
| 実際にポルシェは917のリバイバルを考えているとも言われるが |
ル・マン24時間レースにおける最初の勝利をポルシェにもたらしたのがかつての917だった
さて、インダストリアルデザイナー、Zhengxuan Xie氏が「ポルシェ 917E」なるレンダリングを公開。
説明が付与されていないので詳細は不明ではありますが、当然ながら「ポルシェ917を現代風に再解釈したピュアエレクトリックバージョン」ということになりそうです。

ポルシェ917Eはこんな作品
そこでこのポルシェ917Eを見てみると、「未来」を感じさせつつも「レトロ」な一面も。
全体的なシルエットはかつての917を継承しており、しかしヘッドライトにリング状のLEDを用いたりといった現代的な解釈が見られます。
一方でリベット留めのアクセスパネルや(ヘッドライトの奥にある)レトロなラジエターといった装備も特徴的(名称や、テールパイプがないところから見てフルエレクトリックだと思われるが、バッテリーやエレクトリックモーターを冷却するための水冷システムなのだと考えられる)。

オリジナルの917に比較するとやや角張った印象もあり、しかしこれまたレトロなワイパーも。

ホイールはエアロディク形状を採用しており、リアフェンダー上には917の特徴の一つでもあるNACAダクト、そしてリアセクションにはやはり917のアイコニックなパーツ「ファン」を強調したパーツも確認可能。

リアもまたオリジナルのポルシェ917を強く連想させる形状を持っていますが、テールランプ類は両サイドからセンターへ、そして現代風のディフューザーも備わり、まさにレトロフューチャーといった感じですね。

ポルシェ917はこんなクルマ
ポルシェ917は1969年3月10日、ジュネーブ・モーターショーの2日前に完成したプロトタイプ「917 001」からスタートしており、その後はル・マン24時間レースにて前人未到の387km/hを記録したうえ、ポルシェにはじめてのル・マンでの勝利をもたらしたレーシングカー、そして同時にフェラーリを破ったマシンとしても知られています。
ポルシェ917はその後「917/20」「917LH」「917PA」「917/10K」「917/30K」へとバリエーションを拡大し、しかしエンジンはいずれも水平対向12気筒、出力は550~640馬力くらい、車体重量は800キロ前後というスペックを持っています。

それらの中でも最も有名なのがポルシェ917「ガルフ」だと思われ、この「栄光のル・マン」に登場した”ガルフカラー”は、ポルシェによれば「経済的な事情で誕生した」のだそう。
当時ポルシェはモータースポーツ部門を拡大するため、イギリスのJWオートモーティブ・エンジニアリング(レーシングチーム)と提携することになるのですが、このJWオートモーティブ・エンジニアリングのスポンサーが「ガルフだった」ことからこのカラーが採用されたのだと言われていますね。
ただ、この917のデザインがのちの918スパイダーにも影響を及ぼしたり、モータースポーツにおける成功の基礎となったり、ガルフカラーがポルシェにもたらした効果を考慮するに、このポルシェ917は現代のポルシェにおける「ひとつの起点であった」と言っていいのかもしれません。

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