| BMWはこれまでのiシリーズを見てもわかるとおり、強い「未来志向」を持つようだ |
今思えば、以前から先進的な操作系を取り入れるなど、常に新しいインターフェースを取り入れてきた
さて、現在ラスベガスにて開催中の家電見本市”CES”にて、BMWが「デジタル・エモーショナル・エクスペリエンス」なるコンセプト、そしてそれを表現したコンセプトカー」「iヴィジョン ディー(i Vision Dee)」を発表。
このコンセプトカーは、デザイン面において「less is more」アプローチを採用し、2025年に予定されている次世代電気自動車「ノイエクラッセ」のプレビューだとされていますが、その「less is more」を視覚的に表現すべく、極限までのシンプルさを追求しているようですね。
面白いのは「キドニーグリルとヘッドライトとが一体化していること」ですが、これは「一つのパーツやデザインに、複数の機能を内蔵させる」という手法を体現したものだと思われ、これによって車体を構成するパーツを削減しているのかもしれません。
今後BMWは「スラッシュ」を多用?
なお、このiヴィジョン・ディーを見て思うのは、昨年9月に発表された「i ヴィジョン・サーキュラー」によく似ているということ。
そしてその理由としてはシンプルな直線、そしてスラッシュ( / )ということになりそうですが、こういった要素は2025年以降に登場するEVシリーズ「ノイエクラッセ」に受け継がれることになりそうです。
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キドニーグリル、ツインヘッドライト、ホフマイスターキンクなどの伝統的なデザインエレメントは新しく解釈し直されており、(ガソリンエンジンやトランスミッションのレイアウトに左右されない)EVらしいロングホイールベース、広いキャビン、そして前後ショートオーバーハングを持っていて、なかなかに魅力的なスタイルを持つと言えるかもしれません。
なお、このiヴィジョン・ディーはコンセプトカーなので、ドアハンドルやドアミラーがなく、しかしこれらは実際の発売時には「より現実的な」ものが装備される可能性が大。
加えて、この車両前後のデザインだと、もしフロントやリアをぶつけたときには「修理費が高額になりそうなので」保険会社やユーザーのことを考慮し、もっと容易に交換が可能で、かつ破損の範囲を最小限に収めることができる構造を採用することになりそうです。
BMWは「Eインク」に注力
そしてこのiヴィジョン・ディーのもうひとつの特徴は「Eインク」なる技術を使用していることで、これによってボディ表面のカラーを変更できること。
これはパーツ単位での変更が可能であり、こんなふうにキドニーグリルをボディ同色にしたり・・・。
テールランプをブラックや・・・。
ボディ同色にも。
このEインク技術は、「物理的なパーツとデジタル上での表現とを組み合わせることによって、”フィジタル(フィジカルとデジタルとをかけ合わせた造語)アイコン”を作り出すために開発された」とさて、この車両は”人間らしさ”を表現するため、DeeはこのEインク技術を用いて気分や表情を表現したり人に語りかけることもできるといい、ウェルカムシナリオとして、ドライバーのアバター画像をサイドウィンドウに投影することも可能だとされています。
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BMW i ヴィジョン Deeのインテリアはこうなっている
そしてこちらはiヴィジョン・ディーのインテリア(やはりレス・イズ・モアを感じさせる)。
従来の物理的なボタンやスイッチ類が排除され、iDriveのコントローラー見当たらず、その代わりとしてインストルメント・パネル上にはタッチセンサーを備えた”BMW ミックスド・リアリティ・スライダー」なるデバイスが組み込まれており、これはフロントガラスの全幅に広がる巨大なヘッドアップディスプレイを制御するもので、5つのモードが選択可能だとされ、ドライバーはHUD(ヘッドアップディスプレイ)に表示させるコンテンツの量を選ぶことが可能です。※「現実を徐々にフェードアウト」させるために調光が可能で、iヴィジョン・ディーのインテリアをより没入感のあるものとするようだ
ステアリングホイールも”未来的”だと表現していいデザインを持ち、縦長のスポークとタッチポイント(BMWはこれを「フィジタル」と呼んでいる)を備え、ここからも広大なHUDをコントロールすることが可能だそうですが、BMWによると、このヘッドアップディスプレイは、2025年に生産される最初のノイエクラッセに搭載される予定だといい、実際に市販車へと搭載する準備が進められている、ということになります(BMWはiDriveコントローラーの導入など、新しいインターフェースの採用に昔から積極的だった)。
このiヴィジョン・ディーはあくまでもコンセプトカーであって、BMW iがこれから市販車に採用してゆく技術の集合体ということになり、このクルマがそのままの技術をフルに搭載して発売されることはないと思われますが、ノイエクラッセに関する情報は今年後半にBMWから技術仕様とともに発表されるといい、しかし現時点でわかっているのは2025年からハンガリーの新デブレツェント工場で生産され、その1年後にはミュンヘンでの生産が開始され、10年後以内には、サウスカロライナ州スパータンバーグの工場にて、少なくとも6車種のエレクトリックSUVが製造されるようになるということ。
そしてノイエクラッセの登場とともにBMWのデザイン、そして車両に搭載される技術も大きく変わることが予想され、その一部はガソリン車にも採用されるはずで、続報を待ちたいところですね。
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