| 思っていたよりも過激なルックスで出てきたな |
マクラーレンが、先日よりウワサされていた新型ハイパーカー、「ELVA(エルバ/エルヴァ)」を公開。
マクラーレンによると、ELVAは「ピュアなドライビングエクスペリエンスのためだけに作られた」。
そして「ピュアさ」実現のために妥協なく楽しさ、パワフルさ、軽量さを追求し、”これまででもっともドライバーと親密な関係を構築できる”マクラーレンだとしています。
なお、ボディ形状はフロントスクリーンを持たない「スピードスター」。
これはマクラーレン創業者、ブルース・マクラーレンが1960年代にその輝かしい歴史を築くきっかけとなったレーシングカー、M1A、M1B、M1Cへのオマージュです。
ちなみにネーミングの「ELVA」について意味するところは不明。
マクラーレンは過去のM1シリーズについて”ELVA”と呼んでいるので、文字通りM1の後継ということを示しているのかもしれません。
マクラーレンはちょっと前に、これから発表するモデルは、アルファベットや数字ではなく「名前」を持つことになると語っていましたが、今回のELVAはまさにそのとおりになった、ということですね。
「ELVA」はマクラーレンの頂点、アルティメットシリーズ
マクラーレンは現在、その頂点として「アルティメットシリーズ(セナ、スピードテール)」、「スーパーシリーズ(720S)」、「スポーツシリーズ(600LT、570系、540C)」を持ち、今回のELVAはアルティメットシリーズからの登場。
つまりはセナ、スピードテールと並ぶ新たなフラッグシップということになります。
ELVAはこれまでにないほど「機能は形態に従う」を実現したクルマだと表現され、クリーンで流れるようなラインを持ち、”アクティブ・エア・マネージメント・システム(AAMS)”を持つことが外観及び機能上の特徴。※フロントフードから風が出てきて、ドライバーへの走行風直撃を避けてくれそうに見える
これによって、スピードスターながらも、高速走行時に「快適で静かな環境」を実現するとしています。
ELVAに採用されるエンジンはおなじみ4リッターV8ですが、「セナ」を超える815馬力にチューンされており、専用のエキゾーストシステム、専用にチューンされたサスペンション、ステアリングシステム、カーボンセラミック製ブレーキが与えられています。
エキゾーストパイプについては「クワッド」と資料にあり、しかし見えるのは二本。
「セナ」同様、テールエンドには上方排気を行いそうな「穴」が確認でき、ここからも排気されるのかもしれません。
テールランプはスピートテールやGT風の「横長」、そしてかなり大きなリアディフューザーが装着されています。
マクラーレンELVAの基本骨格はセナ同様に「カーボンモノセルII」にて構成され、ボディパネルもフルカーボン。
マクラーレンのロードカーでは「もっとも軽い」クルマに仕上がっているようですね。
なお、万一の転倒に備えてロールオーバープロテクションシステム(ROPS)も装着済み、とのこと。
全体的なプロポーションはたしかに「M1」そっくり。
そして他のマクラーレンと異なるのは、ボディに抑揚はあっても、細かいダクトなどが見られないこと。
これはおそらくM1を意識し、クラシカルな側面を演出しようとしたためなのかもしれません。
なお、ドアはかなり天地に短く、つまりサイドシルが以上に高いことを示していますが、開閉方式はいつもどおり「ディヘドラルドア(バタフライドア)」。
今のところELVAの価格については公開されておらず、限定台数も非公開。
ただし「まだ完売していない」ようで、マクラーレンのホームページ経由からリクエストを送ることも可能となっています(実際にはもう完売済みなのかも)。
このマクラーレンELVAは、フェラーリ「モンツァSP1/SP2」の対向になると思われ、モンツァSP1/SP2同様にブランドのヘリテージを反映したクルマだと言えそう。
これはマクラーレンとしてはかなり異例とも考えらえるものの(マクラーレンは基本的に過去ではなく未来を見ている)、あとからどんどん出てくるライバルに対抗するには「ヘリテージの活用」がブランディング上もっとも有効なのかもしれません(クルマの性能自体は拮抗している。むしろマイナーメーカーのほうが過激なので、性能面での競争の意味はない)。
今回のELVA登場にて、マクラーレンのアルティメットシリーズは「サーキット走行のセナ」「ツーリング、そして最高速のスピードテール」「純粋にドライビングプレジャーを追求したELVA」という構成となり、それぞれに性格が競合しないため、「3台揃える」コレクターも多数登場しそうですね。
VIA:McLaren