
| この車両は「ボクスターに見えて」アウディ「コンセプトC」市販モデルの試作車だと言われている |
この車両は2022年末から目撃されており、アウディは「こっそり」スポーツカーの開発を進めていたようだ
ポルシェが2022年末からニュルブルクリンクなどで熱心にテストを続けている、次世代の「718ボクスターEV(電気自動車)」。
2026年現在も市販モデルの登場が待たれる中、直近のスパイショットから「一見ボクスターに見えるテストカーの中に、実はアウディの新型EVスポーツカーが隠されているのではないか」という非常に興味深い疑惑が浮上することに。
フォルクスワーゲン(VW)グループ傘下のポルシェとアウディが水面下でプラットフォームや技術の共有を進めていることは既知の事実ではありますが、今回目撃されたプロトタイプ、そしてアウディが2027年の市販化を目指して開発中の電動スポーツカー「コンセプトC(Concept C)」との関係性について考えてみたいと思います。
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この記事の要約(3行まとめ)
- 謎のナンバープレート:ニュルで目撃されたボクスターEV風のテストカーは、アウディの本拠地「インゴルシュタット」のナンバーを装着
- アウディ初の電動タルガ:アウディ版の市販モデル(コンセプトC)は、ポルシェの布製ソフトトップとは異なり、独自の「リトラクタブル・タルガトップ」専用車になる見込み
- 対照的なブランド戦略:ポルシェは718のEV移行後も上位モデルでガソリン(ICE)車を併売する方針だが、アウディの新型スポーツカーは「純EV専用」として開発されている
新型EVスポーツカーの特徴とポルシェ、アウディの戦略
今回YouTubeへと公開された、「ドイツ・ニュルブルクリンクとその周辺で目撃された」カモフラージュ付きのプロトタイプは”一見すると見慣れたポルシェのボクスターEVそのもの”。
しかし、決定的な証拠はその「ナンバープレート」にあり、なんとその登録地がアウディの本社がある「インゴルシュタット(IN)」になっていて、これは、アウディがポルシェ718 EVの車体を「ミュール(開発初期のテスト用外殻)」として使い、自社の次世代電動スポーツカー「コンセプトC(Concept C)」の先行開発コンポーネントをテストしている可能性を強く示唆する事実である、と見られています。※ポルシェであればシュトゥットガルトを示す「S GO」を装着するのが通例であるが、ほかのナンバーを装着している車両も多々目撃されている
そしてもし「中身」がアウディの車両であるならば、それはおそらく「コンセプトC」市販バージョンの試作車ということになり、そしてコンセプトCの市販版は(アウディの技術開発部門スポークスマンであるダニエル・シュスター氏によると)「VWグループ内で共有される新しいパフォーマンスプラットフォーム」が採用されることとなるもよう。
これまでにもアウディは、ランボルギーニの新型ハイブリッドスーパースポーツ『テメラリオ』の車両基盤を活用してアウディの次世代スーパーカー『ヌヴォラーリ(Nuvolari)』の開発を”こっそり”進めてきたという履歴もあり、これと同様に、すでに数年間718 EVの開発を続けてノウハウを蓄積しているポルシェの知見を借りることによって、アウディは「コンセプトC」の開発を急速に前進させているのだとも考えられます。
そしてポルシェの「次世代718EV」とアウディの「コンセプトC」は、メカニズムの多くを共有する兄弟車になると予想されますが、キャラクターやルーフの構造には明確な差別化が図られる可能性が非常に高く、ポルシェが伝統的な布製ソフトトップ(ロードスター)とクーペ(ケイマン)の2本立てで構成するのに対し、アウディ版はブランド初となる「リトラクタブル・タルガトップ」の専用モデルになるとされ、これはボタン一つで2枚のルーフパネルがリアデッキ下へと格納される構造です。

Image:Audi
ポルシェ718 EV vs アウディ コンセプトC 予測スペック比較
| 項目 | ポルシェ 次世代718 EV(ボクスター/ケイマン) | アウディ コンセプトC(市販予定モデル) |
| ルーフ構造 | 布製ソフトトップ / 固定式クーペ | リトラクタブル・タルガトップ専用 |
| パワートレイン | 純EV & ガソリン(ICE)※上位モデルで併売 | 純EV(電気自動車)専用 |
| 駆動方式 | 後輪駆動(RWD) / 4輪駆動(AWD) | 後輪駆動(RWD)からスタート、Quattro(4WD)対応可 |
| 登場予定時期 | 近日発表(開発遅延の影響もあり2026〜2027年頃か) | 2027年中に市販モデルが登場予定 |
| 生産体制 | 通常の量産カタログモデル | 通常の量産カタログモデル(永続的なラインナップ) |
フォルクスワーゲングループのプラットフォーム戦略と市場での位置付け
【知っておきたい関連知識】アウディ幻の「5気筒R8」計画の影
今回のコンセプトCが「純EV専用」として開発されている背景には、アウディの厳格な電動化戦略が存在し、過去にアウディは伝説的スーパーカー「R8」のエントリーモデルとして、名機である2.5リッター直列5気筒ガソリンターボエンジンをミッドシップに搭載する”R4”計画を検討したものの、最終的に市販化を断念(お蔵入り)した歴史を持っていて、つまりアウディはすべてのリソースをEVへ投資する構えを見せており、そのため今回の新型スポーツカーでガソリンエンジンが復活する可能性は極めて低い、と考えられています。
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市場の懸念:現在のEVスポーツカー市場での立ち位置
自動車業界の専門家の間では、これらポルシェとアウディによるプレミアムEVスポーツカーの商業的成功に対して慎重な、あるいは懐疑的な見方も存在し、というのも現在、グローバル市場におけるEVの需要は一時的な減速を見せていて、特に趣味性の高いスポーツカーセグメントにおいてはユーザーが完全にエンジン音のないEVを受け入れるかどうかはまったくもって不透明だから(たぶん受け入れないであろう)。
ただしポルシェはそういった懸念に対応すべく、ガソリンエンジン搭載モデル(ただしハイブリッド化はなされる見込み)を併売するというバックアッププラン(命綱)を用意するとされ、しかし一方のアウディは(限定499台のハイパーカー「ヌヴォラーリ」とは異なり)このコンセプトCを「EVのみのラインアップ」として永続的に販売していく計画を立てていると言われるため、この「EV一本に賭ける」アウディの戦略はポルシェ以上にリスクを伴う大胆な挑戦だとも見られているわけですね。

Image:Audi
結論
ニュルブルクリンクで目撃されたインゴルシュタット(アウディ)ナンバーのボクスターは、ポルシェとアウディという2大プレミアムブランドが電動スポーツカーの未来をかけてタッグを組んでいる決定的な証拠ともいえるもの。
ポルシェの走りのDNA、そしてアウディが得意とするスタイリッシュなデザインの融合。そして、内燃機関(ガソリン車)への未練を断ち切り、純EVスポーツカーとして2027年のデビューを目指すアウディの覚悟がこの1台のテストカーに凝縮されているのだと考えてよく、EVシフトへの逆風が囁かれる昨今ではありますが、この「美しき電動タルガ」が沈滞気味のEV市場に新たな刺激を与える起爆剤となるのかどうかに注目が集まります。
ちなみにですが、現在のプレミアムカー、スポーツカー市場の雰囲気からすると、「どんなに優れたデザインや先進性を持っていたとしても」BEVにて成功を収めることは非常に難しいであろうという印象を持っていて、それは自動車メーカー自身が一番よくわかっているはずなのですが、ぼくからすると「なぜそうまでして危険な賭けに出るのか」という感じです。
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