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フェラーリ、レクサス、ポルシェなどメーカーの認定中古車はなぜ高い?その意図を考える

2017/01/24

| 中古車相場はそのブランドを永続的に存続させるために非常に重要 |

さらには中古相場がそのブランドの価値を表している

一般に中古市場において、正規ディーラーの販売する中古車は「高い」という認識があると思います。
フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェなどの輸入車に始まり、レクサスでもそれは同じ。
正規ディーラーの販売する中古車は整備がしっかり行われ、保証も「厚い」ために価格が高いという側面があると思いますが、それ以外にも理由がある、とぼくは考えています。

レクサスの中古相場はなぜ高い?

たとえばレクサス。
ぼくは比較的レクサスについては高い興味を持っており、常々欲しいと思いながらもなかなか購入する機会がなかったのが現実。
レクサスは中古相場が安定していてリセールも高く、乗り換えも楽なのが良いですね。
ただ、これにはちょっとした「仕掛け」があるとぼくは考えていて、おそらくはレクサスの認定中古車について、レクサス(の正規ディーラー)自身が「かなり高値」で販売していることが影響しているんじゃないかと考えています。

これは正規販売店が「利益を大きく取って”儲けている”」のではなく、その価格帯(高め)に設定することで「相場が高値安定」することになり、これによってレクサス認定中古車以外も「価格を下げなくても」売れることに。

これは並大抵の努力ではできず(なぜなら認定中古車は他よりも高くて売れにくくなるので)、トヨタから各ディーラーへの(価格を高値で維持するよう)強力な指示が出ているか、もしくは何らかの対策費が出ているか、もしくはそのどちらかだと推測しますが、そういった理由もあってレクサスの中古は高い=売る時も高い=新車を値引きしなくても売れる、という循環に結びついているのではと思うのですね(もちろんブランドイメージも形成・維持できる)。

自動車メーカーは中古車相場の維持に注力

中古相場は人気を反映したものとはなりますが、こういった感じでいくつかのメーカーは相場を「作って」おり、これはいわゆるPKO(プライス・キーピング・オペレーション)とも。
このPKOによってブランド価値が形成されると言ってよく、でないとそのまま放っておけばどの中古車ショップも在庫を売りさばきたいので、なし崩し的に「価格競争」となり、中古相場が崩れる=ブランドイメージも崩れることになってしまいます。

これはバブル期以降のアウディに当てはまりますが(バブル期はよく売れ、その後中古車が大量に出てきて中古相場が崩れてイメージが悪くなり、新車も値引きしないと売れないという状況に)、その後アウディはPKOを推し進めることで、近年におけるブランド価値を向上させたとも言えます(反対にBMWは現在、中古相場が管理できず相場が崩れている)。

同様にフェラーリについても本社から「世界中の中古相場は常にウォッチしている」と公式発言があり、これはつまり「中古相場をコントロールしている」ということに。
たとえばそのモデルの中古相場が下がりだしたら正規ディーラーの中古価格を引き上げさせ、それにつられて正規以外の中古車ショップの価格も上げさせるのだと思われますが、それによって中古価格相場を維持もしくは上昇させているとも考えられます。

中古車ショップは「仕入れた在庫を早く売って現金化したい」場合と、「資金はまあ大丈夫なので時間はかかっても少しでも高く売りたい」という二派に分かれると思いますが、前者が正規ディーラーの中古価格に追随せずに中古フェラーリを安く売ったとしても、その「安い」個体が市場からなくなってしまえば「残るのは高値の個体」だけになりますし、後者が正規ディーラー中古車価格に追随してくれれば、それはそれでまたOK。
よって、「正規ディーラーの認定中古車が高い」のは、整備や保証が充実している他、価格維持という観点があるということも理解が必要ですね(そう考えると正規ディーラーは”売れないとわかっていて”高値を付けて在庫を保つ必要もあり、相当な資金力が必要とされる)。

ただ、これは新車販売と中古車販売とのバランスがある程度取れている、もしくは中古市場でそのメーカーの車や対象車種が「ダブついていない」ことが前提にはなり、最近ではコンパクトカーのように需要と供給のバランスが崩れると相場をどうやってもコントロールできない、という自体にはなってしまいます。

製品メーカーは「新しい製品を売るだけ」では価値を向上させることが難しい

なお腕時計だとパテック・フィリップがオークションにて自社の腕時計を高値で「買い戻す」ことによって相場を引き上げている、という例もあり、これは自動車だけにかぎったことではありません。

話をレクサスに戻しますが、レクサスに乗っているとけっこう周囲の対応が変わるように思われ、かつ「いい人」認定される確率が上昇する模様。
これはレクサスブランドがスタートする際、しつこいくらいにレクサスが「高級」「上質」をアピールしたことに起因するのだと思われ、その甲斐あってレクサスオーナー自身も「高級」「上質」というイメージに引っ張られているのかもしれません。
ただ、こういったプロモーションも価格を安定させるために必要で、しかしプロモーションにはお金がかかり、そのお金は販売価格に反映されることにはなりますが、「高く買ったとしても高く売れる」のであれば消費者としても結果オーライ。

よって、メーカーにとっては「新車を作る」だけではなく、上品な販売をディーラーに行わせ、中古車においてもその相場をコントロールすることが重要で、それがひいては新車販売にも影響するということになりますが、そのためには受給の操作や見極めも非常に大切、ということになりそうです。

なおポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリ(レクサスも)は購入時こそ高価ですが、残価設定ローンを使えばハンパな価格帯の車よりも安く買えますし、後々売るときのことを考えると「結局は安上がり」な場合が多々あります。

 

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