| これでGRヤリスが「悲運のクルマ」にならずに済むようだ |
さて、参戦の機会をコロナウイルスによって奪われてしまったGRヤリスベースのラリーカー(WRカー)。
GRヤリスはもともと、2021年シーズンのWRCへ投入する予定だったWRカーのホモロゲーションモデルとして発売されていますが、折悪しく発生したコロナウイルスによってWRカーの開発が難しくなり(パーツの供給やスタッフを集めることができなくなった)、結果として2021年シーズンへの(GRヤリスベースの)新型WRカー投入を見送っています。
2022年シーズンからWRC用マシンは「ハイブリッド」に
なお、2022年シーズンからのWRCではハイブリッドシステムの使用を含む「ラリー1規定」が導入されることになり、これによって参戦するマシンは100kWのプラグインハイブリッドシステムを搭載できるように。※サプライヤーはドイツのコンパクト・ダイナミクス。ラリー2ではマイルドハイブリッドが使用されることになる模様
もちろんトヨタはこれを織り込んだ状態でGRヤリスを開発し発売したわけで、つまり(ハイブリッドがまだ導入されない)2021年シーズン1年のためだけにGRヤリスを発売したということにもなりますね。
ただ、もちろんトヨタは2022年シーズン以降にはGRヤリスベースのWRカーを電動化することも視野に入れているはずで(でないとコストが膨大なものとなってしまう)、つまり現行GRヤリスにも電動化の余地が予め含まれているということになりそうです。
ただし、2021年シーズンにGRヤリスで戦うチームがあった
そこで今回紹介するのが「ヤリスAP-4」。
これは4度ラリー・オーストラリアを制し、トヨタ・ガズー・レーシング・オーストラリアのチーフを務めるニール・ビーツ氏率いる「ニール・ビーツ・モータースポーツ」によって開発されたクルマで、現在2台が”GRヤリスをベースに”開発中だとされています。
同氏はこの業界にて30年のキャリアを持つそうですが、GRヤリスについては「プラットフォーム、エンジン、ボディなど、どれをとっても素晴らしい」とコメントしており、今年3月から開発が開始された模様(トヨタがGRヤリスでの2021年シーズン参戦を見送ると発表したのは6月だが、この開発時期を鑑みるに、3月には内部で”参戦見送り”が決定していたのかも)。
画像を見ると、たしかにGRヤリスをベースとしているようで、そこへさらに大きな前後フェンダー、クイックリリースとダクト付きのボンネット、ルーフ上のエアスクープ、大きなリアウイングが確認できます。
2022年以降の「ハイブリッド化された」GRヤリスベースのWRカーがどのようなクルマとなるのかは不明ですが、”参戦する機会がなくなった”と思われていた現行GRヤリスベースのWRカーにも活躍の機会が与えられたのは喜ばしいことでもありますね。
どこまでトヨタがこのプロジェクトに絡んでいるのかはわからないものの、データ収集の場としても活用できるため、比較的厚いバックアップ体制を敷いているのかもしれません。
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参照:Car Advice