| 世界中で「オーリス」消滅。ついに絶滅か |
トヨタはジュネーブ・モーターショーにて「新型オーリス」を発表しましたが、今回「欧州において、新型オーリスは”カローラ”の名称にて発売する」とアナウンス。
つまり欧州市場において「オーリス」は消滅するということになり、これは日本市場における「ヴィッツ」を、欧州で使用している名称「ヤリス」に統一するのと同じ理由なのかもしれない、と考えています。
トヨタはヤリスとモータースポーツとをリンクさせたい?
「ヴィッツ」を「ヤリス」に統一するのには様々な理由があるかと思います。
そもそも同じクルマで複数の名称があること自体がややこしく、となると色々とコストが嵩み(エンブレムも別々なので設計や製造コストも余分にかかる)、かつ世界的に見て知名度が分散する、など。
しかしながらもっとも大きな理由は「モータースポーツ」ではないかとぼくは考えていて、というのも「ヤリス」は2017年からWRCに参戦中。
つまり今後トヨタはヤリスに対してモータースポーツイメージを反映させたプロモーションを今後行うことになるかと思われますが、そこで同じクルマなのに名前が違うヴィッツに対して「ヤリスWRC」に関連したプロモーションを行うことはできず、よってヴィッツをヤリスに改名し、WRCイメージを投影したクルマにするのでは、と考えられます。
なお、ヤリスWRCはこちら。
トヨタも「ヤリスWRC大図鑑」なるコンテンツを公開していますが、ここには”380馬力のモンスターVitz”というコピーも見られ、これを今後「Yaris」に統一したいのでしょうね。※国内外で、同じクルマなのに名称が異なる、ということを知らない人も多い
しかし日本では「ヴィッツ」はスポーツとは無縁のクルマで、これを無理やりスポーツイメージに持ってゆくとセールス上の齟齬が生じる(これまでの顧客と乖離がある)のではとも思われるものの、トヨタは同価格帯で「パッソ」を持っており、従来のヴィッツの顧客はパッソへ誘導し、ヤリスでは新しい客層を獲得することを意図したのではないかと想像。
そこには豊田章男社長キモ入の「GR」が絡んでくることになるのは間違いないと踏んでいて、つまりヤリスとWRC、そしてGRをリンクさせることで「ヤリスをホットハッチに」仕立て上げ、男性客を取り込もうとしているとも考えられます。
カローラもやはりモータースポーツとリンクしている
そして今回「オーリス」を「カローラ」に統合するのも同じだと思われ、というのもオーリスはモータースポーツに参加しておらず、カローラは従来よりモータースポーツとの関連性が深いクルマ(参考:カローラとモータースポーツ by トヨタ)。
ちなみにこれまでカローラのハッチバックモデルについて、日本市場と欧州市場では「オーリス」の名で販売され、北米では「カローラiM」、オーストラリアでは「カローラハッチバック」。
今回日本では「オーリス」が「カローラスポーツ」という名称となりますが、欧州でも「オーリス」が廃止されて「カローラ」となり、つまり世界統一で「カローラ(その後ろにつくサブネームはともかく)」になる、ということに。
これによってオーリスを扱っていたネッツとトヨペットではカローラスポーツを扱えない、逆にカローラ店では今までオーリスの販売ができなかったもののカローラスポーツを販売できることになり、混乱はあるものの、統計上だと「オーリス」の販売も「カローラ」にカウントされるので、今後「カローラ」は国内販売ランキングにおいても「今までより上位」に来る可能性があります。
単に数字上のマジック(オーリスがカローラに乗っかっただけなので)ではありますが、これはメーカーにとっては非常に大事なことなのでしょうね。