| ブガッティ・シロンがこれで「フルパワー」を発揮できる? |
ミシュランがついにブガッティ・シロンの性能に耐えられるタイヤを開発した、との報道がBloombergより。
ブガッティ・シロンは最高速420km/hを掲げ、理論上だと「時速480キロも可能」。
ただしその速度を出すにはタイヤが耐えられない、として現状シロンは「リミッター」がかかった状態だとされています。
なおブガッティによれば、シロンのバルブキャップは一個あたり2.5グラムしか重量がないそうですが、シロンが時速420キロを出した時、計算上は(2.5gのバルブが)7.2キロにも匹敵する重さになると述べており、いかに高速域での走行が困難な課題をはらんでいるかもわかりますね。
時速480キロ達成なるか
なおシロンの前身であるヴェイロンの最高速度は時速423キロ(計測済み)。
現時点でシロンの「420キロ」は未達成(400キロまでしか記録されていない)であり、実際に残っている記録では「シロンよりヴェイロンのほうが上」ということになります。
なぜ500馬力もパワーが(ヴェイロンよりも)高いシロンが”ヴェイロンの記録を超えることができないのか”はやはり「タイヤ」が理由。
ヴェイロンにできてシロンにできないのはちょっと不思議ということになりますが、ヴェイロンのタイヤはホイールとセットで開発され、通常のタイヤのようにパカンとリムに嵌めるのではなく、かなり特殊な方法と構造を採用している、とのこと。
よってタイヤ交換はブガッティのディーラーもしくは本社でしか行えず、タイヤ交換二回に一回はホイールの交換が必要。
タイヤ交換にしても「一回400万円」と言われており、これは「最高速達成のために犠牲にした」部分だと言えそうですね。
一方のシロンは「普通のホイールとタイヤ」を使用しており、ブガッティいわく、「そのへんのタイヤショップでも交換可能」。
これによって維持費が大きく下がったのは間違いありませんが、そのかわりに「タイヤの性能が求める基準に達するまで」最高速を出せない、ということに(逆にヴェイロンの時代はタイヤの性能上見通しが立たず、上記のような方法で問題を解決したものと思われる)。
そして今回その「タイヤの問題」も解決しそうだということになって、シロンがいよいよ「最高速アタック」を行う可能性が出てきており、ヘネシー・ヴェノムF5との「最高速対決」が見られることになりそう。※ブガッティとヘネシーは以前から最高速を抜きつ抜かれつする因縁を持っている
なお、現時点での最高速ランキングは下記の通り(未計測の公称値含む)。
ケーニグセグ・アゲーラRS(時速277マイル/444キロ)
ヘネシー・ヴェノムGT(時速270マイル/434キロ)
ブガッティ・ヴェイロン・スーパースポーツ(時速263マイル/423キロ)
SSCアルティメイト・エアロ(時速256マイル/412キロ)
サリーンS7ツインターボ(時速248マイル/400キロ)
ケーニグセグCCR(時速242マイル/389キロ)
マクラーレンF1(時速241マイル/388キロ)
パガーニ・ウアイラBC(時速238マイル/383キロ)
ゼンヴォST1(時速233マイル/375キロ)
ノーブルM600(時速225マイル/362キロ)
ランボルギーニ・ヴェネーノ(時速221マイル/356キロ)
アストンマーティンOne-77(時速220マイル/354キロ)
ジャガーXJ220(時速217マイル/350キロ)
マクラーレンP1(時速217マイル/350キロ)
ラ・フェラーリ(時速217マイル/350キロ)
ブガッティ・シロン(時速261マイル/420キロ)※実際には記録準備中