その質感はダマスカス・ブレード。ジラール・ペルゴが新作腕時計「ロレアート・アブソルート 8Tech」を発売、積層カーボンを採用しお値段352万円

｜　ジラール・ペルゴは群雄割拠の腕時計業界において、独特の、そしてアイコン性の高いデザインを持っている　｜

特にロレアート・アブソルートはその代表格である

さて、アストンマーティンとのコラボレーションによってクルマ好きの注目を集めるジラール・ペルゴ。

実は1791年創業というかなり古い歴史を持っており、高級時計マニュファクチュールとしては非常に古い歴史を持つ部類です。

そんなジラール・ペルゴの近年におけるヒット商品が「ロレアート」ですが、この人気に火がついたのは2019年に発表されたロレアート・アブソルート・コレクション以降と言ってよいかと思います。

そして今回新作として発表されたのが「ロレアート・アブソルート 8TECH（81060-41-3222-1CX / 3,520,000円）」であり、ここでその詳細を見てみましょう。

ジラール・ペルゴ・ロレアート・アブソルート 8Techはこんな腕時計

このロレアート・アブソルート 8Techの「8Tech」とはジラール・ペルゴの誇るケースの製法で、「カーボンとチタンパウダーを樹脂で固めて0.05ミリの薄い層に成形し、それを積層して8角形にカットし、さらに焼成した後に手作業でフライス・研磨を行う」というもの。

リシャールミルやG-SHOCK、ゴリラウォッチ、パネライその他多くのメーカーが採用する手法ではありますが、各社とも（特許を回避するためか）ちょっとづつその工程が異なるもよう。

ジラール・ペルゴの場合はこのカーボンファイバーの「層」を異なる向きに重ね合わせることで複雑な、そして1本1本の腕時計で異なる文様を演出していて、その柄はまさに「ダマスカス鋼」のようでもありますね。

なお、ここ数年は腕時計の素材につき、一般的な「ステンレススティール」「ゴールド」「プラチナ」といったところから、「チタン」「セラミック」「カーボン」そして「サファイアクリスタル」といったところにまで急速に多様化していて、しかし直近ではそういった進化も一段落してしまい、やや行き詰まり感があるように思います。

加えてストラップ素材や加工についても「ラバー」「ラバーのファブリック風加工」「ラバー＋レザー/アルカンターラ/ファブリック」の先の進歩がなく、やはりちょっと見飽きた感も。

おまけにカラーについても「ブラック」「ブルー」「グリーン」そして「ターコイズ」「パステル」「グラデーション」など、多くの腕時計メーカーの間で同じような色味を採用する傾向が強くなり、最近は「どこの腕時計メーカーの製品も、あまり固有の特徴がない」「高いお金を出して高級機械式腕時計を買う意味が薄い」状況にあるのもまた事実（安価な腕時計をいくつか購入している方がよほど楽しい）。

そんな腕時計市場においてジラール・ペルゴはやや独特のポジションを確保しており、その理由は古い歴史の中で培ってきた特色のデザインにあるとも考えられ、そして今回のロレアート・アブソルート 8Techにおいても（1975年発表の初代ロレアート以降の特徴である）排他的な8角形フォルムを採用しています。

なおケースサイズは42ミリ、厚さは15.5ミリ、搭載されるムーブメントはGP03300（自動巻き、パワーリザーブ46時間）。

ストラップはラバーにテクスチャ加工、そしてステッチ入り。

なお、文字盤の仕様はちょっとユニークで、グラデーションを採用しながらもレトロな印象はなく、バイカラー仕様のスモールダイヤル、「凹んでいる」インデックスとともにむしろ近代的な印象も。

さらにはベゼルとケースとのバランス、リューズガード、プッシュボタン、ストラップとの連続性など全体的にかなり高いデザイン性を持っていると言ってよく、こういったところを総合し、現在ぼくはジラール・ペルゴについて（ゼニスとともに）高く評価しているわけですね。

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参照：Girard-Perregaux