| 20年前も今の自動車に採用される技術やデザインを想像できなかった |
ステアリングホイールがあるところを見ると、BMWは2040年でも完全自動運転はムッリだと考えているのかも
さて、BMWがミュンヘン・モーターショー(IAA)にて「BMW i Vision Circular Concept(サーキュラーコンセプト)」を発表。
このほかにはすでに公開済みのiXやi4、コンセプトカーとしてのiX5 ハイドロゲンといったクルマを展示しているそうですが、多数の「現実的な」EQシリーズを持ち込んだメルセデス・ベンツとはずいぶん差があり、ラインアップそして現実性にやや見劣りがするようにも(iXやi4ではラインアップに不足があり、i サーキュラーコンセプトは理想的にすぎる)。
BMW i Vision Circular Conceptは「2040年モデル」
そして今回発表された、おそらくはBMWの目玉となるであろうBMW i ヴィジョン・サーキュラーコンセプトについて、モデルイヤーは「2040年」。
セグメントとしては「コンパクトEV」ということになりますが、持続可能性と高級感を重視し、バッテリーパックも含めて100%リサイクル可能な素材を使用したことが最大の特徴。
BMWによると、「リサイクル・ループ」の材料を使ってバッテリーを作ることで、貴重な資源を消費することなく、はるかに高いエネルギー密度を実現することができる、とのこと。
i Vision Circularコンセプトのデザイン面を見てみると、BMWの現在の言語に対してユニークなアプローチをとっており、BMWの象徴でもあるキドニー・グリルはヘッドライトともにボディパネルへと埋め込まれることに。
フロントグラスとルーフ、リアハッチとリアウインドウは完全に融合しており、リアウインドウ内にはテールランプが内蔵され、あらゆる面でフラッシュサーフェス化が進んでいるようですね。
ドアハンドルやドアミラーのたぐいはなく、ウインドウ周辺には(現在の自動車にあるべき)モールがなく、いまこの時点の常識で考えると「実現性が低い」ように思えますが、現代の自動車は2000年の時点では想像もできなかったようなデザインと機能を持っているので、今から20年後の2040年には、やはり今の技術からは思いつかないようなデザインや機能、構造が「普通に」なっているのかもしれません。
なお、キドニーグリルやサイドウインドウ周辺、テールランプ等には45度の角度を持つ線が組み合わされていますが、この「線は」ホイールにも再現されているようですね。
BMW i ヴィジョン・サーキュラーコンセプトのインテリアはこうなっている
そしてこちらはBMW i ヴィジョン・サーキュラーコンセプトのインテリアですが、BMWが "新しい接合技術 "と呼ぶデザインと構造を持ち、ダッシュボードは3Dプリンターにて成形されたクリスタル素材が埋め込まれることに。
おそらくはこのクリスタルに何らかの情報が示されるのだと思われますが、現時点では詳細については明かされず。
なお、ステアリングホイールが「常設」されているところは興味深く、つまりBMWは「2040年であっても、完全自動運転は無理だろう」と考えているのかも。
ちなみにステアリングホイールは木粉を使用した3Dプリントによるものだそう。
フロントグラス内側にはホログラムもしくはAR技術を使用したようなグラフィックが見られます。
シートは4つのラウンジ・シートが採用され、これは再生プラスチックを使用したラベンダー色のソファ。
シートバックはアルミ製のフレームを採用していますが、ちょっとレトロな印象ですね。
BMW i サーキュラーコンセプトを紹介する動画はこちら
参照:BMW