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テスラが新型ロードスターにて「最高速531km/h(330mph)へ挑戦」? その実現に向けて立ちはだかる「技術的な壁」とは

新型テスラ・ロードスターのエクステリア(テールエンド)
Tesla

| テスラは「同社ラインアップで最後の」人が運転するクルマ、ロードスターを最高のクルマにしようと考えている |

おそらくは今後、様々な手法によってバージョンアップがなされてゆくであろう

ブガッティ、ケーニグセグ、SSC、ヘネシーといった世界的ハイパーカーブランドがしのぎを削る「時速300マイル(約482km/h)の壁」。

最高速の称号をめぐるエンジニアリングの極限バトルに対し、ついにテスラが参戦するというのが今回のニュース。

幾度もの延期を経て再お披露目されたテスラの次世代「ロードスター(Roadster)」ではありますが、2028年の発売時における(予定)最高速は時速345km/h、しかし将来的に最高速度330mph(時速約531km/h)を目指すという衝撃的な目標が今回提示されており、ここで「市販車世界最高速の塗り替えを狙うテスラの野望」、そして「その実現性を評価するうえで避けては通れない技術的課題」について考えてみましょう。

この記事の要約

  • テスラは長らく発表が延期されていた次世代「ロードスター」について、現状の目標最高速度345km/h(214mph)から大きく数値を引き上げ、将来的に時速531km/h(330mph)を目指す意向を示す
  • 最高峰「Rocket」グレードでは、圧縮空気スラスターを駆使することで0-60mph加速0.59秒という前代未聞の数値を掲げている
  • 2028年の生産開始が予定されているものの、超高速走行に耐えうるタイヤ技術や、スラスター用エアタンクの容量・再充填といった実用面・技術面の壁が立ちはだかっている
新型テスラ・ロードスターのエクステリア〜フロントサイド
Tesla

テスラ 新型ロードスター”最高速”目標の概要

テスラが公表した初期スペックにおいて、新型ロードスターの公称最高速度は345km/h(214mph)とされています。

しかし、チーフデザイナーのフランツ・フォン・ホルツハウゼン氏と車両エンジニアリング担当副社長のラース・モラヴィ氏が明かしたところによると、将来的な開発ターゲットとして「330mph(約531km/h)」という圧倒的な数値を設定しているとのことで、仮にこの目標が達成されれば、現在ブガッティ「シロン・スパー・スポーツ300+」が保持する時速490.484km(304.773mph)の記録を大幅に塗り替え、公道を走る史上最速の量産車となる可能性が浮上します。

特徴・スペック・4つのバリエーション

新型ロードスターは、リア駆動の2モーター構成を基本としながら、エアロダイナミクスや推進システムの組み合わせによって合計4つのグレード(設定)が計画されていて・・・。

新型テスラ・ロードスターのエクステリア(リア)
Tesla
  • 標準(Standard)およびパフォーマンス(Performance):標準モデルでも約1,073馬力を発揮し、Performanceバージョンでは約1,350馬力へ出力を強化。Performance仕様にはアクティブエアロに加え、車体底面の空気を吸い出して強烈なダウンフォース(グラウンドエフェクト)を生み出すファンシステムが組み込まれる
  • スラスター搭載の「Thrust」と最速の「Rocket」:「Thrust」モデルは車体後部に高圧エアタンクと4基のノズルを備え、タイヤのグリップだけに頼らない圧縮空気噴射によって0-60mph加速1秒未満を狙うグレード(ただし公道走行は不可能)。さらに最上位の「Rocket」モデルでは、助手席を撤去して追加エアタンクを設置し、計10基のスラスターを駆動・姿勢制御・浮上に活用し、驚愕の0-60mph加速”0.59秒”を目標値として掲げている
  • 充電性能と車体構造:バッテリー容量は未公表ながら500kWの急速充電に対応し、10〜80%の充電を15分未満で完了できるという想定。また、カーボンファイバー製ボディを採用し、最も軽量な仕様で車重は約1,700kg以下に抑えられている※「ロードスター」という名称ではあるものの、実際には脱着可能なTトップ・ルーフパネル構造となっている
新型テスラ・ロードスターのエクステリア(フロント)
Tesla
項目テスラ 新型ロードスター(スペック・目標値要約)
最高速度345 km/h(現状目標) → 将来目標:531 km/h (330 mph)
0-60mph 加速0.59 秒(「Rocket」スラスター仕様の最速目標値)
最高出力 / トルク標準:約1,073 hp / 1,200 Nm
Performance:約1,350 hp / 1,400 Nm
航続距離約500 〜 515 km(310 〜 320 マイル)
充電性能500 kW 急速充電(10-80% 充電:15分未満)
車重約 1,700 kg 未満(最軽量構成時)
生産開始予定2028 年予定

競合比較・市場での位置付け

従来のガソリンエンジン系ハイパーカー(ブガッティ、ケーニグセグ、ヘネシー)とテスラのアプローチは根本から異なるもので、伝統的なハイパーカーが「大排気量マルチシリンダー+ターボ」による高回転域での圧倒的な伸びを武器とするのに対し、テスラはエレクトリックモーターの圧倒的な即時トルクに加え、宇宙工学に由来するコールドガススラスター(圧縮空気噴射)を組み込むことにより物理的な摩擦限界(タイヤのグリップ)そのものを突破しようとしています。

実際のところ、ブガッティが時速300マイル(482km/h)をオーバーした際にはミシュランと共同開発した特別製の強化タイヤが不可欠であったと報じられていますが、「500km/h超」の領域では極限の遠心力に耐えうる専用タイヤの開発が必須となり、電気自動車特有のバッテリー重量ペナルティを抱えながら”そのスピード域に安全に到達できるかどうか”は既存のハイパーカーメーカーにとっても「注目に値する」挑戦なのかもしれませんね。

新型テスラ・ロードスターのエクステリア(フロントホイール)
Tesla

補足情報

今回の公表内容からは、ロケット技術を応用したプロモーションの華やかさ、そして日常使いにおける現実的なハードルという二面性が浮かび上がってくるかのようで・・・。

  • スラスターの再充填と実用性の限界:「Rocket」モデルのスラスターはタンク内の高圧圧縮空気を使用するため、数回の噴射で空になり再充填が必要に。また、助手席を撤去してまでタンクを搭載する仕様は完全にトラック(サーキット)専用またはショーカー向けのアプローチであり、公道での法規制や安全性を含め、日常のドライブで活用できるテクノロジーではない。なお現段階ではスラスター搭載モデルは「公道走行のための登録」ができない
  • ストッピングパワーの限界:「加速時」は半ば飛ぶように(駆動力ではなくスラスターで)加速してゆくためにタイヤへの負担はまだ少ないかもしれないが、減速時にはその速度と慣性がタイヤ、そしてブレーキへと「のしかかる」こととなり、安全に停止できるハードウエアを開発せねばならない
  • 2028年市販に向けたタイムラインの慎重さ:予約受け付けがすでに始まっており、Performanceモデルで5万ドル、Thrustモデルで25万ドルのデポジットが必要ではあるものの、生産開始は「2028年予定」。テスラは過去にも発表から市販までに長い期間を要した経緯があるため、今回の330mph(531km/h)という数字も「2028年の生産開始時までに実現できるかどうか」はわからず、あくまでも「確約」ではなく「目標」だと捉えておくほうが無難
新型テスラ・ロードスターのエクステリア〜飛行風景
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新型テスラ・ロードスターのエクステリア(テールランプ)
Tesla

結論

時速531km/h(330mph)という途方もない数値を目標に掲げ、自動車の限界へ挑むテスラ新型ロードスター。

圧縮空気スラスターやダウンフォースを発生させるファン(サクションシステム)など、SF映画のようなアイデアがどこまで実際の市販モデルへと落とし込まれるのか。そして2028年とされる市販化に向けてタイヤの耐久性や安全基準といった現実の壁をテスラがどのように突破していくのか。

今後とも特許出願含めその動向には注視してゆきたいと思います。

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参照:Motor1

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