| フェラーリは2019年に5つのニューモデルを発表しており、「幸運」だった |
さて、フェラーリがコロナウイルスの影響のため、2022年に達成を設定していた財務目標を1年延期し、2023年に後ろ倒しにすると発表。
具体的には「2022年に18億ユーロの利益(金利・税金・減価償却費控除前)を達成する」としていたものが「2023に達成」ということになります。
フェラーリの業績は悪くないはずだが
なお、フェラーリのジョン・エルカーン会長によれば「COVID-19の緊急事態に対応して支出を調整するために、2020年に実施し、2021年も継続している慎重な措置により、2022年末のガイダンスの達成が1年遅れることになると予想しています」とコメント。
現在フェラーリの業績は悪くないと認識していますが、コロナウイルスのパンデミックによって「予定外の支出」が生じることや、これからも予想外の事態が発生するということを懸念しているのかもしれません。
なお、予定外の支出については、感染防止のための労働環境見直し、それに関連する物理的な変更、それに伴う投資を指すのだと思われますが、これらは製造業にとって「小さくはない」のでしょうね。
実際、フェラーリの第1四半期は好調だった
なお、実際のところフェラーリは第1四半期に合計2,771台を出荷しており、これは2020年の同期比に出荷した2,738台を上回るもの。
この2,771台の内訳について、V8モデルは8.1%増加し、V12モデルは19.6%減少したと報じられていますが、V8モデルで好調だったのはF8トリブート/F8スパイダー、SF90ストラダーレ、そしてローマ。
V12モデルだと812GTSの好調が目立ったといいますが、やはりフェラーリといえども「ニューモデルは非常に重要」ということになりますね。
フェラーリは2019年に5つのニューモデル(F8トリブート、SF90ストラダーレ、F8スパイダー、812GTS、ローマ)を発表しており、仮にこれらを発売していなければ、そしてもし2019年のニューモデルが”例年通り”の数にとどまっていたとしたら、フェラーリは今回のパンデミックを乗り切ることができなかったのかもしれません。
とにかく、今回のパンデミックについては、「パンデミック直前の行動」が自動車メーカーの命運を大きく分けることになっていて、フェラーリは運良くパンデミック前にニューモデルを「前代未聞の」5台も発表しており、そしてランボルギーニもまた「ウルス」を発売していたものの、アストンマーティンはパンデミック前にDBXのデリバリーを開始することができず、「タラレバ」でいえば、もしランボルギーニがウルスを発売していなかったら、そしてもしアストンマーティンがと1年早くDBXのを発売していたならば、現在の事情は今とはまったく異なるものになっていたということですね。
フェラーリに話を戻すと、フェラーリの第1四半期のEBITDA(金利・税金・減価償却前利益)は3億7,600万ユーロに上り、2020年第1四半期の3億1,700万ユーロから19%増加することに。
純利益についても23%増の2億600万ユーロとなり、昨年同期比の1億6,600万ユーロから大幅に増加しており、前出のジョン・エルカーン会長は「この好調なスタートは、2021年の残りの期間にとっても良い兆候であり、当社のビジネスモデルの回復力と、当社従業員の並外れた仕事ぶりを証明するものです」と述べています。
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