
| 考えようによっては2リッターエンジンのもたらす高燃費、ホンダエンジンの信頼性がチームの勝利に貢献する可能性も |
実際のレースの結果には期待がかかる
さて、日本では法規的に難しいものの、海の向こうでは盛んなのが「エンジンスワップ」。
これは公道走行用、あるいは競技用車両の両方において日常的に見られる行為ですが、その中でも人気のエンジンが「シボレーのV8」「ホンダのVTEC」「トヨタの2JZ」。
そして今回Youtube上で話題となっているのが「ホンダのVTECエンジンをランボルギーニ・ウラカンに取り付けた」というタイのレーシングチームです。
このランボルギーニ・ウラカンは実際にレースに出場
なお、これまでには「フェラーリにホンダのVTECエンジンをスワップした」という例が報告されているものの、ランボルギーニにホンダのエンジンを押し込んだ例は「おそらく初」。
そしてこのタイのレーシングチーム、PSCモータースポーツが(一見、冒涜とも思える)この行為を行ったのには理由があり、「ランボルギーニ・ウラカン・スーパートロフェオEVOで現地の耐久レースに参戦しようと考えたものの、レギュレーションでは自然吸気V10エンジンが認められなかったため」、ホンダ・シビック・タイプR(FK8型)に搭載されているK20C4気筒エンジン(2.0リットル・ターボチャージド)へと交換することを思いついたのだそう。
YouTubeへと公開された動画を見ると、K20 Cエンジンはほぼノーマル状態ですが、新しいエアインテークを装備し、巨大なルーフスクープから冷却された空気を取り込むトップマウントインタークーラーが搭載されています。※ターボチャージャーも交換されているようだ
耐久レースでは「信頼性の高い2リッターエンジン」が威力を発揮?
驚くべきは、このチームがカスタムマウントを新しく設計し、この4気筒エンジンがウラカン・スーパートロフェオEVOに元々搭載されている6速シーケンシャル・トランスミッションとシームレスに接続できるようにしてることで、同チームはこの組み合わせをもって来年に開催される25時間耐久レースに出場する準備を進めているようですね。
なお、駆動輪は「後輪のみ(ウラカン・スーパートロフェオはもともと後輪駆動)」、ただしホンダのK20 Cエンジンはもともと積まれる5.2リッターV10ほどのパワーはないものの、カーボンファイバー製ボディワークがもたらす軽量性と相まってレースでは大きな効力を発揮するのかもしれません。
さらにPSCモータースポーツは通常のウラカン・スーパートロフェオ・エヴォを超えるダウンフォースを獲得すべく空力アップグレードが施され、大型のリアウィング(スワンネックマウント)、獰猛なカーボンファイバー製ディフューザー、そして巨大なフロントスプリッター等が挙げられます。
そして25時間という長丁場のレースにおいては、この「2リッターエンジン」の優れた燃費がもたらす影響を否定できず、またK20 Cの高い信頼性によって優れた成績を残すことになりそうですね。
ホンダのK20Cエンジンへとスワップしたランボルギーニ・ウラカンを紹介する動画はこちら
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参照:Edd Ellison(YouTube)