を発表しましたが、今回「欧州において、新型オーリスは”カローラ”の名称にて発売する」とアナウンス。
つまり欧州市場において「オーリス」は消滅するということになり、これは日本市場における「ヴィッツ」を、欧州で使用している名称「ヤリス」に統一するのと同じ理由なのかもしれない、と考えています。

トヨタはヤリスとモータースポーツとをリンクさせたい?

「ヴィッツ」を「ヤリス」に統一するのには様々な理由があるかと思います。
そもそも同じクルマで複数の名称があること自体がややこしく、となると色々とコストが嵩み(エンブレムも別々なので設計や製造コストも余分にかかる)、かつ世界的に見て知名度が分散する、など。

しかしながらもっとも大きな理由は「モータースポーツ」ではないかとぼくは考えていて、というのも「ヤリス」は2017年からWRCに参戦中。
つまり今後トヨタはヤリスに対してモータースポーツイメージを反映させたプロモーションを今後行うことになるかと思われますが、そこで同じクルマなのに名前が違うヴィッツに対して「ヤリスWRC」に関連したプロモーションを行うことはできず、よってヴィッツをヤリスに改名し、WRCイメージを投影したクルマにするのでは、と考えられます。

なお、ヤリスWRCはこちら。
トヨタも「ヤリスWRC大図鑑」なるコンテンツを公開していますが、ここには”380馬力のモンスターVitz”というコピーも見られ、これを今後「Yaris」に統一したいのでしょうね。※国内外で、同じクルマなのに名称が異なる、ということを知らない人も多い

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しかし日本では「ヴィッツ」はスポーツとは無縁のクルマで、これを無理やりスポーツイメージに持ってゆくとセールス上の齟齬が生じる(これまでの顧客と乖離がある)のではとも思われるものの、トヨタは同価格帯で「パッソ」を持っており、従来のヴィッツの顧客はパッソへ誘導し、ヤリスでは新しい客層を獲得することを意図したのではないかと想像。

そこには豊田章男社長キモ入の「GR」が絡んでくることになるのは間違いないと踏んでいて、つまりヤリスとWRC、そしてGRをリンクさせることで「ヤリスをホットハッチに」仕立て上げ、男性客を取り込もうとしているとも考えられます。

カローラもやはりモータースポーツとリンクしている

そして今回「オーリス」を「カローラ」に統合するのも同じだと思われ、というのもオーリスはモータースポーツに参加しておらず、カローラは従来よりモータースポーツとの関連性が深いクルマ(参考:カローラとモータースポーツ by トヨタ)。

ちなみにこれまでカローラのハッチバックモデルについて、日本市場と欧州市場では「オーリス」の名で販売され、北米では「カローラiM」、オーストラリアでは「カローラハッチバック」。
今回日本では「オーリス」が「カローラスポーツ」という名称となりますが、欧州でも「オーリス」が廃止されて「カローラ」となり、つまり世界統一で「カローラ(その後ろにつくサブネームはともかく)」になる、ということに。

これによってオーリスを扱っていたネッツとトヨペットではカローラスポーツを扱えない、逆にカローラ店では今までオーリスの販売ができなかったもののカローラスポーツを販売できることになり、混乱はあるものの、統計上だと「オーリス」の販売も「カローラ」にカウントされるので、今後「カローラ」は国内販売ランキングにおいても「今までより上位」に来る可能性があります。
単に数字上のマジック(オーリスがカローラに乗っかっただけなので)ではありますが、これはメーカーにとっては非常に大事なことなのでしょうね。

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そんなカローラですが、WRCは現在ヤリスに任せることになり、現在参加しているのは「フォーミュラ・ドリフト」。
カローラスポーツはMTもラインナップしていることですし(市販モデルはFFなのでドリフトは難しい)、カローラに対してもやはりモータースポーツイメージを反映させたいとトヨタは考えていて、そこで今回の「全世界カローラに統一」という話になったかもしれません。

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現在トヨタはWRC(ラリー選手権)、WEC(ル・マンはじめFIA世界耐久選手権)、ニュルブルクリンク24時間レース、SUPER GT、NASCAR、ダカールラリー、全日本ラリーに参加。
相当数のレースに関与しているということになりますが、これらは「Toyota Gazoo Racing」によって統括されており、レース参戦車両と市販車との結びつきを強化することで販売を促進する、そしてトヨタブランド自体のモータースポーツイメージを強化してゆく狙いがあるのだとぼくは考えています。

ただしトヨタの戦略はまだまだ発展途上

ただ、同時にトヨタの戦略はまだまだ不十分だ、というのがぼくの認識。
たとえば、ポルシェもモータースポーツ活動に熱心な企業として知られますが、ル・マンで優勝すればホームページも「ル・マン優勝」へと変更され、その勝利を強調することに。
加えてディーラーイベントも同様で、「ル・マンで勝ったクルマと同じ技術が市販車にもフィードバックされている」とアピールし、消費者対してロイヤルティを植え付ける、というプロモーションを行っています。

Porsche 919 Hybrid, Modell 2017

一方のトヨタでは、今年のル・マンで優勝しても、トヨタのウェブサイトにはル・マンの「ル」の字もなく、一般にもほとんど報道されなかったので、トヨタがルマンに参戦していたことすら知らなかった人も多数(ディーラーもル・マンには興味がない)。
しかしながら米国と英国のトヨタでは、ウェブサイトのトップページを「ル・マン優勝」に張り替え、「世界で最も速いハイブリッドカーを作っているのはトヨタである」と堂々と主張しており、トヨタのハイブリッドはエコだけではなく、スポーツ性能も高い、とアピールしていたわけですね。

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加えてイギリスでは86に「ル・マン仕様」のカラーリングを施すというプロモーションを行っていて、トヨタのモータースポーツ活動を市販車(とくにスポーツカー)と結びつける行動が印象的。

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つまり欧米に比べて、日本のトヨタでは全くそのモータースポーツ活動とプロモーションとが結び付けられていない状態であり、この環境でいかに名称を世界で統一し、モータースポーツに力を入れたとしても販売に結びつく可能性は低いのかもしれません。

このあたりは今後徐々に変わってゆくと思われますが、今までそういったプロモーションを行わなかったこと、活動を販売に結びつける行動を取らなかったことはある種の問題かもしれないとも考えていて、トヨタの社員自体がトヨタのクルマや活動に興味が持てず、そしてそういった状況ではトヨタのクルマやブランドに良い影響など与えようはずもなく、このような状況がひいては「若者のクルマ離れ」の一つの要因となっているのでは、と思うことも。

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若者のクルマ離れは社会の構造変化にも起因すると考えてはいますが、クルマの魅力を伝えてこなかったメーカーにも責任の一端があるのかもしれません。

ただ、トヨタに関しては、豊田章男社長体制となってから大きくクルマや活動が変わっており(名称変更もそのひとつ)、今後については非常に期待している、というのもまた事実です。

 

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