| 実用化される日はそう遠くなさそうだ |
農作業機器メーカーのクボタが毎年1月に開催する”新春のつどい”において、「夢のトラクター」としコンセプトカーならぬコンセプトトラクター「X Tractor(クロストラクタ)」を発表。
これはAI、そしてエレクトリック技術が反映された自動運転トラクター(無人運転で、人が乗る必要すらない)だとされ、クボタの考える未来農業、つまり「スマート農業」を実現するものだ、と紹介しています。
なお、この無人トラクター実用化を目指す背景には「農地集積による営農規模の拡大」「人手不足」「省力化」といった現状そして課題に対応したいというクボタの使命感がある模様。
たしかに日本は人手不足や「農業離れ」によって農業従事者が減少しているといいますが、より少ない手間で、より広い地域で農業を営むことができるのであれば、これはひとつの「革命」と言ってよく、日本の自給率向上に一役買うのかもしれません。
クボタはすでにトラクターの自動運転化に突入
実際のところクボタは2017年に「アグリロボトラクタ」を発売し、自動運転対応のトラクター「アグリロボ」シリーズを拡大中。
そしてこのクロストラクタはその延長線上にあるということになりますが、その特徴は下記の通りです。
1.未来を感じさせるデザイン 2.人工知能による完全無人作業が可能 3.完全電動で環境に優しい 4.1台で多様な作業に対応 |
このクロストラクタを見てまず思うのは「変形しそう」。
実際にクロストラクタは実際に変形することが可能だとされ、「4輪クローラが変形し、作物をまたぐような管理作業では車高を高くでき、牽引力が必要なシーンでは車高を下げて地面との接地面積を大きくできる」。※クロストラクタを説明するのは富山トラクタ総合事業部長
クボタの「夢のトラクタ」計画は1970から存在した
参考までに、クボタは1970年の大阪万博にて「夢のトラクタ”タレント25”」を展示したことがある、とのこと。
これは機能性、快適性、居住性、容易な操作性を持つもので、自動運転こそ備わっていないものの、「少しでも農業を快適に」という、今回のクロストラクタにもつながる基本思想を読み取ることができます。
クボタは「社会課題の解決」を使命として捉えており、「食料・水・環境」については特に高い重要度をもって取り組み中。
今回のクロストラクタはそのうちの「食料」の解決につながるものだと言えそうですね。※クボタのコーポレートスローガンは「For Earth, For Life」
なお、クロストラクタの「クロス」について、クボタは「未来に向けた新たな価値創造に向けて、クボタ社内の様々な技術や経験を、“結合・融合”し、お客様ニーズや社外の技術と“協創”を通して、未来に向けた新たなイノベーションを生み出す姿勢を込めた」とのこと。
そして「技術の進歩により従来の作業がテクノロジーで置き換えられていく一方で、人間が果たすべき役割はよりクリエイティブな領域へと変化してゆく」と述べ、農業においても人がもっとクリエイティブであることができるように、という提案がこのクロストラクタであるようです。
ちなみにこちらはクボタの目指す「ソーシャルアグリ」のコンセプトムービー。
VIA: TheKubotaChannel, Kubota