| さすがのトヨタもここまでは実現できないと思われるが |
CGアーティスト、JON SIBAL氏が「トヨタGRスープラ・スピードスター」のレンダリングを作製。
スピードスターとは、その名の通り「スピード(ただし直線での最高速よりもドライバビリティ)」を重視し、基本的に不要なものを取り去ったクルマ。
そして運動性能を考慮すると「ルーフ」といった重量物はじゃまになり、クルマの上の方にあるものは可能な限り切り取るといったカスタム手法が採用されることがほとんど。
よって残るのは「ドライバーを風や飛来物から守る最低限のウインドシールド」くらいになり、重量増加を招く幌や開閉機構を備えない場合が大半です。
今回の「GRスープラ・スピードスター」については、トップチョップのほかフロントにリップが装着され、車高ダウンに3ピース構造を持つメッシュホイールも取り付け済み。
リアセクションは「コブ」のついたスピードスターカバーに置き換えられています。
現実的に「スープラ・スピードスター」の実現性は?
このレンダリングは秀逸としかいいようがなく、思わず「改造に対する規制がユルい、アメリカ西海岸あたりのショップがどこか作ってくれないか」と考えたり。
なお、GRスープラはBMW Z4と共同開発がなされていますが、BMW Z4は「オープンカー」で、となるとスープラのルーフをぶった切ったとしても必要な強度を担保できるのかもしれません。
なお、スープラのオープンモデルについては、トヨタのスポーツ車両統括責任部長である多田哲哉氏が投入可能性を示唆しており、このままスープラ人気が続けば実際に発売される可能性も出てきそうです。
ただ「スピードスター」となると話は別で、さほど台数が出ない割に大幅な改修を施す必要があり、到底販売できる金額に収まらないというのもまた事実。
アストンマーティンやマクラーレン、ポルシェのように、コストを上乗せして数千万円や数億円で販売できるだけのパフォーマンス、ブランド力があれば実現は可能ではあるものの、もちろん現在のトヨタではそれは「不可」。※レクサスだったら可能性はあったかも
もしくは、かつての体制にあったモデリスタが「ザガート(ハリアー、MR-S)」「MR2スパイダー」等のカスタムモデルを発売したような事例も望めないではないですが、現在のモデリスタにはそれも無理なのかもしれません。
現実に発売されたスピードスターにはこんなクルマも
やはり有名なのはポルシェ「356スピードスター」「550スピードスター」。
ポルシェは昔から運動性能を何より重視していたということもよくわかります(ポルシェは自動車史上、もっとも多くのスピードスターを販売したメーカーかも)。
アストンマーティンは「ヴァンキッシュ」をベースに、ザガートとのコラボにてスピードスターを限定発売。※ヴァンテージV12スピードスターも発売している
アストンマーティンに新たな限定「セット」、ヴァンテージV12ザガート・ヘリテージ・ツインズ発表!なんとヴァンテージV12初の「スピードスター」が登場
そしてポルシェは911に対しても、930、964、997、そして991世代にスピードスターを追加。
そしてフェラーリ・モンツァSP1/SP2もスピードスターの一種(イタリアだと”バルケッタ”に相当?)だと言えます。
フェラーリが50年代にインスパイアされた新セグメント「Icona」発表。第一弾として「モンツァSP1」「モンツァSP2」登場
最新のスピードスターはマクラーレン・エルヴァ。
マクラーレン”ELVA”発表!マクラーレン史上もっとも軽く、もっともパワフル、もっとも「ドライバーと近い関係」にあるスピードスター
そのほか、JON SIBAL氏はこんなレンダリングも公開
そしてJON SIBAL氏はほかにも日本車を題材にしたレンダリングをいくつか公開。
こちらは80スープラにビッグタービンを押し込んだレンダリング。
前後オーバーフェンダーに加えて地を這うようなスポイラーが装着されています。
リアには巨大ウイング、そしてリアディフューザー。
こちらはランサーエボリューションをオーバーフェンダー含むエアロキットにてカスタムした作品。
同氏はアメリカ西海岸のチューナーやショップとタイアップし、実際にレンダリングをもとにしたカスタムカーをリリースしていますが、このランエボも「実車化プロジェクト」に移されたようですね。
VIA:JON SIBAL