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BMW「現在、我々の最優先事項はテスラに勝つことです」。北米では3年守った高級車市場トップの座をテスラに奪われ、「追われる側から追う側に」

2023/05/30

BMW「現在、我々の最優先事項はテスラに勝つことです」。北米では3年守った高級車市場トップの座をテスラに奪われ、「追われる側から追う側に」

| まさかこんな事態になるとはBMWはもちろん、他社すらも想像できなかっただろう |

そして数年後には日米欧の自動車メーカーが「中国車に追いつこうと」しているのかも

さて、2022年は1月からテスラが強みを発揮し、メルセデス・ベンツはもちろんBMWをも抑えてプレミアムセグメントのトップに立っていますが、2022年通年においても、「BMWが3年間守ってきた」首位を獲得しています。

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なお、BMWは「打倒メルセデス・ベンツ」を世界中にて掲げ、メルセデス・ベンツのシェアを奪うべく邁進しており(それがBMWにとって最大の推進力であったといっても過言ではない)、よって4年前に北米で「メルセデス・ベンツを抜いてプレミアムカー市場のトップ」に立ったときはおおいに沸いたものの、なんとそのBMWのトップから引きずり降ろしたのはかつての王者であるメルセデス・ベンツではなく「予想外の」テスラであったというわけですね。

BMWはあらゆる方法でテスラにプレッシャーをかける

そこでこの状況を踏まえてBMWが決意したのが「打倒テスラ」。

BMWがテスラを意識していたのは以前からよく知られる事実ではありますが、今回は技術面だけではなく販売台数においてもBMWがはテスラを「追う」立場となり、今後数年間、(テスラと競合する)セダンやクロスオーバーのラインナップに対して、競争力のあるスペックを持つバッテリーを搭載モデルを追加し、テスラへのプレッシャーを強める、と報じられています。

BMWノースアメリカのCEO、セバスチャン・マッケンセン氏によれば、BMWにおける当面の優先事項は バッテリー電気自動車(BEV=ピュアエレクトリックカー)セグメントへと進出するための事業の移行 だとい、昨年はわずか5%にとどまっていたBEVの販売を倍以上に伸ばすことでテスラに対抗する、とも。

ただ、セバスチャン・マッケンセンCEOは「BMWは優れた電気自動車を投入する計画ではあるが、EVの普及は充電インフラによって妨げられている」と述べ、続けて「電気自動車には充電が必要です。ガソリン車のように、燃料タンクがカラになればガソリンスタンドに行き、数分で満タンにするといったことはできません。よって充電インフラの拡充が必要なのですが、まだまだ十分ではありません」と語っています。

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同氏いわく、市場での電気自動車の普及率を50%以上に高めるためには、一戸建て住宅だけが充電ソリューションであるという状況ではまったくもって十分ではなく、政府、地域社会、メーカーが一致団結して充電インフラの拡充に務めねばならないと認識しているようですね。

ちなみにですが、テスラはこういった状況を予見していたと見え、自社による直接の充電インフラを持つ唯一のEVメーカーであり、さらに次のステップとしてこれを他社製EVにも開放する計画を持っています(そして、これによる利益の増加も見込める)。

テスラは競合他社が絶対に持ち得ないアドバンテージを持っている。それは自社の充電ネットワーク「スーパーチャージャー」であり、これがある限りテスラの優位は揺るぎない
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BMWはテスラをけして軽くは見ていない

なお、メルセデス・ベンツはテスラ軽視の発言を繰り返し、BMWも(モデル3の生産開始までは)テスラを揶揄するかのような発言を行っていたものの(モデル3の生産が開始できないテスラに対し、”助けてやろうか?現実を知るがいい”といった旨のコメントを出していた)、セバスチャン・マッケンセンCEOは「テスラは素晴らしい功績を残し、今も最前線にいることは間違いない」とも述べており、テスラを「正しく」認識せねば勝負に勝てないと考えるようになったのかもしれません。

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そして米国市場におけるBMWの強みは「ディーラーネットワーク」そして「スポーティーさ」。

前者は「サービスにおける大きな能力」を持ち、カスタマー・エクスペリエンスの向上には不可欠(そしてテスラが持っていないものでもある)だとし、後者については(BMWがEVを発売したことで)「BMWらしく走る電動化されたクルマにやっと乗れる 」という顧客からのフィードバックがそれを証明している、と語っています。

BMW
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ただ、BMWとしては「ラインアップ全体でテスラの販売台数を超えればいい」と考えており(逆に、たった4モデルのラインアップでBMW全体の北米での販売台数を超えたテスラには驚かされるが)、電気自動車セグメントにおけるプレゼンスを強化しつつ、ガソリンやディーゼルといった内燃機関登載車の販売増加に期待しているという発言も。

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これについて同氏は「長期的にはバッテリー駆動へのシフトが予想されるものの、直近での内燃機関に対する需要が非常に強いことも確かです。そして私たちは究極のドライビング・マシンを販売しています。それは究極の内燃機関駆動マシンにもなり得ますし、究極の電動化マシンにもなり得るのです」と述べ、顧客が選択肢を持てるようにブランドを位置づけることを重視しているとコメント。

「たとえば3シリーズ330iを買おうとしているすべてのお客さまに、i4に乗り換えたほうがいいと言う必要はないのです。BMWはグローバル企業であり、2030年までに10%のEV義務化、あるいは100%のEV義務化を行う市場で事業を展開しています。そのため、パワートレインのポートフォリオを多様化させる必要に迫られていますが、EVだけに絞る必要はないのです」。

つまりEVにおいては(バッテリー性能の強化によって)テスラを上回るコストパフォーマンスを実現しながらテスラの優位に立ち、ディーラー網そしてスポーツ性能という得意分野をもってテスラを制し、テスラが持たない内燃機関の需要を保つ、あるいは強化することで全体の販売を押し上げるという戦略を採用することになりそうですね。

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参照:Automotive News

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