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ランボルギーニはなぜ「LPナントカ」という名称を使用しなくなったのか?→「ややこしかったから」。

2019/02/05

ランボルギーニ

たしかにここまで増えてくると覚えるのが困難に

Motor Trendが「なぜランボルギーニはそのネーミングに”LP”を用いなくなったのか」という記事を掲載。

なお、ランボルギーニが用いている「LP」とは 「longitudinal posteriore(ロンギチューディナル・ポステリオーレ)」の略で、これは「後方縦置き」を意味し、つまり「縦置きミッドシップ」を表します。
ちなみにミウラはミドシップながらも「横置き」なので、縦を表す「ロンギチューディナル(L)」がない「P」のみが付与され、「ミウラP400」といった表記に。※ウラッコも横置きなので「P」

LPの元祖はランボルギーニ・カウンタック

この「P」が用いられたのは1967年の「ミウラP400」が最初で、「LP」の始まりは1971年のカウンタックLP500(これは市販されなかったので、市販車だと1974年のカウンタックLP400が最初)だと認識していますが、そこから2016年辺りまで使用されていたのが「LP」という表記。

ただ、この「LP」もずっと使用されていたわけではなく、たとえばディアブロには「LP」という名称は用いられず(構造的にはLPに該当)、2001年発表のムルシエラゴに「LP」がついたのも2006年の「ムルシエラゴLP640」から。※”640”は馬力を表す

上述の通り「LP」は2016年に消滅しているものの、これまでの例を見ると「2006年に復活し、2016年に消滅」しているということもになり、この期間はちょうどランボルギーニCEOがステファン・ヴィンケルマン氏であった時期。

つまりはステファン・ヴィンケルマンCEOが就任と同時に復活させたのが「LP」ということになりますが、その次のステファノ・ドメニカリCEOもまた着任早々に「LP」の記載を廃止しているわけですね。

そして「LP」に話を戻すと、2009年辺りから「LP+数字-4」という記載が登場。
これは「エンジン後方縦置き+馬力+駆動方式(4WD)」を表しています。

最初にこの命名法則を与えられたのは「ガヤルドLP560-4」、V12モデルだと「ムルシエラゴLP650-4ロードスター」。
ガヤルドは2004年登場のクルマですが、フェイスリフトを受けた2008年に「ガヤルドLP560-4」とその名を変えたことになりますね。

そしてなぜ「4」という駆動方式を示す名称がついたのかということですが、これは後に2WD(後輪駆動)モデルが登場することを想定していたためだと思われ、実際にガヤルドでは「LP550-2」という後輪駆動モデルが発売されています。

そしてステファン・ヴィンケルマン氏がランボルギーニCEO在任中にあった時期に発売されたアヴェンタドール、ウラカンはそれぞれ「アヴェンタドールLP700-4」「ウラカンLP610-4」という表記をデビュー時には与えられ、しかし2016年以降は「アヴェンタドール」「ウラカン」へと変更。

となると「4WDと2WDとの区別がつかん」ということになるので、「ウラカン」という名称は4WDを指し、「ウラカンRWD」が2輪駆動モデルを指すという区分へと変更に(アヴェンタドールには2輪駆動モデルが存在しない)。

要は「LP」の表記があるなしは、その構造を採用しているからというワケではなく、CEOの意向によるものであるということですが、そこで現在なぜ「LPをやめたのか」という話。

MotorTrendによると、ランボルギーニの言として「単に”LP+数字+駆動方式”という表記はややこしく混乱を招くから」だとしていて、たしかに「LP650」「LP650-4」「LP670-4」「LP560-4」「LP570-4」「LP550-4」「LP610-4」「LP700-4」「LP720-4」など増えてくると覚えにくく、かつ今後V10モデルとV12モデルとの番号が「被る」可能性も(実際に、ウラカン・ペルフォルマンテやウラカンEVOの出力はムルシエラゴの”LP650”に達しつつある)。

その意味で先手を売って「別の名称に」したのはいい選択だったかもしれず、さらに「アヴェンタドール→アヴェンタドールS」、「ウラカン→ウラカンEVO」というフェイスリフト後の名称も”なにかが変わった”ということを押し出せて良いのかも。

加えて発音も容易で、「ウラカン・エルピー・シックス・テン・ダッシュ・フォー」というのは長く、かつ国によっても発音が全く異なることになるので(日本だと”ロクイチマル”が主流)、やはり現在の方式のほうが「世界統一」で売りやすいということもあるのでしょうね。

ただ、その反面「商標を取りにくくなる」という問題もあり、たとえばアルファベットと数字との組み合わせで、かつ長いものでは比較的商標を取りやすく、たとえばBMW「M850i」などは他があまり商標を取るとは思えず、よって世界中での販売が容易。

ただし「EVO」のような単純なものだとどこかの国では商標を取られて使えないという可能性もあり(フェラーリも日本では”フィオラノ”の名称を使えなかった)、ここはランボルギーニにとっては諸刃の刃とも言える部分でもありますね(覚えやすく発音しやすいものの、商標取得が困難)。※だからこそ、クルマに”名前”をつけずに”数字”で通すメーカーも多い

そして、フォルクスワーゲングループは「最長」でも10年経てばグループ内での異動があるようなので、ステファノ・ドメニカリCEOが異動となった後はまた別の命名法則が採用されるのかもしれません。

VIA:MotorTrend

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