>テスラ(TESLA)

イーロン・マスクCEO「自分で運転できる最後のテスラ車は新型ロードスターになるだろう」。ただし発表から9年、いまだに発売されないままである

イーロン・マスクがリマック・ネヴェーラが達成した世界新記録に対し、ただひとこと「LOL」とコメント。これを破るのは造作も無いという意思表示?
Tesla

| これからのテスラ車からは本当にステアリングホイールが「消える」のか |

イーロン・マスクが描く「人間が運転しない」未来

「将来的に、自ら運転できる唯一のテスラ車は新型ロードスターになるだろう」

これは2026年4月に行われた第1四半期決算発表の場でイーロン・マスクCEOが放った言葉ではありますが、これまで「完全自動運転(FSD)」の実現を掲げてきたテスラではあるものの、そのビジョンがさらに一歩進み、「人間による運転」をロードスターという特別なモデルだけに限定するという、極めて大胆なフェーズに突入しようとしていることが明らかに(ただ、いつも通り、同氏の話は「半掛け、さらに2割引」くらいの感覚で捉えておくべき)。

  • 自動運転への完全シフト: 今後のラインナップは「ほぼすべて自律走行」が前提
  • ロードスターの特殊性: 唯一「自分で操る楽しさ」を残す聖域に
  • サイバーキャブ(Cybercab)の量産開始: ハンドルのない専用車両がテスラの主力へ
【最新情報】テスラ「サイバーキャブ(ロボタクシー)」、2026年登場も現実味?ギガキャスティング技術で低価格量産を目指す。株価回復の切り札となるか

Image:Tesla

テスラ・モデルY(シルバー)、フロント
テスラが決算を発表、予想を上回る好業績ながらも「不透明な未来」に株価は乱高下。AIそしてロボットへの業態転換が鮮明に

| 安価な新モデル投入と100万台のロボット計画で逆転なるか | 【要約】テスラ2026年Q1決算の重要ポイント 業績の明暗: 純利益は予想を上回るも、売上高は市場予測に届かず 利益率の改善: 自動車 ...

続きを見る


加速する「脱・手動運転」とサイバーキャブの台頭

テスラにおける現在の戦略はもはや「自動車メーカー」の枠を超え、「AIとロボティクスの企業」へと完全に舵を切っているのは周知の通り(自動運転車もひとつのロボットである)。

そして今回の発表で最も注目すべきは、2人乗りの自動運転専用車両「Cybercab(サイバーキャブ)」の生産開始で、イーロン・マスク氏によれば、このサイバーキャブが現在のモデルYに代わるテスラの最量産モデルになる見込みだといい、また、長距離輸送を担う「テスラ・セミ」も自動運転化が進められ、物流の形をも変えようとしている、とのこと。

【ついに現実へ】テスラ「サイバーキャブ」第一号車がラインオフ。3万ドル以下の衝撃価格で販売開始、日本にも導入希望
【ついに現実へ】テスラ「サイバーキャブ(ロボタクシー)」第一号車がラインオフ。3万ドル以下の衝撃価格で販売開始、日本にも導入希望

Image:Tesla(X) | 今回、テスラは以外にも「予定よりも早く」サイバーキャブの生産を実現してきた | テスラの未来が予想よりも早く現実となる可能性が高まっており、2026年2月、テスラはギ ...

続きを見る

なお、テスラは少し前に「低価格モデル」の導入について触れていますが、今回の決算発表ではなんらこれには触れられなかったようなので、ちょっと前と同様に、この「低価格モデル」については計画が二転三転しているのかもしれません。

テスラの苦難はまだまだ続く・・・。「ブレードランナー2049」制作会社からイメージの無断使用で訴えられ、「アイ, ロボット」登場メカとの類似性を指摘される

Image:Tesla

テスラ・モデルYのテールランプ
【岐路に立つテスラ】2.5万ドルの「格安モデル」投入は救世主か、それとも利益崩壊の序曲なのか。ボクとしては「一発逆転のウルトラC」を期待

| ただしテスラは「利益率」「効率」を重視する会社である | おそらくは自分の首を締めるようなことは行わないであろう つい先日報道された、世界中のファンが待ち望んでいる「2.5万ドルの安価なテスラ」。 ...

続きを見る


新型ロードスターと次世代自律走行ラインナップ

一方、多くのファンが待ち望んでいる新型ロードスターについては、プロトタイプ発表から9年が経過した今もなお「テストと検証」の段階にあり、しかしイーロン・マスク氏は「1ヶ月後くらいには披露できるかもしれない」と久々に具体的な時期に言及したもよう(その前の発表では、4月にプロトタイプをお披露目できるとされていた)。

【ついに発表?】テスラが新型ロードスターの「新ロゴ」「シルエット」を商標申請。2026年4月、ついに伝説が動き出しそう
【ついに発表?】テスラが新型ロードスターの「新ロゴ」「シルエット」を商標申請。2026年4月、ついに伝説が動き出しそう

| 2017年の衝撃的な発表から8年以上。ついに「テスラ・ロードスター」が現実味を帯びる | 2026年2月3日、テスラが米国特許商標庁(USPTO)に対して新型ロードスターに関連する2つの新しい商標 ...

続きを見る

テスラが目指すのは、日常の移動(Model S / 3 / X / Yの後継やCybercab)はAIに任せ、走りの歓び(Roadster)だけを人間に残すという、極めて対照的なラインナップであることも明らかになり、これは今までにテスラが語ったことがない「新しい」方向性だとも考えられます。

テスラ次世代モデルの比較(予想)

車種名運転形態市場の位置付け・役割ステータス
新型ロードスター手動運転(唯一)究極のパフォーマンス・象徴開発最終段階(?)
Cybercab完全自律走行次世代の移動手段(最量産モデル)生産開始
テスラ・セミ完全自律走行長距離輸送の自動化生産・増産フェーズ
将来のModel S/X等(登場するのであれば)ほぼ完全自律走行プレミアム・ファミリー層向け順次移行予測
テスラ・ロードスター

Image:Tesla


収益よりも「クールさ」を追求するロードスター

興味深いことに、今回イーロン・マスク氏はロードスターについて「収益を大きく動かす(収益の柱になる)とは思っていないが、非常にクールだ」と述べています。

ビジネスの観点では、指数関数的な成長が見込まれるサイバーキャブやFSD(フルセルフドライビング=自動運転)ソフトウェアが優先され、しかし、ロードスターは「テスラというブランドが、いかにエキサイティングであるか」を証明するための、いわば「動く広告塔」としての役割を担うことに。

参考までに、テスラは(フェラーリ同様)「広告を打たない」ことでも知られており、たびたび株主総会にて「なぜ広告を行わないのか」と突っ込まれることも。

よってちょっと前には広告を試験的に掲出し、これに株価が好反応を示したこともあるものの、その後テスラは広告展開を行っていないため、「効果が感じられなかった」ということなのかもしれません。

その反面、スターリンクは積極的な広告を行っているのですが、「テスラは誰でも知っているが、スターリンクはほとんどの人がその存在を知らない」という差異があり、テスラの場合は広告よりも販売価格を下げるほうが「販売伸長に直結」し、スターリンクの方はまずその存在を知らしめるほうが重要ということなのだと思われます。

テスラ モデルYのステアリングホイール
Tesla
テスラが創業以来「初の」有料広告をFacebook、Youtube、インスタ、TikTok、Xにて一斉開始。よほど販売が苦しいと思われるものの、その効果に期待が集まる

| これまでEVは「一部の人」だけが購入する特殊な製品ではあったが、今だとEVは「普通の人」も購入する製品である | こういった状況の変化に対応するには、不特定多数の人に向けた”広告”が一般に有用であ ...

続きを見る


テスラは「運転」を卒業できるのか?

今回発せられたイーロン・マスク氏の言葉を信じるならば、ぼくらが自分の手でテスラのステアリングを握り、アクセルを踏み込む体験ができるのは新型ロードスターが最後のご褒美ということになりそうで、しかし「完全自動運転」の実現については技術のほか、法規制等の対応が必要であり、国や地域によってその障壁の高さが異なります。

そのため、テスラがこの障壁を「世界的に」クリアすることは非常に困難であり、よって「次世代モデルから」ステアリングホイールが無くなるということは考えにくく、しかしそれに向かって着実にテスラが進んでいるのもまた事実。

他社がまだ「運転支援」の段階で苦戦する中、テスラは「ステアリングホイールをなくす」という、自動車100年の歴史を終わらせる決断を下そうとしているというわけですね。

テスラ・モデルYのテールランプ

ただ、ここで注目したいのは、テスラの(自動運転を司る)AIに対する「愛憎入り混じる関係」。

イーロン・マスク氏は常々AIの危険性を訴える人物ではありますが、その一方で自社の未来をAI(FSD)に預けようという矛盾があり、このあたり「どう整理を行うのか」にも興味があるところ。

そして最終的に自動運転が普及した世界では、保険の仕組みや道路交通法も根本から変わる可能性があり、「自分で運転すること」が贅沢な趣味、あるいは「リスク」と見なされる時代がすぐそこまで来ているのかもしれません。

あわせて読みたい、テスラ関連投稿

テスラ・モデルYのエクステリア~ヘッドライト
テスラが「前言撤回」?不要と断じた「格安コンパクトSUV」を極秘開発中と報じられる。テスラは価格競争に参戦しないと見られていたが

| テスラは一時「廉価版EV」を計画したものの、その計画をキャンセルしたとも伝えられていた | ついに「手が届くテスラ」が現実味を帯びてきた テスラが長年「出す」と言いながら、その後イーロン・マスクC ...

続きを見る

テスラ モデルYのステアリングホイール
【テスラの戦略転換】「サイバーキャブ」が幻の「モデル2」になる?自動運転の理想と現実の規制との壁、そしてテスラの柔軟な「路線変更政策」と「実利重視」戦略とは

| ハンドルなき未来から、ステアリングのある現実へ | 路線変更による「価格競争力の発揮」にも期待 テスラが構想した「サイバーキャブ(Cybercab)」は他のどのテスラ車とも違う異彩を放つ存在で、バ ...

続きを見る

テスラ・サイバーキャブの構成パーツは「モデル3の半分」。エンジニア自ら「いかにコストを削減したか」を語り、テスラの考え方を示す動画を公開
テスラ・サイバーキャブの構成パーツは「モデル3の半分」。エンジニア自ら「いかにコストを削減したか」を語り、テスラの考え方を示す動画を公開

Image:Tesla | テスラはシンプルな目的へと「もっとも確実な方法で、もっとも速く、もっとも効率的に」突き進む会社である | ここまで割り切った会社は他に存在しないであろう さて、テスラは自ら ...

続きを見る

参照:Tesla

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->テスラ(TESLA)
-, , , , ,