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ポルシェはときどき「とんでもない」ハイパーカーを市販しようと考える自動車メーカーである。過去には様々なコンセプトにてこんなハイパーカーが企画されていた

ポルシェはときどき「とんでもない」ハイパーカーを市販しようと考える自動車メーカーである。過去には様々なコンセプトにてこんなハイパーカーが企画されていた

Image:Porsche

| ポルシェのハイパーカーは「優れたパフォーマンスを持つ」のみではなく、そのパフォーマンスを「最新の技術で」発揮させることに意味がある |

ポルシェにとってのハイパーカーは「未来そのもの」なのかもしれない

さて、つい先ごろ「ミッションXは発売されるのか」についての考察をお届けしましたが、そこで気になったのが「今までにポルシェが発売しなかったハイパーカー」。

すでにポルシェは「日の目を見なかったコンセプトカー」として多くの(ミニバン含む)作品を公開していますが、今回はそれらの中から「ハイパーカー」をピックアップしてお届けしたいと思います。

ポルシェはこれまでにいくつかのハイパーカーを発売している

ポルシェは、数十年にわたって物理法則を超えたハイパーカーを世に送り出していて、その中には「世界で最も美しいサウンドを奏でる」とされるV10エンジンを搭載したポルシェ・カレラGTから、「ニュルブルクリンクで初めて(市販車で)7分を切ったハイブリッドカーであるポルシェ918スパイダー、さらにそれらの前には1990年代後半に登場した、ロードゴーイングバージョンのポルシェ911 GT1など、様々な伝説的なクルマを生み出しているわけですね。

ポルシェ917 リビングレジェンド(2013年)

ポルシェ917はモータースポーツの栄光に満ちた名前であり、1970年と1971年の24時間耐久レース「ル・マン」での勝利により、伝説的な存在となっています。

ポルシェがこの917を祝うために発表したのが「917 リビングレジェンド」で、ル・マン優勝車に用いられていた「ザルツブルク」カラーを採用しています(ポルシェがデザインした宇宙船にもこのカラーリングが用いられている)。

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パワートレーンには918スパイダーと同じ4.6リッターV8+トリプルモーターを採用し、そのデザインは917を強く意識した「レトロ」路線で、この頃からポルシェは回顧色を強めていると認識しています。

なお、製造されたのは「走行できない1/1サイズのクレイモデルのみ」。

ポルシェ906 リビングレジェンド(2015年)

1960年代のレースカーであるポルシェ906は、伝説的なドライバーたち(ケン・マイルズやハンス・ヘルマンなど)の手によって数々のレースで勝利を収めますが、その栄光を讃えるべく考案されたのは906 リビングレジェンド。

パワートレーンは非公開、そのデザインはもちろん906を強く意識したもので、こちらもモックアップが1台作られたのみに終わっています。

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ポルシェ919 ストリート(2017年)

ポルシェがLMP1カテゴリーに登場したことを記念して、「919ハイブリッドのロードゴーバージョン」として考案されたのがこの919 ストリート。

このクルマはレースカーの技術をそのまま公道用に転用したという特徴を持ち、つまり「基本はレーシングカー」です。

よってパワートレーンは919ハイブリッドのエンジンをベースにしたターボチャージド2.0リッターV4+ハイブリッド(900馬力)、そのデザインも 919ハイブリッドのショートテールバージョンとも言うべきものであり、細部が「公道走行可能な(法規にマッチする)ように」修正されています。

こちらも1/1サイズのクレイモデルが作られたのみにとどまるようですね。

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ポルシェヴィジョン 918 RS(2019年)

ポルシェ918スパイダーの成功に基づき、ポルシェがさらに過激なバージョンとして企画したのが「918 RS」。

このクルマはパワートレインだけでなく、シャシーとエアロダイナミクスも大幅に強化され、コーナリング性能を向上させることを目的としていたと言われます(市販されれば、ニュルブルクリンクのラップタイムを驚異的なレベルにまで短縮していたであろう)。

パワートレーンはもちろん918スパイダーと同じ構成、しかし大幅に強化がなされる予定であったものの、「設計段階」にてプロジェクトが凍結されています。

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ポルシェヴィジョン E(2019年)

ポルシェが2020年代に向けて、電動スポーツカーの未来を見据えたコンセプトカーとして発表したのが「ヴィジョン E」。

このクルマは、ポルシェが参戦しているフォーミュラEにインスパイアされており、そのテクノロジーを公道に持ち込むことを目指し開発がなされたのだそう。

搭載されるパワートレーンは340馬力を発揮するシングルモーター、そして 低くスリムなボディとパノラミックガラスキャノピーという未来的なデザインが印象的ではあったものの、コンセプト段階にとどまり、「2次元上でのみ」存在するクルマです。

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ポルシェヴィジョン 920(2019年)

ヴィジョン 920はポルシェ919ストリートの後継車として、レースカーの技術を市販車に昇華させたコンセプト。

最終的には、919ハイブリッドのエンジンを改良した1,160馬力のハイブリッドパワートレーンを搭載することまでが想定されていますが、1/1モデルが製造されるも「市販には至らず」。

時々ポルシェは「過激極まりない」クルマを考えることがあり、このヴィジョン920もそういった例のひとつかと思います。

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この他にもポルシェは様々なハイパーカーを制作していて、それらの中には「ケイマンの車体にV8エンジンを押し込んだ」とんでもなく速いクルマも存在するものの、ポルシェはこれについて「使用される技術がいずれも従来のものであり、新規性に欠ける」としてこの市販化を見送ったともコメント。

つまり、ポルシェにとってのハイパーカーは(959や918スパイダーがそうであったように)未来へとつながる技術を持っている必要があるのかもしれませんね。

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参照:Porsche, CARBUZZ

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