| 予想以上にCX-50はオフローダーっぽいルックスで出てきた |
一方、その考え方はドライブトレーン、インテリアともにマツダらしいものだった
さて、マツダが予告通り新型SUV、CX-50を発表。
このCX-50はトヨタとマツダとが共同にて建設したアラバマ州ハンツビル工場にて生産される「(マツダにとっての)第一号」となり、今のところは北米専用モデルというポジションです。
なお、マツダは既にCX-50のほか、CX-60、CX-70、CX-80、CX-90を発売すると発表しており、北米市場向けにはCX-50/CX-70/CX-90、欧州と日本にはCX-60/CX-80を投入するとコメント。
なお、これらの違いについては「北米ではゆとりのある車体とオフロードっぽいルックスが好まれる」「欧州や日本ではスマートな車体、スタイリッシュなデザインが好まれる」という差から来ているようですね。
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CX-50はオフロード風味満載
そして今回のCX-50ですが、無骨なエクステリアに高級感あふれるインテリア、2種類のエンジンを揃えており、エンジンについてだと、ベースモデルに搭載されるのは2.5リッター4気筒(自然吸気)、そして上位モデルには2.5リッターターボ(現時点で出力は公開されていない)。
これらに組み合わせられるトランスミッションは6速オートマティック、そして駆動方式は4WD(マツダは北米市場において、全てのモデルを4WDのみとする計画を発表済み)。
今回の発表には「ハイブリッド」が含まれないものの、将来的にはハイブリッド含む電動化も考慮されているといいます。
エクステリアデザインについては、これまでのマツダとは大きく異る「無骨さ」を押し出しており、しかしこういった傾向はCX-5のフェイスリフトでも見られたもの。
北米市場にてスバルのアウトドアテイストが高く評価されていることから、他社もそれに倣う「スバル・エフェクト」とも呼ばれている現象ですが、マツダはけっこううまくアウトドア風味に味付けを行ったんじゃないかと思います。
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とくにマツダが(オフィシャルフォトで)強調しているのは、このリアの「ブリスターフェンダー」。
そしてボンネット上の「反射防止」のためのマットブラックフィニッシュも「オフローダー」らしさが感じられる部分ですね。
そのほか、グリルやヘッドライトサラウンド、ウインドウモールなど多くの部分が「無骨な」ブラックにて仕上げられます。
ただ、こういった外観にかかわらず、マツダのビークルダイナミクス担当北米マネージャー、デイブ・コールマン氏によると、新型車の設計にあたっては「オフロード技術をあまり深く追求したくなかった」とのこと。
デイブ・コールマン氏の調査によると、アメリカのユーザーについて、アウトドアアクティビティに出かけるといえど、実際には何百マイルも舗装路を走り、最後に10〜20マイルだけオフロードを走るというケースが多いとしています。
そして同氏は「オンロードでの走行に妥協して、オフロードでの走行を少し改善するだけでは、あまり意味がありません」と語り、「特にマツダはオンロードを得意としています。だからこそ、オンロードで妥協することなく、最高のオフロード性能を手に入れようと考え、オンロードでの強みを活かして、どんな路面でも思った通りに走れるクルマを作ることに注力しています」とも。
そのほか、樹脂製のフェンダーアーチも大きく張り出して大きなタイヤを納め、かつトラックを拡大することで安定性や走破性を向上させています。
テールランプは新型CX-5同様に「丸」ではなく「ちょっと角張った」形状を持ち、これが今後のマツダの標準となるのかもしれません。
リアバンパーには大きなダクトが装備され、ここもアウトドアテイストを増幅させているところですね。
さらには強化Bピラーや高強度ルーフレールを採用し、より多くの荷物をルーフに積むことが可能だとアナウンスされています(ルーフラックなど、豊富なオプション群は後に公開されると思われる)。
結果的にオフロード走行性能は大きく向上
マツダによると、"Mi-Drive "によって選択できるドライブモードについて、これは条件が異なる状況下で同じドライビングダイナミクスを実現するためのものであり、「オフロード」モードは用意されるものの、他のSUVとは異なって「サンド、グラベル、スノー」などのモードがなく、これは「現実の路面は複数の要素で構成されていることが多いため、ドライバーが混乱してしまうから」。
つまりは「砂利と雪」両方があった場合、ドライバーがどちらを選択すべきか迷ってしまうということですが、CX-50では「オフロード」に入れておけば全てOK、という考え方を持つようですね。
さらにいえば、「牽引モード」では、トレーラーの重量を考慮してシフトスケジュールを変更しつつも前輪の重量を考慮してGベクタリング制御を強化し、これらのプログラムによって、(牽引中でも)トレーラーを使わないときと同じような操縦性を実現してふらつきを回避しているといい、つまりは「いかなる路面状況でも、いかなる状況でも、マツダの考える”安定した走り”を実現できるということになりそうです。
参考までに、オフロードモードでは、フロントのグリップ不足を補うためにターンインレスポンスの向上を図っていて、この場合、AWDシステムにはトルクを与えるためだけに機能するのではなく、前輪と後輪の回転数を同じにすることで(前輪のトルクを増強することで)、より予測可能なハンドリングを実現している、とアナウンスされています。
新型マツダCX-50のインテリアは「装備充実」
そしてマツダCX-50は「より快適に」室内で過ごせるように考慮されており、フロントでは「ドライバーが主役であることを意識して、ドライバーの軸を中心に左右対称に展開するように設計」。
さらにはレザーや金属もしくは金属に準じる質感を持つパーツが採用され、他社の”いかにもオフローダーっぽい作りを持つ”SUVとはやや異なる、しかしマツダらしい考え方で設計されているようですね(ドライブモード同様、実際に走行するのはほとんどオンロードだと捉え、それに合わせているようだ)。
後席スペースも見る範囲ではかなり余裕がありそう。
ラゲッジエリアについては「アウトドアに必要な道具をほぼ全て」収納できると紹介され、しかし容量など数字については未公開です。
パノラミック・ムーンルーフは新開発。
このCX-50は上述のとおりハンツビル工場にて生産がなされ、ここではほかにカローラクロスも製造中。
マツダいわく「プラットフォームとコアコンポーネントはマツダ特有のものでカローラクロスとは共有していない」とのことで、しかしせっかくのジョイントベンチャーによるシナジー効果を出すため、一部のパーツについては共有を行っているのだそう。
価格やスペック詳細については追って公表されるそうですが、市場導入は2022年後半から、とされています。
参照:MAZDA