我が道を行くように思えるテスラ。しかし意外と顧客の声を取り入れることも多く、ヨーク型ステアリングホイールの他に「円形」ステアリングホイールが選択できるようになる可能性も

｜ ヨーク型ステアリングホイールは賛否両論だった ｜

テスラは意外と市場の反応を気にしており、それに対応した改良を行ってくる

さて、テスラは新型モデルSとモデルXに航空機の操縦桿もしくはナイトライダーのステアリングホイールのような「ヨーク型」ステアリングホイールを装着していますが、現在生産されるモデルSとモデルXには「すべて」このステアリングホイールが装着されている、とのこと。

このヨーク型ステアリングについては発表当時から「賛否両論」あり、未来的かつ個性的だとして支持する声、逆に”使いにくい”とする声も。

なお、使いにくい理由についてはその形状以外にもいくつかあるようで、そのうちのひとつは「ホーンボタンが、センターパッドでも独立したボタンでもなく、スポーク部分に静電スイッチとして埋めこまれている」。

これによってホーン操作をやりにくい、ということになるようです。

テスラは元通りの形状にステアリングホイールを戻す？

なお、テスラはなんだかんだ言いながら消費者の声をしっかり拾い、かつ非常に速い速度で改良を行う会社ですが、このホーンボタンについてはすでに廃止して「センターパッド」内に物理ボタンを内蔵するという旧来の方法に戻すことを検討しているもよう（実際に、いくつかのプロトタイプではその仕様が確認できる）。

ただ、イーロン・マスクCEOは、ヨーク型ステアリングホイールにつき「もとの円形ステアリングホイールに戻す気はない。絶対にだ」ともコメントしていて、しかし最近、@greentheonlyなるアカウント名を持つツイッターユーザーがテスラの送信したオンラインアップデートのデータの中に、「ラウンド」「ヨーク」いずれかのステアリングホイールを選択できるというソースコードを見つけたと報じられています（よく見つけたな、と思う）。

このソースコードを見ると、モデルSそしてモデルXについて、現在は「ヨーク型しかない」ステアリングホイールについて「ラウンド型」も選択できるようになる可能性が高く、これもまた「イーロン・マスクCEOが、自身の趣旨を曲げてまで」顧客の耳に声を傾け、それに対応しようとしている証左なのかもしれませんね。

choose your destiny... pic.twitter.com/E9zdhMHDSa

— green (@greentheonly) February 24, 2022

テスラは自動運転システムから「レーダー」を取り外すようだが

そしてもうひとつ、新型モデルSそしてとモデルXについて確認されている変更が「自動運転システムからレーダーを取り外し、カメラのみで構成される”テスラビジョン”なるシステムへと移行する」こと。

通常の自動運転システムにおいては、カメラをベースにLiDARやレーダーなどを用い、「複数の方法にて」その正確性を担保することになり、しかしテスラはこの方法ではなくカメラのみで障害物等を判断するというわけですね。

なお、この「テスラビジョン」についてはその正確性が疑問視されていて、というのもモデル3とモデルYにて先行して導入されたテスラヴィジョンでは「ファントムブレーキ」なる、障害物がないのに勝手にブレーキが作動するという不具合が連発しているため。

これについては米国道路交通安全局（NHTSA）が調査を開始していますが、テスラはこれを意に介さず「カメラのみ」にて状況を判断する方針を貫くということになり、現在テスラの公式サイト（本国）には「2022年2月中旬時点で、北米市場向けに製造されたすべてのモデルSとモデルXは、テスラビジョンを利用しています。それ以前に北米市場向けに製造されたすべてのモデルSとモデルXには、レーダーが搭載されています」という記載が追加されています。

その前にもテスラは「モデル3とモデルYは、私たちの大量生産車です。これらが先にテスラヴィジョンへと移行することで、短時間で大量のデータを取得・分析することが可能となり、結果的にテスラヴィジョンに基づく機能の展開を加速させることができるのです」ともコメントしていて、実際にテスラヴィジョンを積んだモデル3とモデルYの走行データをもって「カメラのみで問題ない」と判断したのだと考えて良さそうですね。

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