| テスラの株価は「バブル」としか言いようがないが |
さて、とにかく株価上昇が目覚ましいテスラですが、その株価は今のところ天井知らずであり、7日の取引において755.98ドルという高値を更新しています。
そしてこの株価に支えられる形で膨らんだのがテスラCEO、イーロン・マスク氏の資産で、その額はついに1850億ドル(邦貨換算で19兆2000億)に達し、アマゾンCEOの資産を抜いて”世界で最も裕福な人間”になったとのこと。※テスラの時価総額は7500億ドル(約78兆円)を突破
ついこの前には「世界で3番目にリッチになった」と報道されたばかりですが、間を置かずに一気にトップに躍り出たということになりますね。
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テスラの株価が暴騰→イーロン・マスクCEOの資産が急増し、「世界で3番めにリッチな人間」に。なお資産の77%は今年の株価上昇で得られたもの
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なぜテスラの株価は上がるのか
そこでテスラの株価がなぜ上がるのかということですが、これは今までに述べてきたとおりに「事実に基づき、将来性が見込めるから」ということのほか、「単なるバブル」。
正直言うと後者のほうが大きいとは考えていて、株価が上がったり下がったりするのは「現実的な実績」よりも「思惑」のほうが大きく、つまり「株価が上がると思う人が多ければ多いほど株価が上がる」ということになります。
逆に、「下がると思う人が多ければ」、いかにその会社の業績が優れようとも株価は奮わない、と考えて良いかもしれません。
たとえばこれは仮想通貨も同様で、実態とは連動しない動きを見せるのが金融商品ということになりますね。
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何もかも「一極集中」が進んでいる
そしてこういった状況において、「一極集中が進んでいる」ということ。
例えば、電気自動車だと「一番人気がある」のはテスラだということは明白ですが、「じゃあ二番目は?」と聞かれるとほとんどだれも答えることができないということですね。
これはほぼすべての業界に対しても言えることであり、検索エンジン最大手がGoogleであることは誰もが知っていますが、その次は知られていないのと同じです。
そして、現代においては「情報を取りに行く」よりも「流れてきた情報を整理する」といった具合にスタイルが変化しているので、「テスラが人気」だと報じられると、そこにばかり目が行ってしまい、ほかのライバルたちにはフォーカスが当てられなくなってしまうわけですね(結果的に、トップしか生き残れなくなる)。
こういった状況も「バブル」を形成する要因のひとつだと考えていて、その意味では「その業界で一番の企業にしか価値がない」といいかえることもでき、いかに株価が高くとも、その業界ナンバーワンの会社に投資すべきである、とぼくは考えています。
参照:Bloomberg