| 現代では「招待制の限定スーパーカー」は珍しくない |
数時間前に情報が出てきたばかりのマクラーレン620Rですが、今回はさっそくそのプロトイプが目撃に。
各エアロパーツの形状はピストンヘッズが公開した620Rそのままで、しかしこの車両は全体的にマットブラックのラッピングが施され、モノモノしい雰囲気に。
なお、620Rは、570Sのレーシングカー版である「570S GT4」を公道走行可能な仕様へと手直ししたものであり、基本的なパーツはレーシングカーのままだと言って良さそうなハードコアマシン。
外観上の(570Sからの)識別点としてはアグレッシブなフロントバンパーにカナード、エアアウトレット付きのフロントフード、ルーフ上のエアスクープ、巨大なリアウイングやディフューザーなど。
ポジション的には600LTの「上」に位置するはずですが、むしろ見た目は600LTよりも地味に感じられるクルマです。
これについては、「570S GT4」のルックスをそのまま再現したということもあるかと思われるものの、公道走行よりも、サーキットでの走行性能を重視したために”質実剛健さ”を実現した結果なのかもしれません。
マクラーレン620Rは「招待」がないと買えない?
なお、マクラーレン620Rの特別なところは、単なる限定モデルではなく、販売が「招待制」だと言われるところ。
つまりはマクラーレンが「売りたい顧客」をピックアップし、マクラーレン直接もしくはディーラー経由にて「買いませんか」という話を持ちかけることになり、よって声をかけられなかった人は「買う権利がない」ということですね。
マクラーレンがどうやって「売りたい顧客」を選定するのかは不明ですが、これはかなり思い切った手法だと言えそうです。
ちなみにこういった「招待制」についてはフェラーリやランボルギーニも少量限定モデルで採用していて、メーカー側がピックアップした顧客に購入を打診することになり、フェラーリの場合は「断る人はいない」とのこと。
ちなみにフェラーリは、その重要顧客の条件をこれまでの「購入台数や、保有状態」といった基準からシフトさせているようで、最近では「若く、リッチで、ネット上での影響力があり、社会的地位が高い人」ということをひとつの基準としているようです(ハードル高いな・・・)。※「若い」というのは、これから長きに渡って何台も買い替えができるという”時間的猶予”を考えてのことらしい
よって選ばれるのは、品行方正で、誰もが憧れるような人ということになり、限定フェラーリのオーナーには有名シェフや有名スポーツ選手が増えてきているようにも思います。
反面、これまでの重要顧客であっても、ネット上での価値が低い人(ネット上で表に出ない人)、評判がよろしくない人、好ましくない職業の人などは限定モデルの購入を断られることがあり、フェラーリいわく、「我社がふさわしくないと判断すれば、それが王であろうとも購入を断る」。
そのほかのメーカーでは、アストンマーティン・ラゴンダ・タラフが「招待制」であったのは有名ですが、マクラーレンの場合「招待制」のクルマは聞いたことがなく(ぼくが知らないだけかも)、その意味でも620Rは特殊なクルマなのかもしれません(もしくは、スパルタンすぎるので、一定のドライビングスキルを持つ人にしか売らないのかも)。
なお、フェラーリやランボルギーニは、70年もしくは50年以上スーパーカーを顧客に販売しており、その中で一定の「重要顧客」が確固たる地位を築いているため、今からそれらを購入しはじめたとしても「限定モデルを買えるにまで」上り詰めるのは容易ではありませんが、マクラーレンの場合はまだ市販車ビジネスをはじめて数年なので、台数さえこなせば「比較的上位まで上り詰めやすい」とも言われています(それでも現在は日に日にマクラーレンの顧客”層”が厚くなり、上位に行くのは難しくなってきている)。
限定スーパーカーを買うのも楽じゃない、ということですね。
VIA:CARSCOOPS