| そこにはトヨタの「命を乗せ、いかなる地にも行って帰ってこれるように」という思いがあった |
トヨタが、「ランドクルーザーの累計販売台数が、2019年8月末で1000万台を超えた」と発表。
ここ数年、ポルシェ911、マツダ・ロードスターが「100万台を超えた」と公表されていますが、ランドクルーザーはなんとその10倍、1000万台です。
これは1951年8月1日の「トヨタジープBJ型」発売以降68年間で達成した数字だとされ、ランドクルーザーは「トヨタでもっとも長い歴史を持つ」クルマでもある、と述べています。※ランドクルーザー特設サイトはこちら
ランドクルーザーは今や170もの国・地域に輸出されている
ランドクルーザーはこのBJ型以降、20系、40系、55系、60系、70系、80系、70プラド、90プラド、100系、120プラド、200系、150プラドといったモデルを展開するに至り、20系以降は海外へと輸出されることになりますが、その開発思想「信頼性、耐久性、悪路走破性」が高く評価されて世界中で愛されることに。
なお、20系輸出当初の輸出台数は年間100台以下にとどまっていたものの、10年後の1965年には年間10,000台を超えるまでに成長。
ちなみに「ランドクルーザー」という名称は「陸の巡洋艦」という意味になりますが、これは開発当初、世界中で評価されるオフローダーとして「ランドローバー」があり、ランドローバーを「陸の盗賊(ローバーという意味には”探検者””盗賊”という意味がある)」やっつけるという意味で「巡洋艦」という言葉が用いられた、とされています。
実際、世界中から(ランクルによって)ランドローバーが駆逐されてしまったとも言ってよく、そこは「信頼性」「耐久性」が評価された部分なのでしょうね。
そしてトヨタによれば、現在ランドクルーザーを輸出する国は170にも上り、年間輸出台数は約40万台。
未だ40系が現役で活躍する地域もあるといい、一部地域では70系が現行モデルとして販売されているところから見ても、ランクルの基本設計がいかに優れ、そして車体がタフであるかをうかがい知ることができます。
なお、現在のランクルの国/地域別販売はこんな感じ。
中東が圧倒的であることがわかりますね。
ランドクルーザーは超高級SUVのライバルにもなりうる?
販売推移はこちら。
さすがにランクルは現行200系登場以降、12年に達しており、モデル末期ということもあって販売が徐々に下がってきている模様。
ただし販売最多地域が中東、そしてここ数年はランボルギーニ・ウルスや、ロールスロイス・カリナンといった超高級SUVが中東での人気を博していることを考えると、ランクルはそれらに「食われている」、つまりランクルは超高級SUVのライバルにもなりうる、ということを意味しているのかもしれません。
そしてドバイではやはりランクルが「異常に」多く、砂漠にゆくと目を疑うような「ランクルだらけ」の風景も。
トヨタには「ランクル品質」なる言葉がある
そしてトヨタはもともとランドクルーザーを「世界で最も過酷な条件で」使用されることを想定しており、そのために「ランクル品質」なる基準を設け、ほかのトヨタ車とは全く異なるレベルでのテストを行う、とされています。
つまりは「何かあれば命にかかわる」という環境で使用されることを考え、ランドクルーザーの歴史を下記のように総括。
ランドクルーザーの歴史はトヨタQDR(Quality : 品質、Durability : 耐久性、Reliability : 信頼性)の象徴であると同時に、「世のため、人のため」というトヨタのクルマづくりの原点でもあります。仕事、生活を営むための心強い相棒として、「人の命や物を運び、移動の夢を叶える」クルマ、「行きたいときに、行きたいところに行って、必ず帰って来られる」クルマ、それがランドクルーザーです。
さらに、トヨタは「ランドクルーザーは、68年の歴史の中で、お客様が1,000万通りの道を走り、クルマを鍛えた轍の上に存在している」と述べ、「今後もランドクルーザー開発では、お客様の期待に応え、期待を超えていくためにも、世界中のあらゆる道で使われることを想定し、最も厳しい基準を自らに課し、唯一無二の存在を目指したクルマづくりを続けてまいります。」とも。
ランドクルーザーの「今後」は?
そして齢12年を迎えるランドクルーザーですが、そろそろフルモデルチェンジの時期。
異例にモデルチェンジのサイクルが長い理由としては上記の「ランクル品質」が挙げられ、徹底して性能を追求しているため、モデルチェンジの余地がない、ということもあるようです。
次期ランドクルーザーについては様々な噂が聞こえており、今年の東京モーターショーにコンセプトモデルが展示されるのでは、とも言われていますね。
ちなみにトヨタは「月面車」の開発を行うとも発表していて、そして予想レンダリングを見るにその顔つきは「40系ランクル」。
近い将来、ランドクルーザーが「月へゆく」ことになりそうですね。
VIA:TOYOTA