
Image:Bentley
| ベントレーは約1年前にCEOが交代済み |
ベントレー、象徴的ロゴを刷新──106年目の大きな変化
英国クルーに本拠を構えるラグジュアリーブランド「ベントレー」が、106年のブランド史上5度目となるロゴの刷新を発表。
新たな「ウィングドB」エンブレムは、7月8日に公開される新コンセプトカーのフロントフード上で初披露される予定です。
なお、ベントレーは昨年5月にCEOが交代しており、新CEOはそれまでポルシェのGT部門を率いてきたフランク=ステファン・ヴァリザー氏。
同氏はすでにポルシェでの成功法則をベントレーにも取り入れると発表していますが、今回は「エンブレム変更」「デザイン言語の変更」を行うことになり、本格的に新体制下にてベントレーが再始動するということを意味します。
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伝統を守りながら進化する「ウィングドB」
そこでまず今回発表された新しいロゴは「過去の伝統を尊重しながらも、現代的なシャープさを取り入れた」意欲的なデザインへ。
- ウィングの形状はより角度が強調され、従来の下部フェザーが省略
- 中心の「B」は単体でもロゴとして機能するようデザインされ、柔軟なブランド表現が可能に
- 最近の「フラット化」トレンドには従わず、立体的な陰影とメタリック感を残すことで高級感を演出
この新エンブレムは、ベントレー社内で行われたデザインコンペでインテリアデザイナーのヨン・ナム(Young Nam)氏が提案した案だといい、これを少数精鋭チームによって完成に導かれたものである、と説明されています。
ベントレーのエンブレムはこう変わってきた
ベントレーのエンブレムは、通称「ウイングドB」と呼ばれていますが、その由来は以下の通り。
- 創始者の頭文字「B」: エンブレム中央の「B」は、ベントレーの創始者であるウォルター・オーウェン・ベントレー (W.O. Bentley) の頭文字を示している
- 「翼」のモチーフ: 「翼」は、以下の要素を意味している
- 高性能・スピード: ベントレーがル・マン24時間レースで5回の優勝を飾るなど、高性能なスポーツカーとしての地位を確立したことにちなんでスピードや俊敏性を表現
- 航空機との関連: W.O. ベントレーが第一次世界大戦中に戦闘機用エンジンの設計に携わっていた経歴も”翼”モチーフに影響を与えたと考えられており、彼の設計した「ベントレー・ロータリーエンジン BR.1」は、当時のイギリス戦闘機に搭載され、その性能向上に貢献したことも
Image:Bentley
- デザインの変遷と非対称の羽根: 初期のフラットな「ウイングドB」は、イギリス人アーティストのF. ゴードン・クロスビーによってデザインされ、この初期のエンブレムは左右の翼の羽根の数が意図的に異なっており、これは模倣を防ぐための工夫だったと言われる。その後、時代と共にデザインは変化し、その後のエンブレムでも、かつての非対称の翼を復活させたデザインも※今回の新エンブレムの翼も左右非対称である
このように、ベントレーのエンブレムは、創始者の名前、そしてブランドの持つ高性能さ、スピード、そして歴史的な背景を象徴するデザインが採用されてきたわけですね。
次世代デザイン言語を体現するコンセプトカーが7月8日に登場
この新しいエンブレムは、ベントレーが採用する新デザイン言語の幕開けを示す第一歩と位置づけられていて、このデザイン言語は、7月8日に公開予定の新型コンセプトカー(非市販モデル)によって具現化される予定です。
ベントレーによれば、このコンセプトカーは「過去のアイコニックなモデル」からインスピレーションを受けており、詳細は伏せられているものの、以下のような特徴がティーザー映像から明らかになっており、この新たなビジョンは将来の量産車にも影響を与えるデザイン指針となるものと見られています。
- 新ロゴが取り付けられたブラックトリムパーツ
- ハニカムパターンの発光グリル(ボディ同色仕上げ)
同日には新「デザインスタジオ」もクルー本社にオープン
なお、7月8日には、ベントレーの本社があるクルー・キャンパス内に新デザインスタジオも正式オープンすることもアナウンスされており、3階建てのこのスタジオは、今後のデザイン開発とブランド進化の中心的な役割を担うこととなるのだそう。
「新しい」ベントレーには大いに期待したいところですね。
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