| 韓国では「法人登録車」にあまりいいイメージはなく、明らかにそれとわかるクルマには乗りたくないらしい |
とくに法人登録は「レンタカー」「リース」を強く連想させるようだ
さて、コリア・タイムズ紙によると「韓国内で高級車やスーパーカーの販売が急落している」。
韓国では好調な内需に支えられ、日本を越えようかという勢いでこれら高価格帯のクルマが売れていたわけですが(おそらくは人口比だと日本を超えている)、報道によればベントレー、ポルシェ、ロールス・ロイスの販売が大きく落ち込んでおり、その理由は今年はじめに導入された「法人用ナンバー」にあるとされています。
この法人用ナンバーの導入は昨年にも話題となっていて、この導入を前に「駆け込みで」高額車両が売れており、よって今年にはその反動が来るだろうとも言われていたわけですね。
なぜ法人用ナンバーが導入されると高額車両が売れなくなるのか
この法律は韓国の国土交通省が「事業主が税金の支払いを逃れるために社用車として高級車やスーパーカーを購入することを阻止するため」導入したもので、導入後だと、法人名義で購入する8,000ウォン(現在の為替レートにて約895万円)以上の車両にはすべからく「緑色のナンバープレート」を装着する義務が生じます。
そしてこの緑ナンバーが嫌われる理由は2つあるといい、ひとつは「個人名義ではないことがすぐにわかるので、高級車に乗っていてもそれが”その人のものでない”ことがわかる」。
つまりは高級車に乗っていたとしても、自分の(個人の)所得が高いと誇示できるわけではなく、あるいはレンタカーなど”借り物”と見られる可能性もあり、つまりはイバリがきかなくなってしまいます。
そしてもう一つの理由は「税務署に目をつけられるから」だとされ、税務署がそういったクルマの持ち主を調べることで様々な問題が生じる可能性があるわけですね。
なお、この緑ナンバー導入以前だと、韓国の事業主は身内ののために高級車を社用車として登録し、個人名義でクルマを取得した場合よりも税金を安くすることができたものの、緑ナンバーが導入されたならば、そのクルマが私的な旅行やレジャー、目的に使用されている場合、必ず税務署が目をつけることになると言われています。
実際のところ、コリア・タイムズ紙によると、韓国におけるベントレーの登録台数は、2024年の最初の3か月間(第1四半期)では前年同期と比べて77%減少し、ロールスロイスとポルシェは35%と23%減少したとのだそう。
加えてランボルギーニでも1~3月期の販売台数が22%減少(ランボルギーニの世界販売は増加している)したことが明らかになっています。
コリア・タイムズによれば、2023年の韓国では社有車が総登録台数の40%を占めていたものの、現在では28%にとどまり、統計開始後初めて30%を下回ったとのこと。
韓国では一般的に、レンタカーや(法人登録に多い)リース車にはマイナスのイメージが蔓延しているとされ、緑色のプレートが付いた車を購入することを好む顧客や事業主はほとんどおらず、これは高級車を購入する計画を立てている経営者の全体的なセンチメントを弱めることになる、とも言われています。
加えて現在の韓国は経済状況が「やや下向きになりつつある」という報道もあり、これもまた高額車の需要を引き下げているという声があるもよう。
いずれにせよ、現在の韓国では高級車やスーパーカーメーカーにとって「大きな悩みのタネ」が生じたということになり、しかしこれを回避する方法はないのかもしれません。
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