| 実は日産パトロールの登場はランクルと同じ1951年 |
日産が2020年モデルの「パトロール」を公開。
「パトロール」とは聞いたことがあるような、ないような名ですが、これは「サファリ」という車名にて日本でも販売されていたクルマです。
今回の新型パトロールは「マイナーチェンジ」の部類に属するものの、その内外装は大きく変更され、日産は「いかなる路面状況、環境であっても快適性を微塵たりとも犠牲にすることなく走破できる性能を持つ」と自信満々。
そしてパトロールをひとつのヘリテージとして育てたいという意向を持っているようですね。
日産「パトロール」は長い歴史を誇る
なお、初代日産パトロール(4W60系)は1951年に登場。
トヨタ・ランドクルーザーも1951年に発売されているので「同年齢」ということになりますが、これは当時トヨタ、三菱とともに公共需要への入札を目的に開発されたため。
しかしながらその入札にて採用されたのは「三菱ジープ」であり、トヨタ・ランドクルーザー、日産パトロールは(開発費用のモトを取るために)民間需要への道を模索することとなったわけですが、その後二代目(60系/1960年~)、三代目(160系/1980年~)へと発展。
そしてこの三代目から日本では”サファリ”へと改名されることとなっています。
その後四代目(Y60系/1987年~)、五代目(Y61系/1997年~)へと続くものの、日本市場では2007年をもって販売が終了されており、その後は「海外市場専売モデル」へ。
そして六代目のY62系(2010年~)が現行モデルということになりますが、現行モデルの主な販路は「中東」。
つまり中東の富裕層を対象としたのが現在の日産パトロールということになり、彼の地では「ニスモ」バージョンも存在するほどの人気モデル。
なぜ日産パトロール、三菱パジェロは「ランクルのように」なれなかったのか
そして時々思うのが、なぜ入札で破れたランクルが現在「高級クロカン四駆」では圧倒的なポジションを築いており、しかし日産パトロールや三菱パジェロは「そうなれなかったのか」。
ランクルはたしかに他車種に比べてデザイン的な特徴や統一性があるものの、それは当初から現在に至るまで貫かれているわけではなく、ここまでの差を構築するほどの排他性を持たないようにも思います。
そうなると、ランクルと「それ以外」との差異はもう「性能」ということになりますが、トヨタの言う「ランクル品質」、そして「どのような地に行っても、無事に帰ってこれる」という信頼性が評価されたのかもしれませんね。
さらに、ランクルの場合はその「歴史」をうまくアピールしてきており、しかしランクルと「同い年」の日産パトロールはその歴史について言及してこず、よって「ランクルのほうが伝統がある」という印象を世間に浸透させることになったのだろう、とも考えています(ほとんどの人が、日産パトロールにそれほどの歴史があるとは知らない。そしてメーカーサイトでもトヨタはしっかりそのルーツをアピールしているが、日産はそうではない)。
日産パトロールは「洗練」「豪華」路線に活路を見出す
そして話を戻して日産パトロールですが、今回のマイナーチェンジでは一気に「高級感」をブースト。
外観はクロカン四駆/オフローダーというよりも都会派SUVといったほうがふさわしい印象へと変化しています。
インテリアにおいてはその印象がさらに顕著であり、ランドクルーザーとは比較にならないほどの豪華さを獲得しているようですね。
これによって日産はランクルとは異なる路線に活路を見出したことになり、しかしこれはこれでレンジローバーなどのライバルも多く、今後の動向、そしてこれから「レジェンド」をつくりヘリテージとなりうるのかどうかについては要注目、といったところです。
VIA:NISSAN