![【動画】ポルシェは1990年に959と911とをミックスしたV8エンジン搭載の「965」を発売しようとしていた!結果的にはコスト高にてお蔵入り](https://intensive911.com/wp-content/uploads/2021/12/Porsche-965-1.jpg)
| なお、そのポジションは911ターボと959との中間 |
ポルシェはこれまでにも様々な試作車、コンセプトカーを作っている
さて、ポルシェはこれまでにも様々なクルマを企画しプロトタイプを作ってきたことでも知られますが、今回は911ターボと959との間に位置するスポーツカーとして企画された「ポルシェ965」の存在が明らかに。
もちろんこのクルマは実際に市場へと投入されることなく終わっていますが、もしこれが実現されていれば「リアに水冷V8エンジンを搭載した」クルマが登場していた、ということを意味します。
この965は現存する最後の一台
この「ポルシェ965」は当時いくつかが製造されており、しかし今回動画に登場するのは「最後に残った一台」だとされ、そのニックネームは「ブラックボマー(たしかに全身マットブラックでステルス爆撃機っぽい)」。
![51715822782_d1a5b2b028_o](https://live.staticflickr.com/65535/53554203022_1451347c6e_c.jpg)
そしてこの965の外観は959に近く、しかしヘッドライトは928もしくは968っぽい構造とデザインですね。
![51717283959_12281ef246_o](https://live.staticflickr.com/65535/53554203027_6255ce819c_c.jpg)
リアは「ほぼ959」で、しかしテールランプは試作品っぽさを感じる「暫定」。
発売されればまさに革命的なクルマに
そしてこのポルシェ965について、V8エンジンのほかに959に搭載されたトルクスプリット4WDやセルフレベリングサスペンションを有していたといい、実際に1990年に発売される予定だったといいます。
ネーミングについては(当時の911のコードネームであった)964と959とをあわせて「969」になるということまでが決定しており、年間販売台数は2500台という計画を持っていたようですね。
![51716884208_4443595b71_o](https://live.staticflickr.com/65535/53555394029_95486c8f69_c.jpg)
市販された場合にどれくらいの価格になったのかはわからないものの、ポルシェ959が1986年から1993年にかけての7年間に283台しか販売されなかったことを考えると「2500台」というのはかなり野心的な計画であり、そのぶんコストも安価(といっても911ターボよりは高価なのはまちがいない)であったものと思われます。
![51716624761_df93863780_o](https://live.staticflickr.com/65535/53554204527_0416da1203_c.jpg)
搭載されるエンジンはアウディ製のV8だそうですが、これはあくまでもテスト用であり、市販時にはポルシェ製のV8エンジンを積む計画だったようですね(そして、その場合の最高速は290km/h。959の公称最高速が300km/hだったのでかなり高い数字だったと言っていい)。
![51717491940_036891ee9b_o](https://live.staticflickr.com/65535/53555257148_8e004bfd9e_c.jpg)
ちなみにこの個体の役割は「ラジエーター(冷却系)」のテスト用。
![51717499905_b9e10bc488_o](https://live.staticflickr.com/65535/53555257143_3ae593eb7d_c.jpg)
気になるのはなぜこの965が発売に至らなかったのかということですが、それはひとえに「コスト高」だったからだと紹介されており、この965を中断するかわり、ポルシェは964世代の911ターボの開発に注力した、とのこと。
ただし993世代では「4WD」「V8エンジンなみのパワーを持つターボエンジン」をゲットした911ターボがデビューしているので、結果的には形をかえて965が実現したと考えていいのかもしれません。
ポルシェは他にもこんなプロトタイプを作っている
なお、ポルシェはこれまでににも様々な(市販前提の)プロトタイプを作っていて、こちらはポルシェ984。
「軽量で空力に優れたロードスター」というコンセプトを持ち、出力は135馬力、重量はわずか880kg、そして最高速度は220km/h。
こういったプロトタイプをみると、ポルシェ博士がポルシェを設立した理由である、「小型で効率にすぐれるスポーツカーがほかになかったから(自分で作ろうと思った)」という信念がよくわかります。
こちらは市場規模がないということで発売されなかった「ベルクスパイダー」。
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![14352324_10154820894067668_2458497425004573089_oa](https://intensive911.com/wp-content/uploads/2016/09/14352324_10154820894067668_2458497425004573089_oa.jpg)
ポルシェの幻のプロトタイプ「965」を紹介する動画はこちら
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参照:9WERKS TV