| 実際に発売できればとんでもない運動性能を誇ることになりそうだ |
さて、現在スーパーカー/ハイパーカー市場は日に日に拡大を見せており、そこで登場するのが「新興スーパーカー/ハイパーカーメーカー」。
フェラーリやランボルギーニ、マクラーレンといったメジャーメーカーのクルマが”一般的に”なってしまい、そこで別の選択肢を求める富豪も多く、そういった人々を対象としたビジネスだと考えることもできます。
よって、それら新興スーパーカー/ハイパーカーは独特のコンセプトや機構、デザインを持つことが大半であり(でないと存在意義がない)、それによって吸引力を増しているようですね。
今回はスイスから「ピカソPS-01」が登場
そして今回紹介するのはスイスの「ピカソ・オートモーティブ」。
これはステファノ・ピカソ氏によって設立された会社であり、かなり珍しい「スイスの自動車メーカー」。
スイスというとオーデマピゲなど高級機械式腕時計メーカーが多く誕生した地でもありますが、意外や重工業はかなり少ないようにも思います。
ピカソPS-01は「これまでにないほどカーボンを使用」
そしてピカソ・オートモーティブが掲げるコンセプトは「いまだかつて無いほどカーボンファイバーの使用率を高めたクルマ」。
つまりは大量生産メーカーではできないであろうことをコアバリューに据えたということになりそうです。
車体の骨格は3.2メートルのカーボンファイバーパネルで構成されますが、これは自動車の構造として使用されるカーボンファイバーでは「世界最長」とのこと。
そしてサブフレームにまでカーボンファイバーが使用されるそうですが、これもまた珍しい例だと思います(マクラーレン各モデル、ランボルギーニ・アヴェンタドールなど、カーボン製モノコックを採用しているクルマは少なくないが、一般にアルミ製のサブフレームを使用している)。
この構造はLMP2クラスのレーシングカーから着想を得たといい、その甲斐あってなんと車体重量はわずか900kgに収まると発表されていて、これは現代においては驚異的な数字だと断言できます。
ちなみに「何もかもカーボンファイバーで作り、極限まで重量を落とした」ランボルギーニ・セスト・エレメントの重量は999kgなので、それよりも軽いということになりますね。
-
ランボルギーニ・ミュージアムにて。「全部カーボン」セスト・エレメントの画像
| そのインパクトはハンパではなかった | ランボルギーニ・ミュージアム(ムゼオ・ランボルギーニ/ランボルギーニ博物館)に展示されている「セスト・エレメント」。こちらも異様な雰囲気を放つ一台で、フルカ ...
続きを見る
なお、LMP2マシンに近い構造を持つこと、サブフレームまでカーボンということになると、アポロ・インテンサ・エモツィオーネに近い構造ということになりそうですね。
-
一人の男の狂気が産んだアポロIE(インテンサ・エモツィオーネ)。その構造や機能を見てみよう
発表にさきがけオンラインで画像を公開 アポロがその新型車「IE=Intensa Emozione(インテンサ・エモツィオーネ)」をオンラインにて先行公開。 画像を見ただけでもそのパフォーマンスの高さを ...
続きを見る
ピカソPS-01に搭載されるエンジンはイタリア製
なお、このピカソPS-01が軽量な理由はもうひとつあって、それはエンジンが「V6」と比較的コンパクトなこと。
サプライヤーは不明ではあるものの、”最も有名なイタリアンカー”に採用されているV6ツインターボだとされ、出力は600馬力だと紹介されており、おそらくはアルファロメオから供給を受けるんじゃないかと予想しています。
そのほか、明らかになっているサプライヤーだとSadav(ギアボックス)、サベルト(シート)、カーボブレーキ(ブレーキシステム)、オーリンズ(サスペンション)。
現時点では価格や納車時期などは明らかではなく(実車のテストは春から行われる模様)、しかし画像を見るに、どのクルマとも異なるエキゾチックなスタイルを持つことになりそうですね。