| なんだかんだ言ってNFTのメリットは消費者には伝わりにくい |
これほど提供側と受ける側との理解が乖離しているサービスも珍しいかも
さて、自動車業界ではNFT参入の動きが加速していますが、それに反してNFT市場は縮小気味だとも言われ(この1年で2兆円程度、比率にして97%くらい縮小したという統計もある)、それでも話題作りのためには「参入しないわけにはゆかない」のかもしれません。
そして今回NFT市場へ参入した最新のブランドはポルシェですが、ポルシェを擁するフォルクスワーゲングループは比較的NFTに積極的でもあり、同グループ傘下のブガッティ、ランボルギーニもやはりNFTを展開しています。
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ポルシェはアートバーゼルにてNFTを発表
そしてポルシェは本日より開催されるアートバーゼルにてこのNFTシリーズを公開することとなっていて、ポルシェはこのアートバーゼルにて巨大オブジェも披露しており、(このイベントへの)初参加ながらも感度の高い人々へのアピールを強めているもよう。
実際のところ、ポルシェは従来のモーターショーよりも、こういったアート関連のイベントやサブカルチャーへの関与を強めていて、これまでとは異なるファンを獲得しようと考えているのかもしれません。
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今回のNFTについて、ポルシェは3Dアーティストのパトリック・ヴォーゲルとそのスタジオ「ALT/SHIFT」と提携してこれらのデザインを制作しているそうですが、購入者は自分のクルマのコアとなるテーマを「ライフスタイル」「パフォーマンス」「ヘリテージ」の3つから選択することができる、とのこと。
そしてこれらのテーマに沿って生成された仮想世界にアクセスすることで様々なコレクターズアイテムを獲得できるようですね。
ポルシェにて副会長兼財務・IT担当執行役員を務めるルッツ・メシュケ氏によれば、「このプロジェクトは、当社のデジタル化戦略の新たな要素です。私たちは長期的なコミットメントを表明しており、Web3チームはこの次元でもイノベーションを開発するための自主性を持っています。ポルシェのイノベーションマネジメントは、購買体験、メタバース、サプライチェーンの分野にも可能性を見出しています。また、車両とサステイナビリティの問題も検討されています」。
ポルシェのセールス&マーケティング担当執行役員、ディートレフ・フォン・プラテン氏は「NFTのアートワークによって、私たちは現代のラグジュアリーに対する理解と、ポルシェのユニークなブランドポジショニングをデジタルワールドに取り込むことができます。ポルシェNFTのオーナーは、仮想世界と現実世界での体験に特別にアクセスすることができます。デジタルパイオニアは、ポルシェのWeb3の世界への旅に直接参加し、ブランドとの対話に参加することができます」とコメント。
結局NFTでは何ができるのか?
なお、2023年1月以降は合計で7,500点のデジタルコレクターズアイテムを購入できるようになり、しかしNFTの購入は、1人3点までとすることで希少性を担保するようですが、ポルシェによれば「この新しいバーチャルブランドプレゼンテーションによって、ブランドの象徴としての地位を確立し、スポーツカーの魅惑的な魅力をデジタル世界の魅力的な芸術品として表現しています。お客様がポルシェに期待するように、NFTもまた、希少で象徴的、そして時代を超越したものなのです」とコメント。
さらに「デジタルアートは、ポルシェのWeb3戦略の一面に過ぎません。ポルシェは、ブロックチェーン技術の可能性を既存および将来のプロセスやソリューションに統合することに取り組んでいます。このコラボレーションは複数の分野にまたがり、ポルシェ・デジタルやMHPなどの子会社、さらにUP.Labsやnft nowなどの戦略的ビジネスパートナーの支援を受けながら進められています。配信は、パートナーのファンゾーンが設立した新会社、road2dreams GmbHが行っています」とも。
正直言うと、公式プレスリリースにおいては「何をどうする」ということについて理解はできるものの、消費者側としては「それでどうなるのか」ということはちょっと不明。
結局のところ、「お金を出して、クルマのポスターやグッズ、ミニカーを買う」という行為がデジタル化されたということになるのかもしれませんが、いまひとつそのメリットがわかりにくく(究極のメリットとしては、入手したアイテムの値上がりと売却益の獲得になるものとと思われるが)、こういった”わかりにくさ”がNFTが思うように普及しない一つの理由なのかもしれません。
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参照:Porsche