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ポルシェコレクターがレアな924カレラGTをカスタム。もとからオーバーフェンダー付きの過激モデル

2018/05/22

| FRで唯一”カレラ”の名称が与えられた924カレラGT |

「無一文だったけど、好きなことをしてたらなんかお金が入ってきて有名になった」ポルシェコレクター、マグナス・ウォーカー氏が「924カレラGT」をカスタムし、動画の中で紹介。
なんだか聞いたことのないクルマですが、それもそのはず、924カレラGTは製造わずか406台(日本へと輸入されたのはわずか1台)というレアモデル。
グループ4のホモロゲーション取得ように924ターボをベースに製作された車両ですが、ワイドフェンダーとオフセットされたボンネット上のエアスクープが装着されているのが特徴。

オーバーフェンダーは最初から

エンジンは2リッター4気筒、出力は207馬力。
ボンネット上のエアスクープはインタークーラーを冷却するためのもので、もともと168馬力の924ターボからパワーアップすることで増大した発熱に対応するもの。
なお重量は1180キロにまで軽量化されており、そうとうに機敏な動きを示しそう。

924カレラGTファミリーとしては、さらにパワフルで軽量な「カレラGTS」が59台製造されており、これはヘッドライトが固定式に。
そしてレースバージョンの924GTRも17代作られ、これは375馬力、930キロというスペックを誇ります。

「カレラ(Carrera)」というと「911」のみに許された名称のように思いますが、もともとはメキシコで開催されていたレース「Carrera Panamericana Mexico(カレラ・パナメリカーナ・メヒコ)」に由来しており、ポルシェはレース仕様の高性能車に「カレラ」の名称を与えるように。
なお「カレラ」はスペイン語で「レース」の意味ですが、最初にこの名が与えられたのは1954年の356カレラ。
その後は1973年の「カレラRS」が有名ではあるものの、FRモデルで唯一「カレラ」の名が与えられたのがこの924カレラGT(1980)となります。

現代において「カレラ」は911のベースグレードに与えられるもので、サーキット走行をメインにしたモデルに与えられる名称は「GT」。
時代とともに「カレラ」の扱いが変わってきているのはちょっと面白いところですね。

ポルシェ924はこんなクルマ

ポルシェ924はフロントエンジン、リアドライブつまり「FR」。
トランスミッションを車体後方へと配置した「トランスアクスル」レイアウトを持ち、2+2でリアにトランクルームを持つという高い実用性、FRならではの優れた操縦性を実現したモデル。

当初フォルクスワーゲンとの共同開発にてプロジェクトが発足していますが、様々な事情からその後ポルシェ単独で開発することに。
ただしもとの計画や、安価に販売したいという意向からフォルクスワーゲンやアウディのパーツを流用して作られており、実際に発売されたのちは大きなヒットに。
このあと944、968と「FR、トランスアクスル」の歴史は続きますが、968をもってその歴史が閉じることとなっています。

なお、パナメーラはフロントエンジン、リアドライブを基本としますが、これは「トランスアクスル」ではなく、今に至るまでトランスアクスルモデルは復活せず。
924、944、968いずれも優れたハンドリングを持ち、非常に高い評価を得ていたものの、911というビッグネームの陰に隠れて「ポルシェの顔」となり得なかった不遇のモデル。
もし911がなかったら、そして他のメーカーから発売されていたならば絶賛され歴史に残るモデルになっていたのは間違いないだろうと思われるシリーズでもありますね。

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