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テスラの1台あたり生産コストは2017年に比較して半分以下の43%にまで下がっていた!そのほとんどは製造工程と設計の最適化によってなされている

2022/09/15

テスラ・モデルY

| テスラはEV製造を第三の自動車の製造における革命だと考えている |

そして、この革命の意味を理解できない自動車メーカーは淘汰されることになりそうだ

さて、テスラのIR担当責任者がサンフランシスコにて開催された(招待制の)ゴールドマン・サックス技術会議にていくつか重要な情報を公開しています。

その情報のうちひとつは今後5年間の計画であり、しかしもっとも重要なのはその中の「製造コスト」について。

なお、テスラはこの製造コストについて、今後数年間は「もっとも重要な指標になる」と述べ、1台を製造するコストにつき、2017年には84,000ドルを要していたものの、直近の四半期では半分以下の36,000ドルにまで下がったことに言及しています。

一体テスラはどうやってコストを下げたのか?

そこで疑問に思うのが「いったいどうやってテスラはその製造コストを下げたのか」ということですが、テスラのIR担当責任者によれば「バッテリーの製造コストの低減ではなく、生産工程の効率化によるもの」。

テスラは大きくコストを下げる可能性がある「4680」バッテリーの導入を開始していて(BMW、リマックも同様のバッテリーを生産するとアナウンスしている)、しかし製造原価の低減はこのバッテリーによるものではなく、主にはモデルYの車体やシャーシにメガキャストを導入し、製造工程とパーツ点数を削減したことによると述べています。

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加えて製造を容易にするための効率的な車両設計も行っていると述べていますが、こういった事実を鑑みるに、数年前のテスラ車と現在のテスラ車とでは、名称や外観が同じであっても、その中身が全く異なると考えて良さそうです。

テスラ

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EVは自動車生産における第三の革命

このテスラIR担当責任者はEVについて「1908年にフォードが開発したT型フォード、1970年代のトヨタ自動車の低コスト生産に続く、自動車生産における3大革命」であり、”EVの構造は内燃機関とは全く異なるので、自動車製造における第3の革命が可能になる”と考えているようですが、これはイーロン・マスクCEOが掲げるヴィジョンと同じものであり、テスラでは徹底してこの思想が貫かれていると考えて良さそう。

なお、多くの自動車メーカーは「ガソリン車の常識を引きずった」EVの設計を行っているといい(それから脱却するには、ガソリン車を知らない世代が設計担当者となるまで待つしかなさそう)、しかしテスラは「頭をまっさらにして」電気自動車の設計を行ったために非常にシンプルな構造を持っていて、その製造方法についても既存の自動車メーカーとは全く異なる手法を採用しています。

これはすでにモデル3製造開始の頃から行われていたもので、「全く新しい」製造方法を実現するための工作機械から設計・製造したために車両の生産が遅れに遅れてしまい、それを見た既存自動車メーカーの重役が「少しは自動車産業から学ぶと良い」と上から目線にてモノ申していたわけですね。

しかしながら一旦生産が始まってしまうと怒涛の勢いでEVを量産し、あれよあれよという間に年産100万台きぼの自動車メーカーになってしまったわけですが(むしろ、既存自動車メーカーがテスラから学ぶ立場になっている)、テスラはまだまだ生産工程において効率化ができると考えており、「どれだけ多くのクルマを作ることができるか」を追求するもよう。※テスラ内装においてはどんどんタッチパネルに操作系が集約されているが、これは物理スイッチなどパーツ点数を削減するためであり、ひとつの自動車業界におけるトレンドとなっている。このほかにもテスラが作った自動車業界における流行は数しれない

テスラ・モデルY

ちなみにテスラの最初の工場はカリフォルニア州フリーモントのギガファクトリーですが、テスラによれば「もはやそこは電気自動車の製造に適した場所ではない」と語り、上海そして新しく竣工したベルリン工場へと生産をシフトする、とも(現在は上海工場が断続的にロックダウンされ、かつ中国内のサプライチェーンが混乱しているためにフリーモント工場の生産が拡大している)。

なお、フリーモント工場が「EV生産に適していない」のはコストの問題だとも指摘していますが、これは土地代や人件費よりも、おそらくはそこにある工作機械や製造設備が古く、単に生産にかかるコストが高くなってしまう(効率的な生産ができない)からだと考えられます。

加えてテスラはテキサス州にもギガファクトリーを建設していて、こちらにはさらに製造を効率化するためのギガプレスを導入すると言われ、テスラいわく「これによってコストの限界を突破することができる」。

つまり現在の1台あたり36,000ドルを大きく下回るコストで電気自動車の製造を行うことが可能になることを意味しており、生産台数の増加とともにさらなる飛躍を望むことができそうですね。

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参照:Business Insider

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