| ポルシェは新型タイカンにおいて911を超えるパフォーマンスを与えてきた |
ここまで性能や機能が引き上げられると前期モデルの中古相場が大きく崩れそう
さて、ポルシェがフェイスリフト版となる新型タイカンファミリーを公開。
新しいタイカンシリーズ(タイカン スポーツ セダン、タイカン クロス ツーリスモ、タイカン スポーツ ツーリスモ)は「よりパワフル、より長い航続距離、より速い加速、より高い安定性、そしてよりスピーディな充電体験」という特徴を持っています。
加えて「より研ぎ澄まされたデザイン」が与えられ、ターボモデルがこれまで以上に差別化されることとなっていますが、ここでその内容を見てみましょう。
新型タイカンはこう変わった
新型タイカンシリーズはこれまで通り「タイカン スポーツ セダン、タイカン クロス ツーリスモ、タイカン スポーツ ツーリスモ」という3つのボディ形状にて提供がなされ、いずれモデルも後輪駆動と全輪駆動、合計4つのパワートレインが用意され(ボディ形状によってやや内容が異なる)、納車開始は2024年春からの予定です。
従来型タイカンはすでに15万台が生産され、ポルシェとしては相当の(EVに関する)ノウハウを蓄積していますが、今回の新型タイカンの開発に際しポルシェは世界中で360万キロを走破してその性能を磨き上げたといい、まずタイカンのモデルライン責任者、ケビン・ギーク氏が語ったのは以下の通り。
2019年末、私たちはタイカンでeモビリティの新時代を切り開きました。これはすぐに、電気自動車セグメントにおけるゲームチェンジャーであり、革新的なパイオニアであることが証明されました。私たちは現在、広範囲にアップデートされたタイカンでこのサクセスストーリーを継続しています。 このモデルラインは、卓越したドライビング ダイナミクスとドライビング プレジャーを備え、パフォーマンスの面で新たな高みに到達しました。 同時に、効率、航続距離、日常の使いやすさ、快適性を大幅に向上させることができました。
今回公開されたオフィシャルフォトでは「グリーン(おそらくオークグリーンメタリック)」がタイカン・ターボ、「ピンクっぽいグレー(おそらくプロヴァンス)」がタイカン4S、「ライトブルー(おそらくフローズンメタリック)」がベーシックなタイカンとなっています。
そしてこの「ターボ」モデルに関しては以前にアナウンスされた「ターボナイト」と呼ばれるグレーアクセントが導入され、フロントフードや・・・。
ステアリングホイール上のポルシェエンブレム(クレスト)はグレー仕上げ。
このほかキーや内外装の各部、ステッチなどにもこの「ターボナイト」が使用され、ターボモデルと他モデルとの差別化が拡大されているようですね(ターボナイトの導入は新型パナメーラ、新型マカンに続く3例めである)。
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エクステリアだとヘッドライト(これまでのバブル形状レンズからフラットに)が変更され、フロントバンパーのデザインはモデルにあわせて”よりアグレッシブになったりクリーンになったり”という差別化、それによる棲み分けが与えられています。
テールランプも変更され、さらにクリーンで未来的な印象が演出されているようですね(PORSCHEロゴが立体のガラス風となり、コンセプトモデルに採用されていたブルー発光、アニメーション表示が可能となった)。
加えてコンセプトモデルに採用されていた仕様が取り入れられ、たとえばこのホイールや・・・。
パノラミックルーフもコンセプトモデル風。
ボディカラーについては、パナメーラ、マカン同様に刷新され、「コントラスト」「シェード」「ドリームズ」「レジェンズ」といった4つのテーマから選択することが可能です。
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新型ポルシェ タイカン シリーズは大幅に加速・充電性能が向上
新型タイカンは「あらゆる面で」大きな改良が施されているものの、ポルシェとしてもっとも全面に押し出しているのが「加速」。
タイカンだと0-100km/h加速が0.6秒向上して4.8秒、タイカン・ターボSだと0.4秒向上して2.4秒という驚きのタイムとなりますが(911ターボSの2.7秒よりも速く、現行ポルシェ最速である)、タイカン・ターボSだとその出力が952馬力にまで引き上げられています。※エレクトリックモーターそのものが新しい世代へと置き換えられている
さらに驚きなのは、これだけの出力とパフォーマンスが向上したにもかかわらず、タイカンシリーズでは航続距離が大きく増加し、もっとも「走る」モデルだと従来比で35%伸びて最大678kmへ(+175km)。
加えて急速充電能力も向上し、300kWを超える充電容量を最大5分間維持でき、低温でも非常に高い充電容量をより迅速に達成できるようになった、とアナウンスされています。
ポルシェによると、「個人の運転スタイル・環境などにもよる」と前置きがなされつつも、充電体験が大幅に改善され、バッテリー残量10%から80%までにかかる時間はこれまでの37分からなんと18分にまで短くなり、しかしパフォーマンスバッテリー・プラスだと容量が93kWhから105kWhに拡大されている、とのこと。
新型ポルシェ・タイカンでは運動性能も「ネクストレベル」へ
さらに新型タイカンでは運動性能も大きく引き上げられ、すべてのタイカンにはアダプティブ エア サスペンションが標準装備され、4WDモデルにはポルシェ アクティブ ライド サスペンションをオプションとして装着可能。
このサスペンションは制動中、コーナリング中、加速操作中であってもタイカンのボディを常に水平に保ち、かつ衝撃をほぼ完全に吸収するほか、ダイナミックな運転状況においても「各車輪荷重のバランスのとれた分散により、ほぼ完璧なロードコンタクトを保証する」とのことで、このサスペンション搭載は新型パナメーラ同様、「大きなバッテリーを積む」電動化モデルだからこそ可能になったものだと思われます。
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このほか、新型タイカンには「最適化されたソフトウェアを備えた改良型パルス インバーター」、「より強力なバッテリー」、「より効率的になった熱管理」、「次世代ヒートポンプ」、「再キャリブレーションご施された回生ブレーキとおよび全輪駆動プログラム」といったアップデートが加えられていますが、とくに回生ブレーキでの回収率は30%増加しており、これによって航続距離の伸長(のうちのいくばくか)がもたらされたのだと考えて良さそう。
なお、「空力的に最適化されたホイールと転がり抵抗を低減したタイヤ」が標準装備されていることについてもアナウンスされています。
新型タイカンについては「軽量化」がなされていることもひとつのトピックで、最大で15kg軽くなっているそうですが、軽量化にも関わらず標準装備は以前よりもさらに充実しており、たとえばアンビエント照明、リバースカメラ付きパークアシスト、ミラーサラウンド照明付き電動折りたたみ式ドアミラー、フロントシートヒーター、ポルシェ インテリジェント レンジ マネージャー (PIRM)、ワイヤレス充電用スマートフォン トレイ、各種充電ポート、 ドライブモードスイッチ、パワーステアリングプラスがすべて標準装備になったことにも言及されています。※バッテリーそのものも変更され、容量を増やしながら重量が削減されている
新型ポルシェ タイカンのインテリアはこう変わった
外観や機能・性能のアップデートに比較するとインテリアの変更は大きくはなく、細部の品質向上、ステアリングホイールに追加されたモードボタンなどが目に入る部分で、メインのメーター、センターディスプレイ、オプションのパッセンジャー(助手席)ディスプレイには「最適化されたユーザーインターフェイス」が備わり、操作系が刷新されたもよう。
さらにステアリングホイールの左裏側には新しいコントロールレバーが追加され、これによって運転支援システムの制御が”直感的になる”と説明されているほか、アップルカープレイは”さらに深く”車両と統合され、センターディスプレイと助手席ディスプレイでのビデオストリーミングが可能になた、とのこと。
今のところこの新型タイカンについては日本のポルシェ公式サイトでは情報が公開されておらず、しかし新型マカンのときと同じように、まもなくアップがなされるものと思われます。
なお、すでに全国のポルシェセンターにて予約受注が開始されており、それぞれのモデルの価格は以下の通り。
- タイカン・・・1370万円
- タイカン4S・・・1650万円
- タイカン・ターボ・・・2289万円
- タイカン・ターボS・・・2746万円
- タイカン・クロスツーリスモ・・・1507万円
- タイカン4S クロスツーリスモ・・・1670万円
- タイカン・ターボ・クロスツーリスモ・・・2308万円
参照:Porsche