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米紙「日本でアメ車が売れないのは日本が悪い」。なぜアメリカではこういった認識がまかり通るのか

2017/11/24

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米紙「日本でアメリカ車が売れないのは、日本車ディーラーの行き過ぎたサービスのせい」

 

米Atlantic紙にて、「なぜ日本ではアメリカ車が売れないのか」という記事が掲載に。
これによると、まず日本の自動車市場において、日本車は90%のシェアを持っている、と前置きして「海外の自動車メーカーが入りにくい」市場であることを指摘しています。
その「入りにくさ」については”日本の自動車ディーラーによる、消費者に対する過剰なサービス”が原因だというのが同紙のみたて。

実際は日本車のディーラーも輸入車ディーラーもサービスは同じと言える

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これによると、日本の自動車ディーラーは「消費者の自宅まで試乗車を持ってゆき、無料で洗車を行い、保険の面倒まで見る」としています。
欧米の自動車ディーラーはこういったことをしないので、日本の自動車メーカーのシェアを奪えない、ということですね。

どこがどう伝わったのかはわからないものの、ある意味では正しくもあり、そうでもないような内容で、たしかに試乗車を自宅まで持ってきてもらうことはあるものの(ぼくはいつもディーラーに出向くので、試乗車を持ってきてもらったことはない)、これは輸入車ディーラーでもお願いすれば対応してくれるはず。
洗車については点検や修理などの際に無料で洗ってはくれますが、平時にも無料で洗車してくれるわけではなく、これも欧米の自動車ディーラーと同じ条件だと思います。
保険についてもやはり同じですね。

つまり、サービス内容についてはべつに「国産車ディーラーと輸入車ディーラーとの」差はないと考えていて、しかしむしろ輸入車ディーラーの方がサービスがいいんじゃないか、というのがぼくの認識。

そもそもアメリカの自動車メーカーは日本市場に合わせる気がない

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じゃあなんでアメ車が売れないのかということになると、サイズが大きなこと、あまり燃費が良くないこと、そしてそれらを覆すだけの魅力に欠けるかもしれないこと。
たとえばジープは大きく燃費もちょっと不利ですが、それを無視させるだけの、代替性のない価値や魅力があるわけですね(反面、フィットやヴィッツ、デミオのある日本で、フォード・フォーカスを買う理由は非常に乏しい)。

BMWについても、日本の駐車場に合わせるためにパーツを変更して「立体駐車場に収まるよう」調整したりという努力が見られますが、アメ車はあまりそういったところが見られず(報じられないだけなのかもしれませんが)、ただマーケットにあわせた対応が不足しているだけなんじゃないかと思います。

これは小売にも言えることで、ウォルマートが成功しなかったのも同様かもしれません(日本の商慣習を無視して欧米スタイルで押してきた)。

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さらにはディーラー数が圧倒的に少なく、仮にアメ車を購入しようとしても「買うところ(ディーラー)がどこかわからない」のが実情で、そういった状態ではなかなか「売れない」のは当然かもしれない、とは思います。
その国で売るには、その国に合わせた調整が必要であり、文化を尊重したり、ある程度の先行投資(ディーラーの展開やプロモーション)が必要な部分もある、とは考えています。

日本市場は独特の原理で動いている

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ただ、日本は「かなり特殊」な嗜好を持つマーケットでもあり、しかしその市場規模は大きくなく、さらに普及価格帯の製品は日本企業のものがかなり安価で出回ってしまっているので、あえて諸外国の製品を選ぶ理由がない、というのも日本における一つの特徴。

よって、「価格で日本製品に対抗する」のは外国メーカーにとっては難しく、しかし高級ブランド市場では日本は「指折り」であるという事実が示す通り、「日本企業の製品にはない価値」があるものだと十分に売れる可能性も。

そう考えると、上述の「販売拠点の少なさ」に加えて、日本市場へと入れている商品の選択ミスがあるかもしれず、たとえばダッジでも「チャレンジャー」を正規で入れればよかったのに、と考えたりするわけですね。

実際にフェラーリやランボルギーニ、マクラーレン、アストンマーティン、ロールスロイスといったブランドにとって日本市場は2-4番目の市場であり、これを見るに必ずしも「日本市場は閉鎖的」とは言えないのが現状。

なお、アメリカにおける「アメリカの自動車メーカー(GM、フォード、クライスラーなど)のシェア」は45%、日本の自動車メーカーは39%、とのこと。
これを見るとアメリカにおける日本車のシェアが相当に高いように思えますが、日本の自動車メーカーはアメリカ市場に合わせた展開を行っており、トヨタはレクサス、日産はインフィニティ、ホンダはアキュラにて、日本にはない、アメリカ市場にあわせたモデルを展開(レクサスは現在世界共通、インフィニティも一部共通になっている)。
トヨタブランドでも「RAV4」は現在北米専用だったり、他にもそういった例はたくさん。
つまり、売るためには相応の努力とコストを対価として支払っている、と言えます。

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しかしながらアメリカの自動車メーカーは「日本市場専用モデル」の投入はなく(過去にスズキとGMとが提携していた時代は別として)、アメリカの自動車メーカーがそもそも日本にあわせた商品ラインアップを用意していないことが「売れない」主な理由とも言えそうですね。

考え方として、アメリカは「自分たちが作ったものを買わないのはおかしい。買わない方が悪い」、日本は「売るためには相手にあわせたものを作らないといけない。売れないのは自分たちの製品がよくないからだ」と考えるのかもしれません。

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