| おそらく車体重量は相当に軽く、現代のスーパースポーツに匹敵するほどのポテンシャルを秘めていそう |
アメリカでは盛んなレストモッド。
レストアついでにモディファイを行おうというものですが、これは「純正を重んじる」欧州のレストアとはまったく異なる方向性であり、アメリカ特有と言える傾向でもありますね。
そして今回レストモッドの対象となったのは1696年製のフォード・マスタング・マッハ1、そしてこのカスタムを行ったのはアメリカのショップ、リングブラザース(Ringbrothers)。
その名は「UNKL」
そしてこのマスタング・マッハ1に与えられた名は「UNKL」。
完全にワンオフ製作のカスタムカーで、ボディが片側25ミリ拡大されている、とのこと。
なお、「25ミリ」はさほど大きな幅ではないものの、おそらくは「もっともバランスが良い」と判断したところなのだろうと思われます。
フロントから見てゆくと、UNKLにはカスタムメイドのフロントバンパーとスプリッターとが装着され、フロントフードも一新されています。
ボディパーツのいくつかはカーボンファイバー製で、当時には存在しなかったカーボン製パーツを強調するかのようなペイントが見られるのも面白いところ。
ワイド化されたフェンダーに収められるホイールはHRE製で、フロントは19インチ、リアは20インチというサイズです。
フロントスプリッターを固定するロッドもオリジナル。
おそらくはビレットパーツにアルマイト(アノダイズド)加工を施したものだと思われ、相当なコストが投じられていそうですね。
燃料キャップもビレット製。
ボルトにまでこだわるのはアメリカンカスタムならでは。
なお、「RACE FUEL ONLY」の文字が見えますが(アメリカではかんたんにレース用燃料が手に入るのか?)、エンジンは8.5リッターV8、自然吸気のままで700馬力を発生するとされ、NAとしてはかなり高い出力を誇ることになります。
ドアミラーもビレット。
ホイールのトーンは、フューエルキャップ等ほかのパーツと統一性を持たせているようですね。
ボンピンもビレット製を使用している模様。
グリルの「ブラック」はなかなか引き締まって見えますが、その他の部分からも「メッキ」を排除することで一気に現代っぽい印象へと変化したように思います。
マスタング「UNKL」のインテリアはこうなっている
そしてこちらがマスタング・マッハ1「UNKL」のインテリア。
やはりフルカスタムとなり、レカロシートやMOMO製ステアリングホイール(これもグリップが太く現代風)が装着済み。
ダッシュボード中央には「イマ風の」インフォテイメントシステムが備わっています。
ダッシュボードそのものがおそらく「ビレット」。
メーター類はアナログメインですが、そのケーシング、文字盤全てオリジナル。
一部デジタル表示も見えますね。
スイッチ類もやはりビレット。
とんでもないコストが掛かっているであろうことがわかります。
トランスミッションは6速マニュアルへとアップデートされ、ドライブシャフトはカーボンファイバー製。
エキゾーストシステムはフォローマスター製(ステンレス)で、前後サスペンションも現代のパーツを使用している、とのこと。
全体的に見て、相当な手間とお金がかかっていることになりますが、このクルマが「売り物」なのか、それとも顧客の要望によってカスタムされたクルマなのかは公開されておらず、しかしこのクルマを自分のガレージに収めることができるひとはさぞ幸せだろうな、と思わせるカスタムカーですね。