| 新興メーカーでかつEV、この価格となるとかなり売りにくそうだ |
新興自動車メーカー「ドラコ・モータース(Drako Motors)が開発に20年近くをかけたという新型車「GTE」を発表。
なお、このベースはフィスカー・カルマだそうですが、外観はその多くを新しいものへと置き換えています。
ちなみにフィスカー・カルマとは、もともとヘンリク・フィスカー氏が設立した会社「フィスカー」から発売されたPHEV(2011〜2012年に発売)。
レオナルド・ディカプリオはじめハリウッドセレブがこぞって購入したことで話題となるも、その信頼性の低さから米格付け機関より「買ってはいけないクルマ」に指定され、その後販売が低迷し、中国資本の会社に生産設備ごと売却されることに。
そしてフィスカーは「カルマ」社として生まれ変わり、もともと「フィスカー・カルマ」として販売していたクルマを「カルマ・レヴェーロ」として現在も販売しています。※ヘンリク・フィスカー氏は別途「フィスカー」を設立し、あらたにEVを発売する予定。ややこしい
ベースにしているのは骨格のみでパワートレインは別モノのようだ
ドラコGTEのサイドはフィスカー・カルマの印象を大きく残しており、サイドウインドウにその面影を見ることができますね。
なお、こちらが「カルマ・レヴェーロ」。
メカニズム、デザインともに2011年に発売された「フィスカー・カルマ」を踏襲していますが、なんだかんだ言ってフィスカー・カルマは「完成度は低くとも、ポテンシャルは高かった」のかもしれません。
ドラコGTEに採用されるバッテリーパックは90kWh、エレクトリックモーターは4つ、出力はトータルで1200PS。
0−100キロ加速については公表されていないものの、最高速度は332km/hだとアナウンスされています。
ちなみにカルマ・レヴェーロの方は2モーター536馬力(こちらはPHV)。
エレクトリックモードのみの走行可能距離は128km/hだとされています。
なお、内燃機関としてBMW製3気筒エンジンを持つものの、これは「発電用」で、エンジンを動力源としての走行は不可。
こうやって考えると、ドラコGTEはフィスカー・カルマ(現レヴェロGT)をベースとしているとはいえど基本的に異なるクルマだということもわかりますね。
さらにドラコGTEはその名から推測できるように「走り」を標榜していることも明らかで、サスペンションにはオーリンズ、ブレーキにはブレンボ(カーボンセラミックディスク)を採用。
さらには4輪トルクベクタリングを持ち、これは「1秒に1000回もの試算を繰り返して各輪のトルクをポジティブ/ネガティブに切り替える、というもの。
これによって「市場に存在する、いかなるスーパーカーとも異なる走りを実現する」としていますが、現在のところ参考となる走行データ、タイムはなく「どれくらい速いのか」は不明です。
ちなみにドラコGTは量産を目指しているわけではなく、生産台数は25台に絞る予定で、その価格は邦貨換算で1億2000万円。
すでに受注を開始しているそうですが、新興メーカーの、しかもEVということで販売にはかなり苦労するのかもしれません。
ただ、1000馬力以上のEVというとリマックC_Two、ピニンファリーナ・バッティスタが発売目前ですが、これらの価格は2億円以上に設定されており、それを考えると「まだ安く買える1000馬力級ハイパーEV」なのかもしれませんね。