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日産が東京MSの布陣を公開するも目玉は「軽自動車サイズの自動運転EV」。なぜ日産は人々をワクワクさせることができない会社になったのか

2019/10/02

| それは「汎用性の高い」技術ばかりを追求しているから |

日産が第46回東京モーターショー(10/25~)における出展概要を公開。
これによると目玉は「ニッサン インテリジェント モビリティ」の将来を示すコンセプトカー「ニッサン IMk(世界初公開)」。

加えて 「日産リーフe+」や「セレナ e-POWER」といった電動車、世界初の先進運転支援システム「プロパイロット 2.0」を搭載する”手放し”「スカイライン」 、GT-R NISMO、GT-R 50th Anniversaryなど合計14モデルを展示する、とのこと。※ニッサンの東京モーターショー特設サイトはこちら

ニッサンからは当面、魅力的な新型車が登場する気配はない

なお、日産は検査不正、その後のカルロス・ゴーン失脚、さらには最近の役員不正などイメージがかなり落ちてしまったという印象。
加えて資金不足から新型車を発売できず、むしろ「車種を減らす」と発表を行い、マーチやキューブといったかつての人気モデルの生産も終了する、と言われます。

おそらく今後は「ミニバン」「セダン」「コンパクトカー」といった各カテゴリについて「各1~2台くらい」しかラインアップされなくなるんじゃないかという印象もありますが、これは「車種を増やす」としたトヨタとは大きく異る戦略ですね。

なお、現在消費者の消費に対する嗜好は同時多発的に細分化しており、メーカーとしてはこれら嗜好を幅広くカバーするのが「販売を伸ばす方法」(逆に、スーパーカー専門、オフローダー専門といったニッチな手法もあるが、日本のメーカーにはこの選択肢はない)。

ニッサンは「汎用性のある技術」にしかコストをかけたがらない

ただ、そうなると開発や製造にかかるコスト、販売管理費などが車種のぶんだけかさみ、ここを効率化しないと「一見、売れているようでも中身は減益」となることも。※トヨタが提携によって開発コストを分散させる狙いは個々にある。つまり拡大を前提とした戦略

日産は「幅広いカテゴリー」において「カテゴリ内で強いモデル」を生き残らせることで効率の良い体制を構築しているとも言えますが、一方では「リーフ」のような電動車に早い段階から投資し、かつ「プロパイロット」に代表される自動運転技術にも力を入れています。

「電動」「自動運転」は次世代技術としての注目を集めているものの、日産がここに注目しているのは「これらの技術を開発し実用化すれば、どの車種にも採用できる」という技術の汎用性を考えているのかもしれません。

たとえばハイパフォーマンスカー用の駆動システムやエンジンを開発したとしても、それをまさかミニバンやコンパクトカーに搭載することはできませんが、エレクトリックや自動運転だと、その内容を自由にアレンジし、ミニバンだろうがコンパクトカーだろうがSUVだろうがセダンだろうが搭載し、それを周知させることでセールスにつなげることができる、ということですね(そのためか、日産はR32 GT-Rで採用されたアテーサ4WDのチームを解散させており、それがホンダに流れてSH-AWDが開発された)。

そういった理由もあって日産は「汎用性の高い」技術に注力するのだと考えていますが、今回のモーターショーにおいては世界初披露されるIMkはどんなクルマなのかを見てみましょう。

日産IMkは「ニッサン インテリジェント モビリティ」の進化を体現するEVシティコミューター

日産によると、ニッサンIMkは「都市部の洗練された景観から日本らしい伝統的な街並みにも自然に溶け込む上質なデザインを取り入れた新しい時代の小型EV」。

軽自動車並みのボディサイズを持つEVで、プロパイロット2.0を進化させた次世代運転支援技術が搭載される、としています。

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つまりは走行性能ではなく「移動」のためのシティコミューターであり、無人の状態でも自動的に駐車したり、スマートフォン経由でクルマを呼び寄せる、といったこともできるようですね。

プラットフォームは新開発のEV専用で、これによって「EVだからこそ得られる静かでダイナミックな走りにより、快適でストレスフリーな移動の時間を楽しむことが可能」。
ボディサイズは全長3,434ミリ、全幅1,512ミリ、全高い1,644ミリと非常にコンパクトではあるものの、EV専用設計を持つことで広い室内空間を持つに至っています。

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正直なところを言えば、このIMkと同様のクルマを他メーカー(たとえばメルセデス・ベンツやフォルクスワーゲンでも)作ることができると思われ、さほどインパクトはない、という印象。

汎用性の高い技術を持つクルマを開発することで、クルマそのものも一般的なものになってしまったということですね。

であれば、実現の可能性は低くとも、ハリボテでもいいので、「スーパースポーツ」を東京モーターショーにて発表したほうが「出展効果」が高いのでは、と考えたりするわけですね。

VIA:NISSAN

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