8.8億は高いように思えるが、当事のDB4 GTザガートは13億円ほどの価値がある
アストンマーティンはザガートとの協業60周年を記念して「DBS GT Zagato(DBS GTザガート)」と「DB4 GT Zagato Continuation(DB4 GTザガート・コンティニュエーション)」とをセットにした”DBZセンテナリー・コレクション”を19台セットにて発売しますが、そのDB4 GT Zagatoの製造を開始した、と発表。
アストンマーティンDB4 GTザガートは1960年代に19台のみが製造
なおDB4 GT Zagato Continuationはアストンマーティンが1960年代はじめに製造したクルマ「DB4GT」をザガートがカスタムしたもの。
シャシーはDB4GTのままですが、エンジンを強化し、そこにザガートの得意とする「空力に優れ軽量な」ボディを架装。
当時製造されたのは19台であり、ザガートが創業したのも1919年、そして今年は2019年ということで「19」が揃った年に復刻されるということに。
そして新しく製造されるDB4 GTザガートは「DB4 GTザガート・コンティニュエーション」と命名されていますが、この「コンティニュエーション」とは「継続」という意味で、つまり1960年代当時の「継続」ということを意味します。
つまり安易な復刻ではなく、当時とまったく同じスペックで製造することになりますが、そのためには工作機械や製造方法までも当事のままというこだわりよう。
もともと「継続生産」シリーズはジャガーがはじめたものだった
なお、この「コンティニュエーション」はジャガーが「XKSS(ル・マンで活躍したレーシングカー、D-TYPEのロードバージョン)を当時の製法で復刻」したのがはじまり。
この経緯としては、1954年にジャガーは25台のXKSSを製造する予定であったものの、16台を製造した段階で工場が火事になって17台目以降の生産ができなくなり、2014年になってから「当時、作ることができなかった9台」を当時の仕様そのままに生産した、というのがその事情です。
これが大きな話題を呼び、シェルビーは「コブラ」、フェラーリは「250GTO」を継続生産するのではという噂が出たりしていますが、アストンマーティンは実際にこれを行ったということですね。
そこでアストンマーティンが継続生産するDB4 GTザガートですが、設計にあたっては最新テクノロジーを使用するものの、製造についてはやはり当寺の製法そのまま。
ボディパネルは1.2ミリ厚のアルミシートをハンマーで叩いて形を出すことになりますが、これは「何百時間もかかる」作業。
なお、エンジンも当時のままで直列6気筒(380馬力)、トランスミッションは4速マニュアルを搭載。
これらについても現在のユニットと共通性はないと思われるので、専用に設計し製造することになるかと思われ、現在のエンジニアは当然当事の技術に親しんでいるわけではなく、相当に困難な作業となりそうですね。