| BMWのエンジニアはずっとスーパーカーを作りたいと願いつつ、いつも役員会に却下されてきた |
今度こそは様々な条件が「揃い」実現するかも
さて、実現しそうで実現しないBMWのスーパーカー。
BMWはかつて「M1」を発売しており、その後にもM1オマージュ、ナスカ、ヴィジョンMネクストなど様々なスーパースポーツ・コンセプトを発表しつつ、しかしその都度「発売か」というウワサが出るものの結局は実現に至らないまま(最近だとマクラーレンとのウワサが数年に渡り出たり消えたりしている)。
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その理由としては、「スーパーカーはコストがかかる割に台数が出ないので利益にならない」「同じハイパフォーマンスカーを作るならSUVのほうがはるかに儲かる」とBMWの偉い人が判断したからだとされています。
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それでもBMWのエンジニアは諦めない
ただ、BMWの上層部が「スーパーカーは儲からない」としてその計画を認めなかったとしても、現場単位ではそれをすんなり受け入れることは難しく、これまでにも様々なプロトタイプを製作したり、そして度々メディアに「スーパーカーを作りたい」と語る様子も報じられていて、スーパーカーに対する想いはいつもどこかでくすぶっているようですね(まるでマツダのロータリーエンジン復活を望む現場、それに応えることができない上層部のようだ)。
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そして今回報じられたのが、BMWにてエンジニアリングとR&Dの責任者を務めるフランク・ウェーバー氏のコメントで、同氏によると「ノイエクラッセのプラットフォームを使用した場合、最も強力な形態では合計出力1メガワット(1,341ps)を発生する4つのエレクトリックモーターを搭載することができる」。
度々報じられる「ノイエクラッセ」とは、BMWが2025年以降に発売する新型車に採用する新設計のEV専用プラットフォームを指しており、これは「シングルモーターアーキテクチャ、デュアルモーターアーキテクチャ、そして最大1メガワットの4モーターアーキテクチャ」をサポートすることが可能だとされ、コンパクトカーからハイパーカーにまでフレキシブルに対応できるもよう。
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これについては何度か同様の話が報じられていますが、たとえばガソリン車だと、ミドシップ用のプラットフォームを新規に設計し、それにあわせて補機類やドライブトレインを開発していると膨大なコストと時間が要求され、しかしノイエクラッセのプラットフォームを使用すれば「そこにあるプラットフォームとエレクトリックモーターを使用するだけで(実際はそんなに簡単ではないけれど)」1,000馬力オーバーのスーパーカーを開発することが可能となるわけですね。
実際のところ、BMWはつい先日、おそらく1,000馬力を超える、クワッドモーター採用の「ハイパーMカー」の試作車を公開しており、この存在は今回のフランク・ウェーバー氏の話を裏付けるものとを考えていいのかもしれません。
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ただしちょっと風向きが変わる可能性も
こういった「ハイパーMカー」のプロトタイプ制作に加え、最近BMWは「スーパーエレクトリックオフローダー」の動画も公開しており、なんとなくではありますが、「ちょっとだけ」パフォーマンスに重点を置き始めたようにも思います。
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これはライバルであるメルセデス・ベンツが(AMG GTブラックシリーズで)ニュブルブルクリンク市販車最速を記録し、そしてアウディもRS3にてニュルブルクリンクでのコンパクトカー最速記録を持つのに対し、BMWはなんらメジャーな記録を保持していないために(強いて言えば長時間ドリフト記録とか・・・)ハイパフォーマンスカーセグメントにおけるプレゼンスが弱いこと、そしてIMSAならびにル・マン24時間レース含むWECに復帰することとも関係があるのかもしれません。
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もしIMSAやWECにて大きな成果をあげることができ、かつシリーズが盛り上がったりすると、消費者の目もハイパフォーマンスカーへと向きやすくなり、こういった「環境が整えば」BMWの上層部も「よっしゃ、わが社もスーパーカー出すか」となる可能性がありそうですね。
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参照:BMWBLOG