| エレクトリックGクラスというとシュワルツェネッガー氏の車両が有名だが |
メルセデス・ベンツGクラスは現代において「もっとも燃費がよろしくない」クルマのひとつですが、どうやらその汚名をそそぐべく、メルセデス・ベンツ自ら「ピュアエレクトリック版」Gクラスを発売する計画がある模様。
これはメルセデス・ベンツ(ダイムラー)における”デジタル・トランスフォーメーション”部門の管理者、サシャ・パレンバーグ氏が自身のTwitterにて投稿したもので、ダイムラーCEOであるオーラ・ケレニウス氏が”ゼロ・エミッション版のGクラスを作る”をコメントした、と述べています。
これによると、オーラ・ケレニウス氏の言として「かつて、社内ではGクラスを廃止すべきとの声もあった。だが、今は違う。Gクラスこそが最後まで残るべきメルセデス・ベンツであり、ゼロエミッションモデルが登場することになる」というものを紹介。
いつの間にそんな計画が?
なお、メルセデス・ベンツGクラスは登場以後、40年にわたり一度もフルモデルチェンジを迎えていないという異例のモデルで(ちょっと前の”新型”はフェイスリフトモデル扱い)、もし「エレクトリックバージョンのGクラス」が登場するとなると、はじめてのモデルチェンジがEV化、ということになりますね。
これはまったくの寝耳に水であり、これまでそういった話もなく、スパイフォトもスパイビデオも無い中での話なので「にわかには信じがたい」という気もします。
この「EV版のGクラス」が現行Gクラスと同じ構造を維持するとは限らず、「見た目はGクラスでも、中身はメルセデス・ベンツEQC」であれば比較的短い開発期間にて発売することもできそう。
実際のところGクラスでオフロードを走る顧客はそう多くないと思われ、であれば「中身はEQCでいいじゃない」と思ったりするわけですね。
ただ、実際に極限の地でGクラスを使用する人も少なからずいて、そういった人向けにはディーゼルエンジン搭載のGクラスが残されるのかもしれません。
なお、現時点では、CEOの発言とはいえど、実際に、そしていつ「エレクトリックGクラス」が登場するのかはまったく不明。
さらにはその内容(スペック)もわからないので、これについては何らかの公式発表を待つしかなさそうですね。
#Daimler CEO Källenius: ”There will be a zero-emission #EV version of the #MercedesBenz G-Class. In the past there were discussions whether we should eliminate the model, the way I see things now I'd say the last Mercedes to be built will be a G-Class" #AMWKongress #eMobility pic.twitter.com/tAS6tzpR3Y
— Sascha Pallenberg 潘賞世 (@sascha_p) 2019年11月7日
非公式な「エレクトリックGクラス」は過去に存在した
そしてここで思い出されるのが、アーノルド・シュワルツェネッガー氏が自身のメルセデス・ベンツGクラスをカスタムした「エレクトリックGクラス」。
これはオーストリアのクリーゼル・エレクトリック(Kreisel Electric)が提供するEVコンバージョンパッケージを組み込んだもので、ガソリンエンジンをエレクトリックパワートレインに入れ替えるもの。
出力は483馬力、0−100キロ加速は5.6秒、最高速度は183km/h。
気になる走行距離は300kmだと報じられており、高い実用性を誇るようです。
なお、アーノルド・シュワルツェネッガー氏はこのクリーゼル・エレクトリック社に投資を行っており、このGクラスのほかにもハマーH1をエレクトリック化していますね。
もしかすると今後、こういった「エレクトリックコンバージョン」が比較的容易に行われるようになる可能性もあって、というのも今年のSEMAにて、シボレーが「ガソリンエンジンをエレクトリックパワートレーンに入れ替える」コンバージョンキットを発表したため(発売はまだ先だと思われる)。
フォードやシボレー、FCAなどアメリカの自動車メーカーは、「載せ替え用エンジン」として”クリートエンジン”を一般消費者向けに販売していますが、このエレクトリックコンバージョンキットは「eクリート」と命名され、「ガソリンエンジンを載せ替えるように」エレクトリック化が(比較的)簡単に行えるようになるのかもしれません。