| マセラティはモータースポーツにおいて華々しい歴史を誇っている |
昨年より再ブランディング開始、そしてあの日の輝きを取り戻してほしいものだ
さて、マセラティは昨年大きく体制を変更し、パーソナリゼーション部門「フォーリ・セリエ」を設立して顧客の要望に従い車両のカスタムをはじめたこと、そして自社が過去に製造した車両のレストアを行うクラシックカー担当部門「マセラティ・クラシケ」をスタートさせたことをアナウンスしていますが、今回「レストア第一号」が完成し認定書が発行された、とのこと。
この歴史的な栄誉を手にした、記念すべきレストア第一号は1969年3月に製造されたミストラル3700で、専門家からなる委員会が300以上のチェックを行い、マセラティのヒストリカル・アーカイブが保有するすべての資料とすべてのパーツを照合することで保証された、とアナウンスされています。
ちなみにこのマセラティ・クラシケは20年以上前に製造された車両に加え、MC12のような特別なシリーズがそのサービスの対象となっているようですね。
マセラティはさらにレストアサービスを拡大予定
このミストラル3700はピエトロ・フルーアがデザインを担当し、トリノのマッジョーラがボディを架装したことでも知られる2シーター・ファストバックで、245馬力(248PS/183kW)を発揮する3.7リッター直列6気筒エンジン(ルーツはレース用にあり、ルーカス製機械式燃料噴射装置が装備されていた)を搭載しています。
なお、マセラティのクルマには伝統的に「風」の名が与えられていますが(ギブリ、ボーラ、カムシン、カリフ、シャマル、レヴァンテなど)、その元祖がこのミストラル。
発表は1963年のトリノショー、生産開始は1964年だとされ、スチール製のボディを持ちながらもドア、ボンネット、リアウィンドウのフレームは軽量化のためアルミニウム製が採用されています。
なお、マセラティは2022年から更にサービス内容を拡大し、クラシックカーのメンテナンスや小規模な修理、ディーティリングを行うほか新しくクラシックパーツを自社で製造することになるといいますが、自社でこういったクラシック部門を持つのはほかにBMW、ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリ。
メルセデス・ベンツも同様の部門があると考えられるものの、一般向けに門戸が開放されているのかどうかは不明です(あまり聞いたことがない)。
ちなみにこういった「クラシックカーの保存やレストア、認証」にこだわるのは利益というよりはブランディングのためだと考えるのが妥当で、これによって過去のモデルの価値を上げ、ひいてはマセラティというブランドの存在感を強めることに狙いがあるものと思われます。
マセラティは1914年に創業されていますが、すぐにモータースポーツにて頭角を現し、タルガ・フローリオはじめインディ500、F1その他様々なレースにて優勝を記録してイタリアを象徴するブランドの一つまでに成長するものの、その後は大衆化したことで一時の輝きを失うことに。
ただし現在のマセラティはかつての輝きを取り戻そうとしており、その一環としてこういったレストアプログラムの始動そしてパーソナルオーダーの開始、さらにはMC20といったスーパーカーの発売を行っていて、再びその栄光を取り戻す日は遠くない、と信じています。
マセラティは新しくアパレルラインも展開開始
マセラティもまた他のブランドとおなじく以前からアパレルを公開していましたが、今回は別途「クラシックカー」をイメージしたラインを展開開始。
マセラティらしいスタイリッシュさ、そして伝統を兼ね備え、メンズ、レディース、そしてキッズ用が販売されるとのことで、こちらの拡充も楽しみですね。
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参照:Maserati