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日産リーフ、三菱i-MIEVの中古相場が暴落し30万円台に突入。なぜEVは日本で売れないのか

2017/07/07

国沢光宏氏が「電池寿命に不安。電気自動車の中古価格が暴落中!」という記事を公開。
これによると現在日産リーフの初期モデルにおいては中古価格が30~40万円程度のものもある、としています。
ただしリーフのみならずi-MIEVも中古相場だと30万円台に突入していて、これはリーフ特有の問題というよりもEVならではの問題、と言えるかもしれません。

EVは新車価格だと相当に高く、同じクラスや性能を持つガソリン車に比較すると1.5~1.7倍くらいの価格なんじゃないかと考えています。
そのため新車では「売れにくい」のは当然として、中古でここまで下がるのはなぜか?と考えるのですね。

たとえばリーフやi-MIEVだと、それぞれノートやマーチ、軽自動車あたりの中古価格くらいになるのが妥当かとも思いますが、実際は「それ以下」。
つまり世間の評価として、EVは「ガソリン車以下」とも考えられます。

そこで、なぜ「ガソリン車以下」なのかということですが、「充電上の不安」が大きいのかもしれません。
「充電しないと走らない」「バッテリーがなくなったらどうしよう」「充電できなかったらどうしよう」ということになりますが、充電できる場所が限られる(それでも日本は世界的に見て相当に充電スポットが多いようですが)ということ、そしてそれに不安を覚えている、と言えそうです。

というのも、昨年末に発売され、日産にとっては「30年ぶり」の単月登録台数No.1を記録したノートe-powerの成功を見ると、その成功の理由として「充電の不安から開放された」というのが大きいんじゃないか、と考えています。
たしかにノートe-powerはほかのEV/PHEVに比べると安価ですが、その後に発売されたプリウスPHEV(HV版プリウスより70万円くらい高い)の販売が好調であるところを見るとEVが売れないのは「価格」の問題ではなさそうだ、と思うのですね。

プリウスPHEVやノートe-powerの売れ行きを見たとき、日本市場は「EVに興味がないわけではない」と考えられ、しかし「価格の問題で買わないわけでもない」。
となると「充電」の問題ではないかということになりますが、とにかくここに不安を持つ人は多そうです。

上述のように日本は充電設備が多いものの、それらの利用方法は施設によってバラバラで、使いたい時に使えなかったり、料金体系が不透明であったり、ということも。
加えて自宅で充電できる環境にある人も少なく、というのも自宅でEVを充電しようと考えるとそもそも「一戸建て」で、しかも充電設備を設置でき、そこで充電できるスペースが必要で、かつEV1台では不便なので他にも車を持っているような家庭となりますが、そういった家庭の数自体がそもそも少ない、ということですね。

EV先進国だとこういった「EVにとって不利」な条件を覆すだけの優遇をEVに与えていて、高速道路料金が安かったり無料だったり、充電が無料だったり、公共施設には必ず充電器があったり、公共施設の駐車料金が無料だったり、各種税金が無料になったり、というところ。

日本だと高速道路も税金も駐車料金も優遇されるわけではなく(税金は購入時のみの優遇)、正直「EVに乗っていて良かったなあ」と思うのはエキスポシティ(大阪)のEV専用充電スペースに駐車できるくらいのものですが、そのEV専用スペースも混雑時には「EVじゃない車」で占められており、日本においては「高いお金を払ってEVに乗るメリットもさほどない」と言えそうです。

よって、ぼく的にはEVを普及させよう、そして中古市場を活性化させようとなると「購入した後」にもEV利用者のメリットが出るような施策が必要だと考えており、しかし国は何もしそうにはなく、よってこのまま「EV後進国」への道をひた走るのかもしれません。

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