2023年12月の輸入車登録実績が発表。もっとも伸びたのはランドローバー、次いでマクラーレンにアストンマーティン。BYDは通年での比較はできずとも驚異的な成長を見せる

｜　高価格帯のプレミアムブランドが安定した成長を見せ、普及価格帯のブランドは販売が減少傾向に　｜

普及価格帯では国産車の競争力が向上していることが推測される

さて、2023年12月、ならびに通年での輸入車登録台数が公開。

概況を見てみると、全体で2.5％増（246,753台）となって2年ぶりに増加に転じたこと、そしてEVの販売が前年から60％ほど増えて2万台をはじめて超え22,890台となったことが大きなトピックかと思います。※国産車含む日本での自動車登録台数に占める輸入車の割合は8.2％くらいで、昨年の9.6％から減少している

なお、輸入EVの急増については、これまで人気であったテスラ（テスラは組合に加入していないので台数の報告義務がなく、納車された数は不明ではあるが、年間で5,500台くらいだと思われる）、そして急激に販売を伸ばしているBYD（1,446台）、加えてメルセデス・ベンツやBMW、ボルボ等の欧州勢の伸長が主な理由だと思われます。

2023年12月、2023年通年ではこんな傾向も

そこで今回発表された統計を見てみると、全体的に見てプレミアムブランドは好調、しかし普及価格帯のブランド（ルノーやフィアット）の一部はいまひとつ。※国産車の競争力が高くなり、輸入車ユーザーが国産車に流れている可能性が考えられる

なお、これまで好調であったボルボの減速が目立ちますが、これはボルボがライナップをEV中心に入れ替えていること、しかし日本ではあまりEVの需要が高くないといった事情を反映してのことかもしれません。

もっとも前年比で販売が伸びたのはBYDですが、これは前年の販売台数が少なく、かつ通年で販売していなかったことから「除外」するとして、その場合だとランドローバー（前年比で約2倍）がもっとも売れたブランドに。※加えて、BYDの場合は試乗車含むデモカーの登録台数が占める割合が少なくないものと思われる

さらにはマセラティ、DS、マクラーレン、アストンマーティンといった比較的高価格帯のブランドがよく売れていることがわかります。

参考までに、ランボルギーニは2023年12月に107台を納車してフェラーリ（102台）を久しぶりに超え、そして年間だとランボルギーニは前年比で10％の成長を記録しています（反面フェラーリは2％の前年割れ）。

これまで正規ディーラーがなくとも奮闘していたフォードとダッジは前年比でおおよそ半分に落ち込み、ヒョンデも人気が一巡したのか前年割れとなっていて、伸びるブランド、維持するブランド、そしてゆっくりと下降線をたどるブランドなど、そのトレンドが明確になっているようにも感じられますね。

2023年12月/2023年通年での輸入車登録台数はこちら

参照:日本自動車輸入組合