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マツダ欧州「SKYAVTIVE-Xエンジンの受注は予想を超える」。一方米国ではマツダ3そのものが低調。欧州は「環境性能」でクルマを選ぶが、米国は「価格」で選ぶ?

2019/11/29

| 日米欧では、マツダ車、そしてエンジンの環境性能に対する捉え方が異なる |

マツダは「夢のエンジン」とまで言われるSKYACTIV-Xエンジンを発表し、最初の搭載車となるマツダ3「X PROACTIVE」は12月5日に発売予定。
これは欧州マーケットでも先行して発表されており、マツダモーター・ヨーロッパGmbHのCEO、青山裕大氏によると「スカイアクティブXの需要は、予想を超えている」とのこと。

同氏いわく「我々がこのエンジンを発表した後、続々と勇気づけられる反響が返ってきた。現在、マツダ3のオーダーのうち60%、CX-30だと45%はスカイアクティブXが占める」。※欧州ではSKYACTIVE X搭載のマツダ3が8月、CX-30は10月に発売されている

日米欧ではマツダ3の捉えられ方が異なる?

日本においてはつい先日(SKYACTIVE Xエンジン搭載の)マツダ3 X PROACTIVEが発表されたばかりですが、こちらの価格はこれまでの2リッターガソリンエンジンに比較して70万円ほど高い価格です。
そのためマツダ3 X POROACTIVEの価格はメルセデス・ベンツAクラス、BMW 1シリーズと並ぶレベルとなっていて、しかしそれらブランドの地元である欧州で高い評価を得ている、ということになりますね。

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日本では現在発売されたばかりなので、SKYACTIVE-Xエンジン搭載モデルの販売状況などはわかりませんが、マツダ3自体は販売ランキングを見る限りでは概ね好調(ただしCX-30発売後はその影響を受けている)。

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米国だとマツダ3は苦戦中

反面、北米市場においてマツダ3は大きく販売を落としていて、モデルチェンジしたのに「先代よりも売れていない」という状態(発売初月で前年比-8%)。
これについては、マツダ3の価格が先代マツダ3比にて平均10%ほど高くなっており、かつ値引きのインセンティブを抑えた(つまりこれまでのように値引きしない)ことが理由だとされています。

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こういった傾向を見るに、欧州では「環境に良いものであれば、高くてもお金を払う」という認識があるものと思われ、さらに「環境改善に取り組むメーカーは優れた会社である」という捉えられ方がなされるのかもしれません。
よって、「革新的な」エンジンを発表したマツダは優れた会社/ブランドであり、そのエンジンを搭載するクルマは「高くても買うべき」ということなのでしょうね。

一方で米国では、マツダ副社長自身が「マツダ3は、日本での軽自動車のようなもので、米国でもとくに価格に敏感な層が乗るクルマ」だと言う通り、ブランドや環境性能は抜きにして、価格で選ばれる傾向が強いのかも。

日本市場においては、印象的に欧州と米国との中間といった印象を持っていますが、欧州とは異なり「環境にいいものに喜んで支出する」傾向は低く、しかしブランド性やデザインを重視してモノを選ぶ傾向が見られるようにも思います。
そして現在、日本における「マツダブランド」の価値は徐々に上昇中だとは思われるものの、ぼくとしては「マツダ3のSKYACTIVエンジン搭載モデルは苦戦するだろう」というのが偽らざる心境(日本では、小さい車に高いお金を払いたがらない。マツダはベリーサにてそれを理解しており、マツダ3では別の手法を採用した)。

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