豪州にてスーパーカーを運転する際に必要な「UHPVライセンス（通称ウルトラ免許）」ついに導入。取得は面倒だが保有しているとちょっとカッコいい

｜　実際にはスーパーカーだけではなく、メルセデスAMG、BMW M、そしてポルシェなど多くのハイパフォーマンスカーのドライバーが対象に　｜

現時点では他の国や地域での導入の話は聞かれないが、これに倣う例が出てくるのかも

さて、昨年発表された通り、オーストラリアにて「スーパーカーやハイパフォーマンスカーを運転するのに必要な」UHPV（ウルトラハイパフォーマンスヴィークル）ライセンスがついに導入されることに。※通称Uライセンス（ウルトラ免許）と呼ばれている

これはスーパーカーによる事故（特に人名にかかわるもの）が相次いだために政府が導入を急いだもので、これに該当する「ウルトラハイパフォーマンスカー」とは「1トンあたりのパワーが370馬力」「車両総重量が4,500kgまで」だとされ、バイク、バス、トラック、トライクは”除外”となります。

近年のハイパフォーマンスカーはおおよそこれに該当

「重量4,500kg」というのはちょっと重すぎるような気もするものの、今後EVやPHEV（つまり重量級）が増え、さらにはSUVもスーパーカーに比肩しうるパワーを持つに至った今、意外と実用的な範囲なのかもしれません。

そして「1トンあたり370馬力」というのも比較的妥当なラインであり、おおよそのスーパーカーは1.5トン〜2トンくらいなので、つまるところ「555馬力〜720馬力」くらいのクルマが該当するということに。※さらには、購入後にチューンし出力が上昇した車両も含まれる

この基準だと、スーパーカーのみではなくメルセデスAMG各モデルやBMW Mモデルもこれに含まれると考えて良く、つまりけっこう多くのクルマがこのUHPVライセンスの対象となりそうですね。

UHPVライセンスを取得するにはどうすればいいのか

そこでこのUHPVライセンスの取得についてですが、州政府によると、（ここで規定される）UHPVの所有者またはドライバーは「罰金を回避するために、2024年12月1日までにUクラスライセンスを取得する必要があり、取得に際してはオンライン コースの修了に加え、UHPVに関連するリスク、電子安全補助装置とドライバー アシスト、およびこれらの車両の安全な運転方法について学習する必要がある、とのこと（受講には61オーストラリアドルが必要で、受講完了までに45分を要し、テストに合格した後に20オーストラリアドルの手数料を払ってようやく免許が発行される）。

今回のUHPVライセンスの導入によって、12月以降は「このライセンス無しでのハイパフォーマンスカーの運転」は事実上違法になってしまうわけですが、もしこれが明るみに出た場合、2,500オーストラリアドル（現在の為替レートだと約27万円くらい）の罰金を払わねばならず、けっこう重い罪ということになりそうです。

なお、このUHPVライセンスを取得したとしても公道での走行においては一定の制限が課され、トラクション コントロール、スタビリティ コントロール、アンチロック ブレーキなどのドライバー補助装置を無効にすると「違反」となり、これらが発覚した際の罰金はさらに高額な（最高で）5,000オーストラリアドル、そして運転免許には6点の減点が科されます。※これらをオフにして事故を起こすと、さらに罪が重くなる

この新しい免許制度はかなり面倒なものであり、政府による過剰な干渉であるとも考えられますが、一連の事故を受けての導入であることを考慮するとやむを得ない側面があり、しかし「ウルトラ免許を持ってる」といえばちょっとカッコいいかもしれません。

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参照：Government of South Australia