| 動画を見るに、周囲も協力者も「押しがけ」に慣れているようだ |
ブラジルでは押しがけが日常茶飯事なのか?
さて、ガソリン車ならではの儀式として「押しがけ」というものがありますが、これはバッテリーが上がってしまいスターターによるエンジン始動ができなくなった際に(緊急手段として)エンジンに火を入れる方法です。
簡単に言うと人力でクルマを押し、その勢いに乗ってピストンを強制的に動かしてエンジンを始動させるというもので、しかしそもそもマニュアル車でないとできないということもあり、現代では(これに対応するクルマが少ないので)まず見られない始動手段。
さらに言えば、ブースターケーブルがあれば押しがけをしなくても済むため、多くの人はバッテリーがあがったとしてもブースターケーブル経由での始動を行うものと思われます。
フェラーリF50の押しがけははじめて見た
そして今回ブラジルより報じられたのがフェラーリF50の「押しがけ」で、もはや押しがけを見る機会すら稀なのですが、その対象がフェラーリというのはもっと稀。
なぜこのF50の押しがけが必要になったのかはわかりませんが、バッテリーが弱ったまま走行し、いったんエンジンを切ったら再始動できなくなったのかもしれません。
動画の冒頭では「よーし、いくぞー」みたいな感じで気合を入れるメンズが映っており、まさに押しがけを始める直前ですが、ここでドライバーの方で注意するのは「クラッチを切っておくこと、ギアを2速か3速に入れておくこと」。※ロボットクラッチやDSGであれば、電気系統が死んでいるのでクラッチを切れない
もちろんクラッチを繋いだままにしておくと「押してもクルマが動かない」ためですが、クラッチを切っていればこんな感じで軽く動き出します。
なお、路肩からクルマを押しつつ車道に出るといった状況ですが、F50はもともとパワーステアリングが装着されていないと思うので問題はなさそうですが、パワステ付きのクルマだとパワステも死んでいてこのとき機能しないので、ドライバーは「重ステ」にはじめて直面することになるのかも。
さらにフェラーリF50を押し、けっこう速度が乗ってきたところでドライバーはクラッチを繋いでタイヤの回転をエンジンに伝えてそのままエンジンを始動。
なお、このときギアが1速に入っていると、クラッチを繋いだときにガクンとクルマが停止してしまうので、そうならずスムーズに走れるよう「2速か3速」にギアを入れておくわけですね。
さすがにフェラーリF50でこれをやる勇気はない
この動画を見るに、F50のドライバーは「押しがけ」に慣れているように見え、周囲の紳士たちもそれに慣れているといった印象ですが(ブラジルでは、クルマの押しがけは少なくないのかも)、ぼくがこのF50のドライバーだったら「すぐにフェラーリのサービスに電話して積車を呼ぶ」だろうな、とは思います。
そもそもF50を押しがけしようという勇気を持てず、そして押しがけのための微妙なクラッチ操作を(F50のあの極度に重いクラッチで)行う自信がないからですが、そう思うとこのドライバーはけっこうな手練だと考えていいのかもしれません(F50を知り尽くしているとも言える)。
そのあとはサンキューガイズ!といった手を上げて爽やかに走り去りますが、EV時代になると、こういった「押しがけ」も完全に消滅してしまいそうですね。
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参照:exoticsbrazil(Instagram)