VWアウディグループが業績公開。VW「一台売って7万円の儲け」アウディ「35万」ポルシェ「215万」

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ポルシェ、ベントレー、ランボルギーニ、ブガッティ等を擁するフォルクスワーゲン・アウディグループ各社が順次営業利益を公開。
今回はポルシェ、アウディ、フォルクスワーゲンがその内容を公開しており、どれくらい利益構造に差があるのかを見てみましょう。

一台あたりの利益はいくら？

まずは特別項目計上前の営業利益を見てみましょう。
その金額は下記のとおりですが、ここで特筆に値するのはポルシェの利益のほうがフォルクスワーゲンよりも大きなこと。
もちろん台数はフォルクスワーゲンのほうが圧倒的に多く、「え？」という感じですよね。

それでは販売台数を見てみましょう。
ポルシェの販売台数はアウデイの13％で、フォルクスワーゲンに比べるとわずか4％という規模。
言い換えればアウディはポルシェの7.6倍、フォルクスワーゲンはポルシェの25.3倍も売っている、ということに。

となると気になるのは「一台あたりいくら利益があるの？」ということですが、下記は営業利益を販売台数で割った金額を円に換算したものです。

ちょっとこの数字は驚異的で、そもそもポルシェはフォルクスワーゲンの4％に相当する台数しか販売してないのに営業利益全体では1.24倍もあり、1台あたりの利益だと31倍もの差が。
数年前の統計ではこの数字（1台あたりの利益）について「ポルシェはVWの25倍」となっていて、その差について拡大が続いているということですね。

ポルシェの営業利益率（17.6％）は自動車業界中もっとも高い数字だとされますが、とにかくポルシェは「利益の大きなメーカー」だと言ってよく、一台売れば平均で215万円も儲かる、ということですね。
ちなみに売上高は235億ユーロなので、これを販売台数に換算し、さらに円に変換すると1251万円。
つまり「一台あたりの販売金額は1251万円」ですが、これはポルシェの出荷額なので、ディーラーでの販売価格とは異なり、これに30％くらい（これが妥当かどうかはわかりませんが）を乗せると1626万円となり、ユーザーが購入する平均価格はこれくらい（かもっと上）なのかもしれません。

同じ計算だとアウディの1台あたりの販売価格は319万円、フォルクスワーゲンは166万円（いずれも出荷額）。
ポルシェは1251万円に対して251万円儲かり（17.6％）、アウディは319万円に対して35万円儲かり（10.9％）、フォルクスワーゲンは166万円に対して7万円の儲け（4.7％）、ということに。
見方を変えるとフォルクスワーゲンは大変に「お買い得」とも考えられますが、これが「ブランド力の差」でもあり、どのメーカーもなんとかブランド力を押し上げようとするのはここに理由があり、ランボルギーニ、ブガッティ、ベントレーなど潰れかけていても「高いブランド力を持つ老舗メーカー」を買収する価値はここにあります（仮にVWがほかメーカーを買収していなかったら、利益がほとんど出ていない会社だったのかも）。

日本の自動車メーカーについてもデータが揃えば計算してみようと思いますが、以前に計算した範囲だと、トヨタ、日産、ホンダ等主要メーカーは「VWと同じくらい」の営業利益率だったように思われ、そう考えるとアウディも「かない良いほう」で、むしろ「ポルシェが異常」ということもわかります。

ちなみにフェラーリは同様の計算だと「1台あたり1200万円」の利益がある、という結果が出ていますね。

ただし単純に一台あたりの利益を算出することはできない

なお、この「営業利益」には様々な要素があり、車の販売以外で得た利益も参入されていて、よって今回の計算が「純粋に一台あたりの利益」を示しているとは限らないことには要注意。
たとえばポルシェは特許収入が多い会社だと言われ、かつ先日紹介したように「ハチミツ」など車以外の利益もあるわけですね。

さらにフォルクスワーゲンは「自動車よりも多くの」ソーセージ（本当）を販売しており、当然この売上もカウントされていると思われます。

↓これがフォルクスワーゲン名物のカレーソーセージ（カリーブルスト）

ただ、「1台あたりの出荷額」を見るとおおよそメインとなる車両の（卸）価格と近いように思われるので、まずまず信用に値する試算であるといえるのかもしれません。

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